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ルーキーの一日

「は?VR初体験なのオマエ?」

「ええ。実家では「ゲームなんて不良がやるもんだ!」って言われてまして就職するまで読書ぐらいしか娯楽がなかったんですよ」


それが私の18年間

ひたすら勉強漬けの毎日で同級生とは全く接点がなかった

親曰く

同級生なんてものは敵!馴れ合う暇があったら弱点を探して叩き落とせ

遊ぶ暇があったら勉強しろ

子は親のために尽くすものだ。親の言うことを聞け


当時は疑問にも思わなかったが今考えるとただの毒親だなこれ


「親は何も言ってこねぇの?」

「ええ。完全に離縁しましたので文句は言わせません」

「まぁそれで生きていけるならアタシらはこれ以上は追及しねぇさ。」


現実の話を切り上げてゲームの話をしよう

この明らかに玄人の女の人、操縦系を調整したばかりらしい

先ほどの赤黒い機体程度なら即座に殴り倒せてたはずなのだが

操作を一瞬誤ってしまいその結果私が巻き込まれてしまったそうだ

そのお詫びとしてゲーム開始初っ端から小破してしまった機体の修理費・強化素材を集めるのを手伝ってくれるとのこと

これには自分の操縦系の慣れも兼ねているそうだ

なのでお言葉に甘えて一緒に行動させてもらう

黒い機体の人は特に何も話さず一緒に行動している

この黒い機体もすさまじい人で常に敵性NPCを3機だけ残してこちらに回してくる

ある程度操作に慣れてきたら4機・5機と増やしてくる

操作が追い付かず攻撃を食らいそうになると即座に倒してくれる


「オマエちょっと甘やかしすぎだぞ・・・」

「・・・・」


無言ではあるがなんか落ち込んでるのはわかる

そんなやり取りをしながら無事修理費&当面の物資&ジャンクな武器もろもろを入手できた

気がつけば目の前には非対人エリアと対人エリアの境界線だった


「あれ?」


お?


「境界線の向こうにいるNPCってレアドロップするやつじゃね?」


レアドロップ?そういうのもあるのか!


「行くぞ」

「ああ・・・」


そう言って2人で進んでいく

自分も行きたかったが相手NPCの物々しさから危険だと思い踏みとどまる



---



踏みとどまるという選択は正解だった

NPCは2人を補足した瞬間に両腕のガドリング・腰のミサイル・肩のレーザーその他諸々を撃ちまくってきた

女は左手を盾にしてひたすら前進し距離を詰めていく

男は・・・・あれ?どこ行った?

女の機体が右手の棍棒を振り下ろす

NPCはそれを後方に下が回避する


「貰う」


突然上から降ってきた男が細い足でNPCを踏みつけて頭部にライフルを一撃

それで動きは止まった

2人と別れた後に知ったことだが

このNPCは本来4~5機で対処することが推奨される強敵だったそうな



---



NPCを倒した後いろいろ物色した結果、ほしいものは2つ3つくらいしかなかったそうだ

そのまま捨てるのはもったいないという事で俺が譲ってもらうことになった


「え?レア度4とか書いてるけどいいんですか?」

「あ~あんまりこのゲームのレア度は信用しないほうがいいぞ?」


レア度が高いほど高性能であるのは間違いない

だが同時に扱いにくさも高くなるのだという

男が使う黒い機体がまさにそれだという

フレームは間違いなく高性能なスーパーレアだがハードポイントが非常に少ないため装甲の増設や武装の追加ができないらしい

結果、機動特化と一撃必殺な玄人向けになる

このゲームはそんな調整になってるため高ランクの実力者も低レアのパーツを使っていたりするそうだ

あと低レアのほうが修理・補給・整備が安く済むという


「世の中一期一会と言うしな、何かの縁と思って貰っとけ」


くれると言うならありがたく貰っておこう

その後少しばかり話をした後2人と別れた


「濃い一日だった」


何時かはあの2人に追いつけるだろうか?

そんな考えに耽りながらログアウトをする

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