衝撃
年末でも平凡な日常を過ごす者がいる
私もその一人
すぐ近くで走り回る弟も
商店街で働く両親も
退屈だと思うことは多い
「あら、ごきげんよう」
そして、平凡ではない人が話しかけてきた
大学の先輩、宇都宮夏妃
どう考えても非凡な人
「こ、こんにちは先輩」
声が不自然に高くなる
碌に話をしたことがない相手なので焦ってしまった
「弟さん?」
「あ、はい」
「ねーちゃん誰~?」
この弟はなんで平然と声をかけてしまうのか!
「私は夏妃。お姉ちゃんの先輩よ」
「なんかお金持ってそう」
「ちょ・・・・・」
失礼に失礼を重ねるなバカ弟!
「残念、私そんなにお金持ってないの」
本人はね
「お待たせ」
すぐ横のスーパーから出てきた子が声をかけてくる
・・・・・何美少年?
え?女の子?男の子?
「早いわね。もういいの?」
「全部買えた・・・・知り合い?」
「大学の後輩」
「あ、こ、こんにちは」
先輩の家族?
「こんにちは森口遥です」
家族ではないらしい。どなた?
「私の夫」
「ブホッ・・・・・!」
咽た
弟のこと失礼とか言えね~
あと顔に出てたようだ
「婚約者ね。まだ結婚はしてないからね」
夫確定じゃん
「え?何歳ですか?」
「こう見えて18よ」
「18です」
え?中学生かと思った
身長150くらいじゃん
「すいません何度も失礼な態度で・・・・」
「慣れてるんで」
ほんとすいません
------------------------------------
「う~ん、やっぱ身長のせいかな?」
「気にすることはないんじゃない?」
夏妃の後輩と別れてから少し気になりだす
「身長なんて些細な問題よ。愛があればそれで」
公衆の面前で愛とか言い出さないで恥ずかしいから
「あ、あそこの駐車場よ」
ビルの間にあるコインパーキングに着いた
「トランクに入れとく?」
「いや、曇ってるし後部座席でもいいよ」
正月に向けた買い出しを終わらせた
次の目的に行こう
------------------------
ガザニアとの戦闘が終わって翌日
ラッカムとサルバトレルから通知が来た
「誰だっけ?」
サイドは完全に忘れている
「バトルウォーカーのGMでしょ?」
夏妃は覚えていたようだ
「内容は・・・・・リアルで話がしたい。ちょいと重要な内容。だって」
------------------
っということで運営の支社に来ました
「いらっしゃいませ」
きっちりした服装のお姉さんが声をかけてくる
「宇都宮夏妃と森口遥です。野々口正樹さんと予約があるんですが」
「・・・・・はい、確認が取れました。エレベーターで3階まで上がり右奥の部屋になります」
----------------------
「やぁ、よく来てくれた」
凄いダンディーなオッサンが待っていた
いやオッサンは失礼だな
壮年というかシブいというのか
とにかく
ザ!大人の魅力!
みたいな
「とりあえず座ってくれ」
「あ、はい失礼します」
さて、そんな人が俺たちに何の用があるのか
「単刀直入に言おう」
「はい」
「バトルウォーカーのサービス終了が今年の12月に決定した」