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決闘

様々な媒体で自分たちの様子が撮影されている


「なんでこうなった・・・」


ただガザニアがエバーに挑む

それだけだったはずだ

録画する奴もいれば配信してる奴もいる


「恥ずかしい・・・出たくない」


大騒ぎになって見物客がどんどん増えていく

それを知ったエバーとガザニアは機体に籠ってしまった


「エバーが目立つの嫌いなのは知ってたけどガザニアもなのか」






-------------

 




ガザニアとエバーの機体は対照的であった


ガザニアの機体

キメラと名付けられた

機体はシンプルで高性能に纏められている

問題はその武装である

両肩に短い銃身の砲

両腕には大型の盾

両手には大容量マガジンの短銃

おそらく他の箇所にも武装が積まれているのだろう









エバーの機体

機体名はリボーン

見た目からして明らかに装甲が薄い

それどころか関節部はフレームが丸見えである

見た感じの武装はたったの3つ

右腕に実態剣を取り付け

右肩に折りたたみ式のカノン砲

左腕に小さなバックラー





---------------------






用意された戦場は廃墟ビル群

非常に戦いにくい場所で有名である

いつの間にかレフェリーが決められ戦闘開始を告げられる

初撃はキメラ

両手の短銃から大量の散弾が発砲される


「やっぱ当たらねぇよな」


周囲のビルが崩れていく

その中にはリボーンの姿はない


「後ろ取られたら終わりだな」


左右と前方の防御には自信がある

問題は推進系を集約した後方

ここをやられたら簡単に終わる

なのでビルを背にする


「さぁ、どこからくる」


真正面からくるような人ではない

となると上からだろうか?

視界に集中する

なにも見逃さないように

カラン・・・とガレキが崩れる音がした

後方からだった

それに自分の何かが反応した

即座に前に跳ぶ

自分がいた場所には剣が突き刺さっていた

ビルの中から


「どんな貫通力だよ」


威力もそうだが全く音がしなかった

外部マイクを強化してなかったら確実に撃墜されていた


距離を離し散弾を浴びせる

しかしもう移動した後だった


「いきなりだが切り札その1と行こうじゃねぇの!」


背部から12個の小さい塊が上空に発射される







--------------






「確実に仕留めるはずだったんだけどな」


キメラが凄まじい反応速度でビルから飛びのいた

驚いた

機体性能もすごいが

ガザニアの技量も凄まじい

即座に散弾が放たれる

ビルが壊される前に隠れなければ


「一発直撃で終わりかねないな」


瓦礫の煙を利用して別のビルに隠れる

キメラがいる方角から何かの射出音が聞こえる


「4・・・・8・・・・・12・・・・ミサイル?」


見つかってはいないはず

かといって適当に撃ったとも思えない

少し離れたほうが良いと判断した

ビルの影から飛び出す

見つからないように注意を払って

その直後に上空から弾丸が降り注ぐ


「見つかった?!」


発射方向を見ると上空にはヘリのようなものが浮いていた


「ワイヤーガンポッドか!」


1機1機がワイヤーで繋がれた攻撃端末だった

バックラーの裏に隠していたハンドガンを取り出し撃ち落す

ガンポッドの動きは緩慢だった

容易に12機全部を撃ち落した


「位置がばれた!」


その予測は当たっていた

キメラの方角から凄まじい弾幕が放たれる

その弾幕は前方のビル群を根こそぎ崩しながら迫ってくる


「ラシャプのリボルビングランス!」





----------------





「くっそ!ガンポッドが全部イカれた」


弾丸を数発しか撃ってないのに即座に撃ち落された

此方も負けじとリボルビングランスを一気に打ち尽くす

煙が晴れる前にリロードを済ます


「これで終わるわけがねぇよな・・・・」


煙が一部晴れた瞬間に遠くから光が見えた

即座に盾を構える

ガツン!

と、音を立てて盾に弾丸が突き刺さる


「判断が速すぎるだろ!」


距離を離された

しかしリボーンのいる場所はビルの少ない開けた地域

両腕のシールドを前方に構え一気に突撃する







------------




「反応が速すぎるだろ!」


確実に仕留めるつもりでコックピットにカノン砲を撃った

しかしその攻撃は盾で防がれる

直後にキメラは迷いなくまっすぐに突撃してくる


「ここで落とす」


シールドにカノン砲を直撃させる

2射目

 弾かれる

3射目

 弾かれる

4射目

 弾かれるも盾に亀裂が確認される

5射目

 盾が割れる


キメラが割れた盾を放棄する

そしてもう一つの盾を


「出鱈目すぎる!」


即座にその場を離れる

さっきまでいた場所に盾が突き刺さっている

ビルから落下中にカノン砲が破壊される


「クソ!」


散弾が下から飛んでくる

それが運悪くカノン砲の基部に当たってしまった


「頭部センサー障害、各部フレームに損傷」


ここまで苦戦したのは数えるほどだ

1対1では初めてかもしれない

だから

ちょっと馬鹿をやりたくなった







--------------





「胴体には当たらなかったか!」


しかしカノン砲の破壊で有利になったといえる

着地予測地点に一斉発射する

全弾撃ち尽くすつもりで

しかし

ここで思わぬことになった

リボーンが突撃してきた

隠れもせずに真正面から


「何を!」


迷わず撃つ

しかしその攻撃を回避していく


「嘘だろ!散弾なんだぞ!」


最小限の動きで回避機動を行い

避けられない攻撃はバックラーで防がれる

そしてそのまま接近を許し

両肩のリボルビングランスは切り落とされてしまう


「くっそぉ!」


やられるだけではない、しっかりと反撃をする

短銃の攻撃は左腕に当たったらしく

力無く垂れ下がっている


集中しすぎていたのか

いつの間にか息を止めていた


「はっ・・・・はっ・・・・ふぅ・・・・」


僅かにリボーンの剣が届かない距離だった

一瞬で近づいて斬られる

かといって迂闊に撃てば回避されて弾切れだ

お互いの動きが止まる

その時間は一瞬だったのか

長かったのか

一瞬

リボーンの剣が動いた気がした

反応して撃つ

早まった!

そう思った

結果としてその判断は正解だった

リボーンの右腕はちぎれ飛び


「勝負ありましたね」

「ああ・・・・俺の勝ちだ」


確かに剣を失い

リボーンの武器は失われた

そう思った

左腕が動き出したことを確認するまでは

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