2人の休日
「アンタなんて生むんじゃなかった」
うんだのはあなたです
「眼も肌も髪も全部おかしい!何でこんなのが生まれたんだ!」
そんなのおれにいわれても
「気色悪い」
だったらちかよらないでほしい
「叩いても殴っても泣いたり喚いたりもしない、なんて不気味」
どうせないたりしたらおこるでしょ
「うるさい泣くな!殺すぞ!」
ほらやっぱり
「きっとあなたの母は不倫したのよ」
わざわざこどもにいうことかい
「汚らわしい子供」
「せめて死んで出てくればよかったのに」
「なんで生んだのかしら」
「勝手に死んでくれれば楽なのに」
「事故か病気で死ねば保険金が・・・・」
「学校でイジメられてるらしい」
「自殺したことにすれば」
---
今日は朝から最悪の気分
夢見が悪いとかそういうレベルじゃない
今日は日曜だしこのまま寝ていたいなぁ・・・
そんなことを考えていたら車のエンジン音がする
カーテンを開けてみると黒塗りの高級そうな車に夏妃が乗り込もうとしてた
運転席には相変わらず角刈りサングラスに黒いスーツの怖そうな人だ
あの人たち皆角刈りサングラスだけど義務なのかな?
そんなことを考えてたら夏妃がこちらに気が付き笑顔で手を振っていた
軽く手を挙げて一応挨拶はしておく
そのまま夏妃を乗せた車は走って行った
・・・そんなことをしてたら少しは元気になった
最近気分が悪い時に夏妃に会うと少しホッコリする自分がいる
理屈はわからないが
そんなことを考えながら食卓に行く
宇都宮の使用人が朝食を運んできてくれているはずだ
「おはようさ~ん」
食卓には洋子一人だ
「おはよう、さっき夏妃が車で出かけたけど?」
「おう、たぶん明日までは帰ってこないんじゃね?」
何かあったのかな?
「昨日テレビ見てたらさ、最新型のロボットを使った工場の特集をしてたんだよ。それ見てたら」
「カッコイイ!生で見たいから明日見てくる!」
「って言って今日本当に出かけて行った」
バイタリティあるなぁ
「あと亜子達3人も今日はいねぇからな」
「そっちはなんで?」
「デートらしい、3人でな」
それはデートと言うのかね
「大丈夫だろ、本人たちが納得してりゃ問題ない」
まぁ本人たちが納得してるというなら関わるべきじゃないか
「そんなわけで今日はアタシとオマエの二人きりだ」
む?
「今日はたっぷり甘やかしてやるぞ?」
なんかキャラ違くない?こんな人だっけ?
「いや別にそういうのいらないんで、部屋で静かにネットでもしてますね」
「頼む、甘えてくれ。夏妃がいないと禁断症状が出るんだ」
意味わかんないこと言い始めた
「わかんないかな?アタシは夏妃かアンタに甘えられないと生きていけないんだよ」
全然わかんないです
「わかった。じゃあ譲歩して手を繋いでくれ」
まぁそれくらいなら
あ、なんか洋子の手スベスベしてる
洋子もやっぱり女の子なんだなぁ
「そろそろいいですか?飯食いたいんで」
「食わしてやるからこのまま繋いでいてくれ」
「却下で」
「ぶーぶー」
つないだ手を離して朝食を食べる
食べ終わり食器を洗いロビーでテレビを見ていると洋子が隣に座ってきた
「単刀直入に聞こう」
「なんですか?」
「アタシと夏妃、正妻にするならどっちがいい?」
普通そこは結婚するならどっち?では?
「そこはほら、お前がアタシと夏妃、両方いただくのは確定だし」
確定かよ。そもそも洋子はそれでいいのか?
「アタシは問題ないぜ?夏妃のこと好きだし、アンタのことも好きだし、むしろ好きな奴二人をいただけるならラッキーじゃん?」
そもそも俺が結婚しない可能性が
「それはないな、気が付いてないだろうがオマエは確実に夏妃に引かれている」
む・・・
確かに最近夏妃を見るとホッコリしてる自分がいる
そうか、俺は夏妃に引かれているのか
「まぁそれが恋かどうかは別としてアタシと夏妃はオマエを愛してる。間違いない。だからアタシも夏妃もアンタのことは諦めない、絶対に」
ナチュラルに他人に愛してるとかよく言えるなぁ、俺だったら赤面ものだ
「とにかくアンタは将来、黒髪長身で貧乳な美女と、金髪巨乳な美女の両方を嫁にしながら悠々自適な生活が確定してるわけだ」
「自分で自分を美女と言った気分はどう?」
「少し恥ずかしい、でも美女と言って間違いではないだろ?」
うん、洋子が美女だという事には異論はない
「そんなわけで将来のアタシの旦那様はアタシに抱きしめられながら生活できるという特典があるわけよ。」
そう言いながら洋子に捕まってしまった
まぁ悪くはない。飢えてるなぁ俺
「今日は2人でイチャラブしようぜ。そのままR-18展開だ」
「それだけはアカン」
それだけはいけません。私はまだ16歳なので
「さきっちょだけ、さきっちょだけだから」
そんなやり取りが昼食を運ぶ使用人が来るまで続いた