表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
126/137

未来を語る

朝6時

目覚ましも鳴っていないのに自然に目が覚める

夏妃と洋子はまだ寝ている

2人を起こさないように着替えて部屋を出る

廊下を歩くと窓から外が見える

春らしい温かい日光とちょっとだけまだ寒い空気で意識が冴える







アイアスが消えた後すぐに敵の動きがおかしくなった

あとはそのまま全員で殲滅

勝利はあっけなかった

その後は1週間ほどで様々な復旧作業が行われた

またいつもの日々

とはいかなかった

復旧が終わったら素早く卒業式が行われ

亜子と奈々子が北海道に引っ越した

そしてそれを嫌がった御門が2人の近くに転校した

亜子と奈々子は困っていたがやはり嬉しかったんだろう

あっちで3人共同生活をしているとのこと

他のメンツは変わらずここで生活

アイアスは報告やら調査やらで忙しいらしく部屋から出てこない

時々笑い声が聞こえるからちゃんと動いているようだ

その笑い声が不気味すぎて菊月が不安がっている

そして今日から遅くなったが学院生活3年目










----------







「オッス!」


教室でゴウダが声をかけてくる


「テンション高いな」

「色々あってな」


その色々が気になる


「俺卒業したら結婚して実家継ぐわ」

「いきなりだな」


結婚相手は当然ミカガリ先生だ


「実家って何してんのよ?」

「牛屋」


牛ですか


「肉牛と乳牛両方やってんのよ。結構規模大きいほうだぜ」


そうか、3年目だもんな


「しまった・・・・俺来年どうするか考えてなかった」

「え?夏妃先輩と結婚するんじゃねぇの?」


結婚はするよ?するけどそれだけではいかんだろ


「主夫でもするのかと思ってた」

「18で結婚して主夫とか相手が負担しかないような気がする」

「じゃあ大学行くのか?」


大学は・・・・行っといたほうがいいな


「入試は大丈夫だろ?ミカガリ先生が「あいつなら特に勉強しなくても合格するな」って誉めてたぞ?」


それで油断すると落ちるんだから慢心はしないようにしないとな

現実から目を逸らし続けることはできない

本気で将来を考えないと









--------------






「主夫でもいいわよ?」

「主夫でもいいぞ?」


その日の夜

3人で同じベッドに寝て

2人に相談したら

2人揃って同じこと言われた


「さ、最終手段として考えておくとして。やはり大学は行こうと思うんだ」

「別にいかなくていいのに・・・」

「2人で養ってやるぞ?」


嬉しい提案だが断っておく

ここで楽な道に逃げたら絶対将来のためにならない


「まぁ行きたいなら大学もいいんじゃないかしら?」


そうさせていただきます

やっぱり大学に行くと行かないとでは将来の選択肢の数が違うと思うから


「あ!言い忘れてた!」

「何?」

「明日遥君にお客さんがくるってお爺様が言ってたわ」


お客?

誰だろうか?











--------------









笑いが止まらない

未だ知らぬ知識を得た喜びより

これまで積み重ねてきた人類数万年の知識があまりに児戯だった呆れのほうが大きい


「フフ・・・・これは人類には明かせないなぁ・・・・」


誰にも聞こえないようにつぶやく

インベーダーの知識を解析するとそれはそれは凄まじい物だった

アレが記録していた年月がおかしかった

宇宙は138億年前に生まれたと人類は予測した

だがインベーダーの総記録時間は

288億年

である

あり得ない

人類の知識が役に立たない

答えは簡単だった

この宇宙で作られた存在ではなかった

世界中の権威ある人間たちが頭を抱えるだろう

狂ってしまう可能性だってある

宇宙の果てを超えた先にあるのは別の宇宙だった

分かりやすく言うと

宇宙は泡なのだ

小さな泡一つが我々の宇宙だった

アレは別の泡を突き抜けてきたのだ

問題は


「泡を割らずに・・・・どうやって突き抜けたのか・・・・」


それの解決法もデータに残っていた

彼方の宇宙にはこちらの宇宙にはない物質があった

名づける必要性もないその物質が作用して別の宇宙に飛べたのだ

それだけ

それ以上は考える意味はない

アレを作った宇宙は

その物質があった宇宙は

すでに崩壊している

むしろ崩壊の理由のほうが重要だった

ビッグクランチだった

宇宙の終わりの一つが観測されていた

データの海で私は狂喜乱舞する

悲しいけどそれは今の人類には明かせない

もっと先

もっと未来になってから明かすべき知識だった

知識の独占ができたことは嬉しいけど

誰にも話せない孤独さが少し寂しかった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ