四天王の森口君
今日の午後は特にすることも無かったので素直に授業を受けていた
いやね、バトルウォーカーのアプデですることは増えたんだけどね
流石に毎日昼から夜までゲームしてたら疲れるってもんですよ
そして授業も終わり帰りのホームルームも終わった
そんな時に声をかけられた
「森口!これからいい物見にいかねぇ?」
声をかけてきたのは同じクラスのゴウダ君
「いい物?」
「おう!水泳部の見学」
この男、わかりやすい人間である
「女子の水着が見たい?」
「なぜわかった!」
高校生だもんね。女体に興味が出るのは当然だ
「またゴウダが興奮してるぅ」
「ほんとキモいわねぇ」
「私達の森口君に野蛮なこと教えないでよ!」
同じクラスの女子からは非難の声
そりゃ堂々という事じゃないもんね
あといつからお前たちの物になった
「うるせぇチンクシャども!忰田先輩の魅力がわかんねぇのか!」
そこで洋子が出るのか
っつか洋子の水着が見たいという事か
「そんな目で忰田先輩を見ないでよ!」
「忰田先輩は私達の王子様なんだから!」
女どもも大概だった
ゴウダと女子たちが口論してる中ほかの女子に話しかけられる
「でも男子全員がゴウダみたいとは思わないけど森口君ってそういうのにあんまり反応しないよね」
反応はしてますよ。自分にも性欲があるわけで
でもそんなのは表に出したくないだけで
絶対に絶対に
「そういえば最近女子たちに四天王って呼ばれてる人たちがいるのよ」
「なんだそれ?」
あれでしょ?四天王なのに5人いたりするんでしょ?
「一人目が3年の獅子堂陽一先輩
二人目が1年の森口君
三人目が中等科2年の次弥御門君
四人目が用務員の鈴木おじいちゃん」
・・・さて、どこからツッコめばいいのだろうか?
「獅子堂陽一って誰?」
「3年の一番イケメンな人ね」
なるほどわからん
「え?森口君、獅子堂先輩知らないの?」
口論していたゴウダと女子たちはこっちに参加してきた
どうやら洋子の魅力を語り合っているうちに意気投合したらしい
「獅子堂先輩ねぇ~・・・かっこいいんだけど無理よね」
「ヤリ捨ての獅子堂なんて噂あるしなぁ・・・」
「噂によれば3年のギャルたちをほとんど食ったとか・・・」
「知ってる知ってる2.3回ヤったらすぐ捨てるって噂でしょ」
評判はなかなかに最低である
でもイケメンと付き合うことをステータスにしてる奴らにはモテてるらしいとのこと
「んで森口君が二人目よね」
俺はそいつと同格か?
「うわ、すごい嫌そうな顔。念のため言っておくけど四天王って女子の人気が高い4人ってことだからね?」
「何!森口そんなに人気者なのか!」
ゴウダは知らなかったようだ。っつか俺も今日知った
「森口君人気よ。カッコカワいくて知的なところとか大人気」
「あと夏の水泳の授業の時も人気爆発してたね」
「そうそう!かわいい顔して引き締まった体してるんだもん。何人か鼻血だして保健室に行ったわよ」
「ヌいたな・・・」
「ゴウダ最低!」
そんな引き締まってるかな?
「学院で一番手を繋ぎたいランキング1位よ森口君」
なんだそのランキングは
「3年の獅子堂は何で受賞したのよ?」
「玉の輿で豪遊したいランキングで1位ね」
「ロクでもねぇ」
じゃあ御門はと言うと
「えっと・・・なでなでしたいランキング・ギュッてしたいランキング・ご飯作ってあげたいランキング・膝枕してあげたいランキング・同衾したいランキング・甘やかしたいランキング・餌付けしたいランキングで1位ね」
ぶっちぎりだね
ではあえて最後に回した鈴木用務員さん
この鈴木さん、学院祭でワクヤと言う男を捕まえた老人である
普段は用務員としてこの学院を歩き回っている
「なんかよくわかんないけどあのおじいさん2.3年にすごい人気あるのよね」
「噂では拳法の達人で夜の街で悪党たちをなぎ倒してるとか」
拳法の達人ってところはあってる
「そういえば9月に3年の女子が街で買い物してる時にひったくりにあったんだって。その時に居合わせた鈴木さんがあっという間に犯人を叩き伏せたって聞いたことあるよ?」
鈴木さん・・・ボディーガードがそんなに目立っていいんですか?
「お?悠!まだ学校にいたのか?」
廊下から顔を出して呼ぶ声
「あれ?洋子?水泳してるって聞いたけど?」
「いま上がって帰るところだぞ?」
気が付くとゴウダに声かけられてから30分ほどたっていた
「なぬ!洋子先輩もう上がっちゃったんスか!」
「え?上がっちゃダメだったか?」
ゴウダは完全に忘れていたようだ
「ギギギギギ・・・千載一遇のチャンスが・・・かくなるうえは。先輩!」
「な、なんだ?」
「先輩の水着姿が・・・見たいです。見せてください!」
ゴウダ渾身の土下座
これはドン引きですわ。ほら女子たちも引いて・・・
「お願いします!お姉さま!私たちに旧スクを着たお姉さまを見せてください」
結論、ゴウダよりも洋子ファンの女子たちのほうが重傷であった
「写メでいいならあとで撮ってくるぞ?」
そして洋子はそんな変態達に寛容であった
イヤァッホォォォウ!!
湧きあがるクラスメイト
「収集つかなくなってきたから帰るかな・・・」
「なんかごめん・・・アタシも今のうちに帰る」
後日、ゴウダ含む洋子ファンたちに旧スクを着た洋子の写メが送られて大合唱が響き渡る