学院際のアンサング
社会には2種類の人間がいる
賢い人間と馬鹿な人間だ
例えばバカな人間
「皆やってるよ」
「一回だけだから大丈夫」
「飲めば簡単に痩せられる」
そうおだてれば簡単にノってくる
そして思考能力が低下してる時に犯して写真を撮ればそいつは一生俺の奴隷だ
例えば賢い人間
言うまでもない。俺だ
今日も奴隷にした女に貢がせて50万の儲けだ
犯罪?非道徳的?
騙される奴が悪い
自分の身を守れない情報弱者が悪いのさ
そんな賢い生活をしていれば今日みたいなチャンスも回ってくる
「ワクヤさん!上手くいきましたよ!例の名門学院祭の入場券ッス!」
部下が大物を釣り上げてきたのだ
宇都宮学院と言えば名門中の名門
しかもかなりの数のお金持ちが通ってる
馬鹿な女達をキメるのも最近飽きてきたところだ
あいつらすぐ緩くなるからな
お金持ちの娘となりゃ世間知らずのお嬢様と相場が決まってる
キャベツ畑やコウノトリを信じてるような女どもに現実を教えてやろう
「ワクヤさん、昨日の女どもですが、全員捕まえました。あとはどっかでウリに出せばイケます」
「ご苦労さん、昨日のは上玉だったな・・・ウリに出すのは後にしてまずはみんなで楽しもうぜ」
「あいつ等美味そうですからね。とりあえずキメとけばもっと脅迫できるでしょうね」
宇都宮学院祭は8月、2か月後に備えて色々な仕事を終わらせておこう
「お前ら、学院祭には4人全員で行くぞ」
「ウッス」
「名門と言っても所詮女だ。頭は悪いし顔が良くて優しそうにふるまえばすぐにノってくる」
「そしたらキメて、ヤって、証拠押さえて、貢がせる。いつも通りっスね」
「おうよ。金持ちの娘なら親も脅迫しちまえばたんまりふんだくれるだろうよ」
「さすがワクヤさん、完璧ッスね」
そう、完璧だ。俺は賢いのだ
「ところでよく簡単に入場券手に入ったなオマエ」
「簡単だったッスよ!ネットでダフ屋探したらすぐに買えたッス」
賢いうえに俺は運もいい
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身なりは清潔に、髭を剃り、優しそうな人間を演じる
「すいません、道に迷ったんですが、このパンフレットの喫茶店ってどこにあるんでしょうか?」
そうやって無害な人間として目を付けた人間に話しかける
今回の目当ては3人組の女
黒髪で長身のいかにもお嬢様然なヤツ
金髪で胸の大きいチョロそうなヤツ
そして
身長も胸も小さく銀髪で色白の人形みたいなやつ
「あぁ、そこの喫茶店はちょっと離れた場所にありますね」
「そうなんですか?困ったな。俺たちあんまり方向感覚よくなくて」
「じゃあ一緒に行きますか?」
所詮女はこの程度だ、少し優しくすれば簡単に心を許す
「・・・こりゃ簡単にイケそうッスねワクヤさん」
「・・・あんま表情に出すなよ、美味しく頂くまで草食系を演じるのが賢さってもんだ」
そしてこの3人は簡単に心を許した
喫茶店で一緒にコーヒーを飲み
学院を案内してくれた
ここまでくれば大丈夫だろう
「いやぁ、おかげさまで楽しめました」
「それは良かったです」
「あぁそうだ、お礼がしたいんですけど」
「いえそんな。学院祭を楽しんでいただけただけで十分ですよ」
「それでは俺が納得できませんよ。そうだコレ知ってます?」
切り札のブツを見せる
「錠剤・・・ですか?」
「ええ、最近町ではみんなこれ飲んでるんですよ」
これが切り札、最近海外から密輸されている即効性の薬物
飲めば30秒程度で警戒心が薄れ他人の言葉の言うとおりにする
そしてヤッてるところを写真に撮ってしまえば簡単に奴隷が作れるという作戦だ
「これを飲むとすぐに痩せられるんですよ」
「でも、こういうのって肌に悪いんじゃ?」
「そこらへんは大丈夫、コラーゲンもたくさん入っていて肌も綺麗になります」
「これってあなたが作ってるの?」
「いえいえ、自分もスタイルの維持に買っていまして、お礼にみんなに配っているんですよ」
完璧だね。やっぱ俺天才
この3人も今までの数十人の女と同じく飽きるまで楽しんだら・・・・
「はぁ・・・こんな手にみんな騙されていたの?・・・アホな奴もいたもんね・・・」
は?
「佐藤さん、出番です。」
いつの間にか周りには黒いスーツ姿の男が囲んでいた
いや一人だけ今にも老衰でくたばりそうなヨボヨボ爺もいるんだが
「シラトリ ワクヤ、ほか3名。こんな簡単に引っかかるとは思わなかったが・・・」
「クソが!」
他の3人を男どもに突き飛ばして逃げる。
3人なんて所詮捨て駒だおこぼれの女をヤラせればほかの部下なんていくらでも作れる
こんなところで捕まってたまるか
俺は賢いんだ!ここにいるやつらとは違う!
逃げる方向はヨボヨボな爺の方角
あんなの体当たりでも食らわせれば簡単に吹っ飛ばせる
吹っ飛ばせる
吹っ飛ばせる?
いつの間にか空を見ている
いつの間にか眠くなってきて
いつの間にか意識が・・・
おんなのこえがきこえる
「流石ですね鈴木さん」
「まだまだ若いもんには負けませんて」
おとこのこえがきこえる
「あっさり引っかかりましたね。普通気づくでしょうに」
「ホッホッホッ。所詮こんな外道を働いてる人間、この程度でしょうな」
だれかにもちあげられるじぶんがいる
こえがとおくなっていく