表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/137

きっかけ

始まりは2月に起きた騒動である。

突然セイレーンは自分の部下を呼び寄せたのが最初。


「突然呼び出して何の用だよ。お嬢」


文句を言いつつ最初にやってきたのは古くからの戦友のサイド


「全員集まったら教えるわ。それまで機体を万全にしておいて」


サイドは笑顔で愛機の整備を始めた。戦いがあることを悟ったのだろう。

しばらくして3人の男女が入ってくる。


「お嬢様、呼び出しは構いませんができれば事前に連絡がほしいのですが・・・」

「行き当たりばったりはぁ・・・いつものことなのでぇもぉあきらめるべきだと思いますよぉ姉さん・・・」

「・・・眠いです・・・・」


そういってやってきた3人

A子、セレブリティッシュ、ネクスターである


「じゃあみんな揃ったし説明を始めましょう」


今から一か月前、西の大陸から大規模侵攻があった。

この世界は大まかに西、東、南の大陸に分かれておりそれぞれ支配勢力が存在する。

北や中央、世界の端には諸島がありそこにも勢力はあるがそこまで大規模ではない。

ちなみに我々がいる大陸は南である。


「でもその西の連中なんで南に進行してきたの?西って12月に火山が噴火してレアメタル出土したんじゃなかったっけ?」


そう質問してきたのはネクスターである。

12月の噴火は結構大きな話題だったので疑問に思ったのだろう

だが年末に忙しかったのかあまり事情を知らなかったらしい


「その西で問題があったのよ。その火山すべてがメリアリス同胞団の管轄だったのよ」

「つまり、メリアリス同胞団が火山独占して内ゲバ起きたのか。」

「そうよ、現在メリアリス同胞団はメリアリス革命を名乗り大量のレアメタルを採掘しながら籠城戦。リグレット同盟は資源難になってるみたい」


リグレット同盟、西大陸の5割を支配下に置いている大規模勢力である。

武力で支配するという体制で同盟が戦闘を行い支配下勢力は資源を採掘、加工を行っている。

その資源採掘の大半を担っているメリアリス同胞団と名乗る集団がメリアリス革命と名を変え反旗を翻したのだ。

リグレット同盟は討伐に出撃するも補給が滞りうまくいってないようだ。

そのためリグレット同盟は南の資源を奪いに進軍、大量に資源を強奪し帰還する最中に部隊が全滅したそうだ。


「んで、なんでそんな大部隊が全滅したんだよ?」

「それがわからないのよ。帰還中に突然部隊が全滅。それも50機も」

「50機って・・・・そんなの倒すなら倒した側も足がつくだろ・・・」

「でも倒した側は一切が不明、資源もいまだに置き去りよ。」

「なるほどぉ・・・つまり私たちがぁ・・・その資源をぉ頂いちゃおうってぇことですねぇ」

「正解!そんなわけですぐに出撃するから40秒で支度しなさい!」

「もうみんな準備できてるよ、すぐに行こう。そんなわけでA子、眠いから背中に乗せて・・・」


ネクスターは眠そうに言う、いつものことだ。



---



そうして5人は強奪された資源の散らばる場所にやってきた。

やってきたのはいいのだが眼前にはほかの部隊がいた。それも西でも南でもなく東の部隊だった。

数は10機


「東の奴ら!資源を奪いに来たの?」

「それにしちゃおかしい・・・なんで資源拾わずに広域警戒してんだよ!」


そんなことを言ってる間に1機が撃墜される、一撃で胴体に弾丸が貫通したのだ。


「どこから狙撃してるんだ?セイレーン、わかるか?」

「この状態で端末を出すのは危険よ。気づかれる」


そういってる間に東の機体が端末を出す。

しかしその瞬間に端末は狙撃される。狙撃主の凄まじさがわかる。


「味方だと思う?」

「西にあんなのがいるなんて聞いたことがねぇな」


西の戦力は基本的に数で押す物量戦法である。あんな狙撃をするプレイヤーは聞いたことがない。

東は戦力の隠蔽が重要視されておりわからない。だがここで東同士で戦う意味がない

消去法で行けば南だ、南には少数精鋭のエース部隊がいるという。正確には居た、と言うのが正しいのだが

ぜひともあのスナイパーとお近づきになっておきたい

私ワクワクしてきたゾ!


「セイレーン・・・目が輝いてるんだが・・・お前まさか・・・」

「ヒャッハー!私につづけぇ!」


そういってセイレーンは単機で突撃し始める。


「お前まさかぁ・・・とか言うまえにぃ・・・止めておくべきだったわねぇ・・・」

「ハイゴメンナサイオレノセイデスネソウデスネー」


強者がいると見るとセイレーンはいつもこうである。

そしてその尻拭いはいつもサイドの役目だ、そもそもサイドの機体ルッツエルンは格闘特化でセイレーンの機体ヘヴィバレットは中距離仕様である

つまり常にセイレーンよりサイドは前にいなければいけないのだ。

東の部隊は突然の襲撃に驚いている。スナイパーの狙撃に後方から5機の完全武装した機体が来るのだから悪夢もいいところだろう。

こちらに応戦しようと振り向いた瞬間にまた一機が落とされる、これで残り8機


「全機!スナイパーの動向に警戒しながら東を殲滅よ!」

「なら何で突撃するんだよ・・・」

「その方が楽しいからよ!」

「コイツ・・・ネクスター!回り込め、ケツにブレードぶっさしてやれ!」

「りょうか~い・・・」

「A子、セレブリティッシュは両側面に回り込みながら火砲で攻撃、当たらなくてもいい、動きを制限しろ!」

「はい!」

「はぁい」


戦闘が開始した


---


倒すのはあっという間だった

敵はこちらに警戒するがその瞬間にスナイパーに一撃で落とされるのだ

そしてそのスナイパーはこちらに一撃も撃ってくることがなかった。

姿を現したスナイパーはこちらにやってくる。距離にして2キロ

持っている武器はスナイパーライフル、普通なら1キロ先から狙撃する武器である。


「戦闘中に攻撃してこなかったってことはあなたは味方と言うことでいいのよね?」


あちらに攻撃の意志はない


「・・・そのつもりです。お互い利害が一致したということで。」

「んじゃ割り振りはどうする?俺たちは5人だしそっちは6分の1ってことでいいのか?」

「それで構いません。」


あまりおしゃべりではないようだ

そしてセイレーンは興奮気味に言ってくる


「惚れたわ!あなた私の部隊に入りなさい!資源や物資はいくらでも提供するわ!今なら私の婚約者にもしてあげる

私だけで不満ならこっちのサイドも愛妾にしてもいいわ私の親友だからこの子も断らないわリアルの将来も保証して

あげる私はこう見えてお金持ちだから玉の輿・・・」

「こっちの馬鹿はほっといてくれ・・・・でも入ってほしいのは事実かな・・・どうだ?」


セイレーン、完全に暴走している


「はい・・・では考えておきます」


そういってゲーム内のメールアドレスを交換して今回は分かれておく

これがすべての始まり。

私たち南大陸中堅部隊メタルレディにとって幸運であり

彼にとって楽しくも不幸な出来事である

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ