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入学その日の昼

2月の戦い?あのぐらいの戦いならいつものことだった。

エバーと名乗る男はそう考えていた。

ソロで活動していると偶然出会った部隊と共闘、そこからの勧誘なんてよくある話だ。

なので適当に返事をして連絡先も教えておくが忙しいことを口実に無視することも多かった。

VR用のヘルメットを脱いでゲーム「バトルウォーカー」を終了する。

特に気を留めることもなくその日は就寝した

そんなこんなで3月末までは普通の日々だった。

4月からは親族の家を出て少し遠い全寮制の学校に入学。

母方の親族は近くの高校に通うことを進めてきたが断った。

あちらは何とも思っていないようだが私自身はそんな生活に後ろめたさがあるのだ。

アルバイトや株にまで手を出し貯金をして学費はすべて自分で何とかした。

とりあえず高校は何とかなる。大学は働きながらなんとかする。大丈夫、勉強は得意だ。

必要な荷物はすべて寮に送った。あとは自分が出ていくだけだ。


---


駅前につくと


「森口悠さんですね?」


そう後ろから男の声が聞こえた。

振り向くとそこには巨漢でサングラスに黒いスーツの男が2人

今にも「ザッケンナコラー!」とか叫んできそうな2人組である


「あの・・・何か?」

「申し訳ありませんが荷物は〇×高校ではなく宇都宮学院に運ばせていただきました」

「は?」

「事情は後程説明します。車にお乗りください。拒否権は有りません。」


そう言って黒塗りのベンツ?ロールスロイス?車はよくわからないが乗せられた。

逃げようとしたが駅の警備は無視を決め込んだ。

車の中で2人組は説明を始めた


「2月にゲームで共闘した方々を覚えているでしょうか?資源を分け合った5人組です。」


あの五人組の関係者か!

ヤバい奴らとかかわった?

そもそもどうしてリアルの所在が分かった?


「その時あなたを勧誘した方々は先ほど言った宇都宮学院の生徒たちなのです」


そしてリーダーは学院創設者のひ孫で現在の理事長の孫らしい

どうもその人は重度のバトルウォーカーのプレイヤーで自分を部隊に引き込みたいらしい

そのための取り引きなら大抵のことは応じるという事だ

いや、その前にプライバシーの侵害なのでは?


「そのあたりは申し訳ないとは思います。」


申し訳ないでそんなことをされたら堪ったもんじゃない


「我々がしゃべっていいのはここまでです。あとはご本人とご確認ください」


そうして2人組は口を開くことは無かった。

その後2人組と空港に到着、待機していたヘリコプターに乗せられる。

30分ほど乗っていると眼下は森に囲まれていた

そこから少しすると巨大な壁に囲まれた施設、中央には大きな時計のついた塔が建つ

あれが学院か・・・でかすぎないか?

ヘリは塔の左の建物の屋上に降りる


「ご案内します。」


仕方がないのでついていく、しかし不安が広がる

メールは送られてきた?何度無視した?

こんな強引な方法で連れてくる人物だ。危ない奴ではないのか?

そんな考えをしていると目的の場所についたらしい


「夏妃様、森口悠様をお連れしました」

「そうか、お前たちは下がっていいぞ」


2人はさっさと引き揚げてしまった

逃げたいとは思ったが逃げたらどうなるかわからない。

そもそも森の中の施設だどうやって帰る?

覚悟するしかない、目の前の部屋に入る




---


森口 悠

(もりぐち はるか)

16歳

先天性白皮症、いわゆるアルビノでその見た目が原因でいろいろトラブルが多い

でもこの学院にはそんなのは関係がない

欧米、アジア、アフリカまで多種多様な学生が通う私立宇都宮学院にいればそのぐらいの個性は目立たない

そう思っていたが入ってきた青年は思っていた以上に・・・


「いいな・・・・」


思わず口に出た

それほどに彼は魅力的な外見をしていた

ぶっちゃけストライク

やはり私の目に狂いはなかった



---


宇都宮 夏妃

(うつのみや なつき)

18歳

第一印象はモノクロ

腰まで長い流れるような黒髪

とてもきれいな白い肌

折れてしまいそうなほどに細い体

真っ黒なセーラー服

本当に女かと疑うほどの貧にゅ・・・ゲフンゲフン・・・慎ましい胸

まさに大和撫子といった感じ

こんな美女が「婚約者!」とか「玉の輿!」とか言ってたのか


「さて!では本題に入ろう!

我が私立宇都宮学院には宇都宮学院機械工学検証部という部活が存在する!

名目上は機械工学を独自の視点で検証しこれまでにない発想や発見をするという活動だ!」


いま名目上とか言いましたよこのお嬢様


「実際はVRロボットアクション・バトルウォーカーを楽しむ部活だ」


正直すぎやしませんかこの人


「そんなわけで実力者である君を勧誘したいので誘拐した」


あ、誘拐って認めるんだ


「もちろん見返りもあるぞ。入学から卒業まで一切の学費は免除だ!」

「オレ ハルカ コンゴトモ ヨロシク」

「交渉成立だな!」


免除に釣られる俺・・・ちゃんとした学校をタダで通えるのは良いことだ


「とりあえず今日はこんなところだ。寮は宇都宮学院機械工学検証部専用の寮がある」

「専用ですか?」

「ああ、部員は5名。君を入れて6名になるな、これで女4名、男2名だ」

「荷物はその寮に?」

「すでに運んでいる1階7号室だ。夜にはみんなで食事をとる。その時に皆で自己紹介しよう」


そうして俺は宇都宮先輩と別れ寮に向かうことになった。

あ、ちゃんと地図貰ったんで迷うことは無かったです。

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