協力者
ちょっとした憧れがあった
戦闘が始まれば即座に敵を殲滅する圧倒的な強さ
そんな味方と戦えと言われたら困惑するだろ
でもそんな人と戦ってみたいとも思ったりもする
「今までの集大成です!」
アイアスがすでに機体を用意していた
「特徴は?」
「ハイスペックハイバランスですね」
試乗してみると非常に使いやすかった
普通ならこれで満足できるだろう
「・・・足りないな・・・・・」
「ダメですか?」
「装甲はもっと薄くしてくれ。運動性と瞬発力を上げよう」
「転んだだけで装甲が凹むかもしれませんよ?」
遥さんに勝つつもりなら信頼性・安全性・確実性を捨てるしかない
俺はそんな保守で勝てるほどあの人に追いついてない
「装甲は最低限でいいよ。運動性・瞬発力・積載量を上げてくれ」
そう言って倉庫から出る
「どこ行くんですか?」
「武器作る。瞬間火力か一撃必殺が欲しい」
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素材の山を眺めて考える
必要なのは瞬間火力・連射性能・命中率
工房船ヘッケラーで作った銃器がいいと考えた
「あら懐かしい武器」
いつの間にか横でゲンドゥルが見ていた
「前の奴より火力上げたいんだけどどうすればいい?」
「タングステンね」
「金属の?」
「それ以外にないでしょ?」
他にあるかもしれないじゃん
「弾丸をタングステンにしましょう」
「費用は?」
たしかすごい高い素材だったはずだ
「自費か自分で集めるか。どれくらい必要なの?」
「あるだけ。散弾を機関砲サイズで1時間撃ち続けるくらい」
「狂ってるわね」
自分でもそう思う
「これだけあっても足りないかもしれないしな」
「絶対足りないわよ」
マジかよ
「少なくともあと4倍は必要ね」
全財産使って購入しかないか
「・・・・・私の私財から出すわ」
「何が狙いよ?」
それ何かこっちに見返りを出せってことだよな?
「デートしましょう?」
は?
「お前・・・・いやそもそも何で俺に協力してくれんの?」
お前遥さん・・・エバーさんの熱烈なファンじゃん
「そうねぇ・・・エバーさんは推しなのは変わってないわよ?」
「じゃあなんでよ?」
「推しは一人とは限らないのよ?」
??
「鈍感ね」
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デートすることになった
てっきりゲーム内でどこかについていくのかと思ったが
まさかの現実デートだった
「これでゲンドゥルがネカマだったら笑えるな・・・」
心中では全然笑えないが
約束の時間、待ち合わせ場所についた
「ガザニアでいいのよね?」
美少女に声をかけられた
プラチナブロンドのややウェーブのかかったロングヘア
「すいません。人違いでした」
「いやガザニアだよ」
「・・・・あなた性格悪いのね」
ごめんなさい
そんな美少女が来るとは思わなかったから
年齢は中学生くらいか?
こんなんに声かけられたら思考も止まるよ
「てっきり年上だと思ってた」
「あなた高校?」
「高校」
「ふ~ん・・・・じゃあしっかりエスコートしてね。お兄ちゃん♪」
胸に衝撃が走った
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バキンと豪快な音がした
「ど、どうしたんですかアイアスさん?」
バレットナンバーズの整備士がアイアスを心配する
アイアスはコンソールを握りつぶしていた
「なんんんんか嫌な感じがしましたね・・・・」
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ゲンドゥル
本名は藤原・香菜
日仏ハーフだという
「じゃあ早速行きましょうか」
どこへ?
と、聞こうとして香菜の足に気が付く
「なあ、それ何?」
右足の太腿から膝にかけて金具が付いていた
今気が付いたが右手には杖も持っている
「あぁこれ?ただの補助具よ。生まれつき足が悪くてね。私」
「よくここまで一人で来れたねお前」
「別に山とか森を歩くわけでもないんだから大丈夫よ」
と、言いつつも歩き方はややぎこちない
「ほら、寄り掛かったほうが楽だろ」
右隣に立ってやる
「そりゃ当然。じゃあ失礼しま~す」
左手に手を回し体重をかけてくる
あ、意外に重い
「邪な感情が来ると思ったけど失礼な感情を感じるわ」
気のせいじゃないっすかね?
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マジか・・・・