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セイレーン

現在、源十郎は理事長室でボイスチャットをしている


「なるほど。ではproject・tuningは12月で終わるのか」

「ハイ、rulerハ1・4号機ヲ軌道エレベータートシテ改修シマス」


2045年、WW2から100年が経過

当時自らを大国と自称していた国は経済が破綻

その責任を周辺国の陰謀と国民に説明

国民感情は暴走し他国へテロ行為を行うようになった

そこらへんは割愛

なんやかんやあって経済の厳しい国が連合を組織し他国への同時侵略を行う

ちなみに日本は侵略される側であった

世界中で核戦争が懸念される中戦争は突然終了することになる

地球と月の間に巨大な隕石が発見されたのだ

なぜ今まで気づかれなかったのか

落下後の調査で判明するのだがこの隕石は地球上には存在しない物質で赤外線やレーダーに反応しないのである

あと別にSFみたいな軍事利用できる~とかエイリアンが乗ってる~とか未知の殺人ウィルスが入ってる~とかは全く無く、未知だが別に利用価値もない大質量という無駄で迷惑な代物である

落下予測地点は侵略国側で、当然のように核ミサイルで隕石を破壊

隕石はバラバラになって大気圏で燃え尽きる

と思っていたが燃え尽きることなくユーラシア大陸全域に降り注いだ

この騒動で侵略国側は戦争どころではなくなってしまった

さらに隕石を砕いた国には他国から莫大な賠償金が請求されることになった


戦争の話はこれで終わり


この隕石が原因なのかこの時から地球の自転に異常がみられるようになる

異常環境や大災害が頻繁に発生するようになり誰もが滅亡を感じていた

しかしある科学者集団は諦めていなかった


「赤道に4つの重りをつけてブースト制御で自転修正したらなんとかなるんじゃね?」


そんな安易な考えを発表し行動を始めたのだった

他者には理解すらできない艱難辛苦であったろうにそれを達成し地球の自転を戦前までに修正して見せたのである


「軌道エレベーターハ完全予約デ高額デスガ1月ニデモ一般開放サレル予定デスヨ」


少し発音のおかしい日本語で話す男はその研究者たちの後任である


「じゃあ7人分予約しといてくれるかの?」

「オッケイ!最優先デ予約シトクヨ」


そして学院の卒業生でもある


「失礼します。」


黒いスーツの男(佐藤)が理事長室に入ってくる


「理事長、電話が来ております」

「誰からかの?」

「獅子堂ジンクロウ様です」

「・・・繋げ」


獅子堂ジンクロウ

この学院の3年生の獅子堂陽一の父であり次期首相最有力候補と言われる男である

だがワシは嫌いである


「お久しぶりです源十郎先輩」

「それを言いに来ただけか?とっとと要件だけ言え」

「相変わらずですね。陽一と娘さんの件。もう一度考えていただけませんか?」

「断ると言っただろう。お前達では夏妃は幸せにしてやれん」


この男の目的は自分の息子と夏妃を結婚させることである

学院の卒業生には他国の重役や巨大なプロジェクトの発案者がいる

その数は決して少なくない

要するに学院を通してこれらと接触する口実がほしいのだ

そのための道具として夏妃が欲しいと言っている


「しかし真にこの国を思うなら有効な手段ではありませんか?」

「そのために自分の娘を道具として扱えと?」

「血が繋がっていない、さらに中古品ともなれば惜しくもないでしょう?」


真にこの国を思う

そんなことを言ってはいるがこの男の本性はコレである


「今の自分の発言におかしいことは感じないかね?」

「???」


これである

人間を物として扱いそれに何の疑問を持たないのである

学院時代からこの点を指摘され続けていたが理解できないのだ


「縁談の話は終わりじゃよ。何より夏妃にはもう婚約者を用意したんだからな」

「物好きな奴がいたものですね」

「それと・・・もう二度とお前とは話さん」

「なぜで・・・」


話の途中で電話を切る

血が繋がっていないのは確かだ、否定はしない

だが事実とはいえ愛しい孫を中古品などと言われれば憤慨するのは当然である


「鼻息荒イネ理事長」


あ・・・マイク繋いだままだったよ


「夏妃チャン結婚スルンデスカ?」

「確定ではないがの。あくまで婚約者じゃよ」


何時かは夏妃の事実をあの者に話さなくてはなるまい

それで彼がどう反応するかで判断をしなければ




------




南大陸の中央には大きな森がある


「ここにも残骸か・・・A子、ログは?」

「えっと・・・ここも13時間前に戦闘痕跡があるね」


最近この森で謎の敵に襲われる事件が発生している

誰かが誰かに破壊される

その残骸をヒャッハーしようと誰かが来る

誰かに破壊される

その残骸をヒャッハーしようと

エンドレス

バトルウォーカーでは当たり前の日常なのだが


「A子ぉ。あっちの残骸は3時間前みたいよぉ?」


だんだん犯人に近づいてきている


「・・・こんな大陸中央でやる必要性はなんなんだろうね」


それだ

敵を倒して残骸を回収するには回収班が必要だ

積載を増やすために武装は最低限にしなければならない

当然戦力にはならない

さらに言えば足手まといだ

なので敵の残骸を回収するのは戦闘の終わった最前線になる


「残骸回収が目的じゃないだろうな」


12時間も残してるんだから

そう考えるとやっぱり目的は


「・・・敵を倒すことが目的?」


そんな話をしていると


-ヘヴィバレット大破・セイレーン死亡-


「セイレーンがやられた!エバーは!」


森の探索は3組に分かれて行われていた

エバー・セイレーン

サイド・セレブリティッシュ

A子・ネクスター

である

エバーとセイレーンは機動力がある方なので広めに探索をしていた


「エバー!状況は!」


エバーと通信するが


「・・・・・・ーン・・・・・・れ・・・・森・・・・・・・・東・・・・・・・・」

「通信範囲外?この森そんなに広くないよね?」

「クッソ。とにかく探すぞ。周囲警戒怠るな!あと孤立するな!」

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