素
真実を知った
自分がどうしてこんな目に合うのか
なんでこんなに酷いことになったのか
なんで汚されてしまったのか
「本当に、本当に憎いわね」
彼はとても申し訳なさそうにしている
「そうだ、ひどい話だろう?
だが彼は悪くない
何一つ彼は悪いことをしていない
だが人間は彼を責める
精神的な優位性?というものによって?」
さっきの会話で少しは学んだのだろう
だが根本的に間違っている
「何言ってんの?遥君が憎いわけじゃないのよ?」
「では麻上周郎を憎んでいるのか?」
「NO!私が憎んでいるのはてめぇだよ!」
後々冷静になると恥ずかしい
今まで隠してた素が自然と出ていた
洋子にも見せたことないのに
「手前ぇさぁ?私はずっと待っていたんだよ!
遥君が覚悟決めて自分から打ち明けてくれるのをさぁ!
だってぇのに全部全部全部バラしやがって!どうしてくれんだ!計画が全部台無しじゃねぇか!」
「な、夏妃?」
「嫌われるの怖がりながら子犬みたいに震えて全部伝えてくれる遥君を優しく抱きしめて全部許容して「それでも愛してる」って伝えて幸せなキスしてそのまま3日間くらいぶっ続けで子作りする計画だったんだよ!子供作れねぇけどよぉ!」
「理解できん、全く理解できん。何なんだその思考回路は!」
「理解してほしいとは思わないね。あんたなんかには理解してほしくねぇ!」
直後、球体にノイズが走る
「なんだ?弾かれる!」
そのまま球体は消滅してしまった
「座標確認。結構遠くまで飛ばされてましたね」
「もうちょっと早く来なさいアイアス!」
「うわっ怖っ!何かありましたエバー君?」
「ナンモナイデス」
「そ、そうですか・・・5分くらい待機しててください。元の場所に転送します」
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「さて・・・遥君!」
「は、はい!」
なんか怖い
目が血走ってる
「私男が嫌いなの。今でも」
「え、うん」
「子供は作れないとしても学院の後継者としていつかは誰かと結婚しないと面子が保てないのよ」
「うん」
「そこで現れたのが君よ。女性的な見た目でアレもちょっと小さめな」
「それ結構傷つく」
「だからこそ君よ、他の男より貴方のほうがマシと判断したの」
「なんかすごい傷つく」
「そう・・・他よりはマシと思ってたのよ」
「・・・・・・・・今は?」
「大好き!」
う~ん雰囲気も何もねぇな
「この騒動終わったらベッドで覚悟してね?」
「手加減を願います」
「不許可!」
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帰ってくるとすでに戦闘は始まっていた
「状況は?」
「敵は雑魚だけど戦力差は3対70」
「厳しいわね」
「今はガザニア君が無双してくれてるので何とかなってますが・・・」
「疲労したら負けるか?」
「正解」
シンプルな豆腐建築倉庫の奥に案内される
「これが正真正銘の切り札です」
そこにはセイバーに似た機体が置かれていた
「名前はありません、どうせ一回きりの決戦兵器ですから」
「私の機体は?」
「これ2人乗りです」
コックピットを除くと座席が2つあった
「かなり複雑になったので2つにしましたが役割分担は2人に任せます」
「投げやりね」
「投げやりだな」
「エバーさんの実力が計り知れないのでどうしようもないんですぅ」
まぁいいか
「エバー君いろいろ吹っ切れたでしょ?」
「まぁねぇ・・・」
「じゃあ何も心配せずに目の前に集中しましょうか!」
「はぁ・・・・」
「なんでそこでため息付くの?」
「・・・・逃げたいなぁ」