増援VS増援
自分たちの上空でバカでかい弾丸が飛んでいく
その弾丸によってこれまた自分たちよりでかい敵が破壊されていく
その光景は自分が今まで経験したことのない状況だった
「あ、やっべ!」
そんな経験したことのない状況だからか戦闘中だというのに目の前の状況に気が付かなかった
眼前の光る球体から無数の触手が伸びてきて俺を貫こうとしてくる
右手に持った大剣で防ぐ
しかし触手の数が多くすべてを防げない
これでリタイアか・・・
「油断するなデカイの」
その言葉とともに触手を伸ばした球体は手榴弾?によって吹き飛ばされた
「すまねぇ、助かった」
「貸し1だ。あとで返せ」
「ああ」
右手に日本刀を
左手にやたらデカイ銃を持ったロングコートの男に助けられた
「今何やったんだ?」
「ただのグレネードだ」
「両手が塞がっているように見えるが?」
「なんだ、Mk、19を知らんのか?」
「は?」
「連射式のグレネードランチャーだよ。知らんか?」
「いや知ってるよ。わけわからんのはなんでそんなのを片手で扱えるのかってことで・・・」
「そういうゲームだからな」
「これ終わったら俺もやってみようかな・・・」
「いいぞ。そん時はいろいろ教えてやる」
「お手柔らかに・・・・な!」
ロングコートの男に予備のロングソードを突き立てる
「これで借りは返したぞ」
狙ったのは男の後ろにいた敵
「・・・・まぁ助かったよ」
「ロバート!」
別の男がやってきた
同じように銃と剣を持っている
多分同じゲーム出身だろう
「どうした?」
「親玉から連絡だ。敵の動きに変化あり、いったん下がって体勢を整えろ。だとよ」
「わかった、下がろう」
「おい、その変化ってアレのことか?」
遠くのほうで何かが起きている
なんか・・・壁が迫ってきてるような
「壁?」
「違うぞ・・・・あぁヤバい、アレは敵だ!」
「アレ全部かよ」
眼前が敵で埋め尽くされている
地面も空も奥行きも見えない
視界全てが敵だ
「すぐに戻ろう」
「ああ・・・だが戻ってどうにかなるのか?」
「そんなもん知るか。だが諦めて負けたら俺たちがどうなるかもわからん」
「もしかしたら人類が滅亡するかもな」
「そんな馬鹿な」
「いや、案外あり得るぞ。最悪ネットワークがすべて死ぬかもしれないんだ。それで世界のインフラが全滅したらほんとに世界が崩壊するかもしれん」
「世界は崩壊しないな。そんときゃ人類が滅亡するだけさ」
「滅亡はごめんだねぇ・・・」
------------
前方から大量の敵が来る
レーダーの半分が完全に敵で埋まっちまった
「勝機は?」
クリスに聞く
「なくはないです」
「ちゃんと質問に答える!」
「無理だね。万に一つくらいなら勝てるけど」
「撤退するか?」
「残念ながらそれも不可能みたいだよ。ログアウトできない」
敵が迫る
「ど真ん中に突撃してできるだけ荒らそう」
「そのあとは?」
「知らんね~よ」
---------
消滅する味方の中で
1人のプレイヤーは二つの光景を記憶した
一つは指揮していたプレイヤーが巨大なメカに乗って敵のど真ん中に降り立った
自分たちが戦ってる場所から見えるほど
多くの敵を撃ち、斬り、潰し、吹き飛ばす
絶望的な戦力差で諦めかけていてもその光景を見ると最低限の抵抗はできた
でも結局は物量には勝てない
指揮していたプレイヤーの機体が多数の敵に摂りつかれ破壊されていく
もう一つは・・・・
戦場の側面から膨大な数の航空機が現れたことだ
そして航空機の攻撃によりそのプレイヤーの周りが無数の爆風で一気に吹き飛ばされた
助けが来たのか?
その判断ができないまま
私のプレイヤーデータは消されて最後まで見ることは叶わなかった
---------
「敵の0.4%の消滅を確認」
オペレーターが攻撃の効果を確認する
「敵味方の識別を間違えるな」
長い髭を蓄えたいかにも船長のような男が指揮をする
「通信はできるか?」
「自動翻訳ができるそうです」
指揮者が通信機のマイクを手に取る
「こちらプラネットウォーオンラインのバルザック・レーベンだ。待たせたな!これより攻撃を開始する」
「同じくプラネットウォーのBINBINだ!助けに来たぞぉ!」
「俺たちにも手柄を残しといてくれて助かるぜ」
「えっと・・・俺たち何隻ある?」
「40隻だな」
巨大な空飛ぶ船が現れ一斉に攻撃する
「狙いは大雑把で構わん。撃てば当たるからな。味方に当たらなければそれでいい」
「船長殿!そろそろ出撃していいかい?」
「行っていい。しかし出撃できそうか?」
「問題ねぇ。トンネルで加速して離陸なんざ俺たちのゲームじゃ常識だ」
多くの船から無数の航空機が出撃する
どれも現実に存在する戦闘機に見える
「こちらworld-of-sky-onlineからピザのお届けだ」
大量のミサイル、爆弾、銃弾が降り注ぐ
「ピザって爆発するものか?」
「連中に食わすチーズなんて火薬で十分なのさ」
敵の大群が次々に吹き飛ばされていく
「まだまだ数が多いな」
「細かいのはあっちに任せたほうがいいだろうよ」
士気があがったのか地上のプレイヤーたちは一気に反撃を開始したようだ
「おい、なんか1人すげぇのがいるぞ?」
大きなロボットの中でひときわ大きな
7メートルほどだろうか?
敵の真ん中で戦い続けてる
満身創痍に見えるがそれでも単機で敵を倒し続けている
「は!ハッハッハー!」
「PHANTOM?」
「今中で一番のエースだろう?間違いねぇ!あいつがJ6だ!」
「出る気になったか?」
「当然!船長。邪魔すんじゃねぇぞ!」
「何をどうやったらこの状況で邪魔ができるのかね・・・」
「んなもん決まってるだろ!俺たちの周りに攻撃するんじゃねぇぞってことだ!」
「了解したよ」
戦艦からBWが出撃する
赤と黒のツートン
両腕にはカノン砲
背中には大量のカノン砲
ハリネズミのような機体が敵の中心に飛び降りる