夢のような現実
今日は午前で授業は終わるという
なので弁当は作らず
昼食を用意しておいた
簡単にサンドイッチとコンソメスープ
手抜きとか言われそうだな
スクールバスが玄関前に止まったのが見えた
なので出迎える
「パパ~!」
降りてきた娘を抱きかかえる
「あのね、ママとおかあさんはゆうがたにかえってくるんだって!」
「オッケー、じゃあお昼食べちゃおうか」
「うん!」
娘が初等科に進学してから昼食は1人か娘と2人が多くなった
寂しくは思うがそれは仕方がないことだ
その代わり夜は4人でちゃんと食べる
「パパはこのあとおしごと?」
「いや、今日はお休み」
「ほんと!」
はて
今日何かあっただろうか?
「う~・・・パパやくそくわすれてる!」
なにかあったか?
やべ、思い出せない
「ごめんね。何あったっけ?」
「きょう7さいのたんじょうび!」
・・・・・あぁ!
そうだった忘れてた
VRの対象年齢は6歳からだが
バトルウォーカーⅡの対象年齢は7歳からだった
なぜそんな中途半端な対象年齢なのかは知らん
「ロボット!はやくロボットうごかしたい!」
「ははは。2人が帰ってくるまで待とうな」
「う~」
俺の娘
久遠は洋子との子供だ
だが何が起きたのか物心ついたころには夏妃と一緒にロボやメカに興奮する子供になっていた
もしかして寝てる間に夏妃が催眠でもしたか?
それと娘をほっといて3人でゲームするわけにもいかないので1人か2人が必ず残る習慣にもなった
時折アイアスが訪ねて来て何かを教えているのも不安の種である
アイアスといえば
アイアスの肉体と同じ技術で仲間が1人増えた。まぁクリスなのだが
そして真っ先にクリスが行ったことが菊月にプロポーズである
アイアスが怒るのは当然としてゲンドゥルが現実に押しかけてくる事態になった
その菊月も大学を卒業
アイアス、クリス、ゲンドゥルに追いかけられながらアス共和国に飛んだ
意外なことにそこで学者になったそうだ
大学では突然学問に覚醒
なんかすごいインテリになった
亜子、奈々子、御門は
世界中を3人で飛び回っている
何しているのかは分からない
学院長曰く
「時々金の卵を送ってくる」
だそうだ
多分学習意欲の強い人のことだろう
アルヴィルトは不明
アイアスは知っているようだがなぜか教えてくれない
千鶴は政界進出
バリバリに頭角を現している
「ただいま~」
「戻ったぞ~」
2人が帰ってきた
「おかあさん!ママ~!」
久遠が2人の間に飛び込む
2人も仲良く受け止める
娘といえば
伯母が出産した
いやその前にドイツの首相と結婚した
任期を終えて即座に結婚
まさかの21歳差の義妹ができた
「はやく!はやくバトルウォーカーやろ!」
「まだ早いわよ」
「夕ご飯食べて。お風呂入ったらな」
「歯磨きも忘れちゃダメよ?」
それだけか?
「宿題とかないのか?」
「バスでおわらせたよ!」
早すぎね?
「遥。実は久遠の奴成績すごいんだぞ?」
「いつも100点なのは知ってるぞ?」
テスト用紙いつも確認してるし
「テストの成績良いのは知ってるだろうな」
「もうすぐ運動会だけど遥君びっくりするわよ?」
まるで我が子を完璧人間だと自慢する母2人
慢心はいかんよ慢心は
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慢心じゃなかった
諸々終わらせてバトルウォーカーⅡを始めた久遠はなんか凄かった
反応速度とか反射神経とか判断力とか
「わかった?」
「完全初見であそこまで動かすか?」
「間違いなくお前の才能を引き継いでるぞ」
まだ7歳の娘が踊るようにBWを操っている
「エバー」
「ん?」
セイレーンの姿で夏妃が声をかけてくる
「そろそろ2人目欲しくない?」
「何言ってんだお前」
ゲーム内で言う事ではない
「アタシはいいぞ。むしろ欲しい」
サイドもノリノリ
「なにはなしてるの~?」
久遠には内容は聞こえなかったらしい
「エターナ、弟か妹欲しくないか?」
エターナという名前は久遠のキャラクターネームである
「ほしい!」
「ほら、アイツもそう言ってる」
それは卑怯でしょう
「とりあえずこれから交互ね。毎日」
「なんだよ?夏妃もスるの?」
「当然、デキなくてもシタいと思うのが人間ってものよ」
これが
これから
これからも続くのか
頑張ろう
頑張って続けていこう
大変だけど
これは間違いなく幸福なんだから