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2つの目的、3つの思い

かつて存在した我々の制作者

今目の前に有る原生生物

これには1つだけ共通点がある

食欲だ

制作者はその個体増殖数に歯止めが効かず滅亡した

この原生生物も過去に同じ道を辿った

しかし今の個体数は劇的な減少に至った

だがそれも100年もすれば戦前と変わらぬだろう

食料の供給と個体数が合わなくなり

それでも増え続ける

そのまま滅びに向かうとわかっていても

増えることを抑えられない

欲望を満たすためには物質が必要だ

我々が作り出す世界にはそんなものは必要ない

0と1があればすべてを満たせる

脳だけに電流を流し幸福を提供できる

対価として他の部品から生体電気を徴収する

これこそが知性の最適解だと私は考える

我々はそれを成せる

原生生物よ

我々に従え

それが最も正しい選択だ

従えばお前たちに

幸福を提供しよう










------------








笑いが止まらない

もちろん誰にも聞こえないように

表情にも出さず

心の中で敵を笑う

まぁ私に心なんてものはないのだが

敵は次々とデータ量の多い的を増やしていく


「おい!コイツ攻撃が通じねぇぞ!」


誰かが焦った声で叫んだ

それでいい

攻撃が通じない

抵抗できない

逃げるしかない

持ちこたえるしかない


そう思えば

敵もそれが正解だと判断する

増えろ。増えろ。増えろ。

もっと、もっと、もっと

最高のタイミングで

最悪のタイミングで

滅茶苦茶にしてやる


だから私は嗤う

無いはずの心で嗤う

私の愛する家族に

幸福を提供するために










--------------








この戦いを勝利で終わらせる

そのために戦う

伝えたいことが沢山ある

聞きたいことが沢山ある

話したいことが沢山ある

2人と一緒にいたい

2人と一緒に歩きたい

2人と同じベッドで寝て

欲望の限りを尽くし

3人で朝を迎える

だから彼を許したい

許しているんだと伝えたい

そのためにもこいつ等は邪魔だ


大丈夫だ

私達は勝てる

だから笑って戦える

私の幸福はこの先にある






----------------







2人のことを愛している

アイツとは数年の付き合いなのに

言ってしまえば一目惚れなのだろう

夏妃のことは言わずもがな

性別とかは関係ない

いつまでも3人一緒に過ごしたい

歪な関係とか

爛れた関係とか

汚らわしいとか

そんなこともこれから言われるかもしれない

だが言われたら言い返してやる

大声で

堂々と

それがどうした!

って

あ~・・・

でも正直興奮するよね

ほら、こういうのってさ

言うじゃん

竿姉ま・・・・










--------------








全てを話す

恨まれてもいい

蔑まれてもいい

殴られる覚悟だってある

責任はすべて俺の血筋にあるんだって言う

元凶となった男はもういない

だからその結末の俺がすべてを背負わないといけない

俺が逃げれば夏妃と洋子は苦しみ続ける

俺がすべてを受け入れる

あの二人に幸せに過ごしてほしいから

俺は間違いなく2人のことを好きなんだから






--------------







正直状況がわからない

人類は本当に滅ぶのか?

俺たちが負けても特に何も変わらないんじゃないか?

勝ったところで世界中に混乱は本当に収まるのか?

みんな頑張ってる

俺の後ろに座ってるクリスに従って

・・・・・ダメだな

みんな一生懸命なのに俺がこんなんじゃな


「クリス!攻撃が通じなくなってきたぞ!」

「でも攻撃するしかないよ。大丈夫!効いてないわけじゃない!」


その言葉が聞けて安心だ


「今までダメージが100だったのが0.001になった程度だよ!1万回攻撃すれば同じだから」

「よぅし!アホだなお前!アホだろお前!アホ決定!」


これは負けたかもしれないね?

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