奇跡・・・・人は独りでは生きていけない
いつもありがとうございます
<フィオナサイド>
「はっ!やっ!たぁ!」
ザシュ!ブスッ!シュバッ!
私は上下左右に槍を扱いゴブリンを一撃で倒していく
「はぁ~!」
槍を回転させながら群れに突っ込む
近づく者全てをズタズタにした
「な、なんて強さだ」
「オーカスの野郎を軽くあしらうだけの事はあるな」
「それにしても・・・・」
『美しいぃぃぃぃ』
男達はフィオナの戦いに魅了されていた
青い綺麗な髪を靡かせ、返り血を浴びることなく一撃で華麗に敵を倒していく、こんな美しく戦う女性がいたのか
そんな周りの歓声も気にせずにフィオナはゴブリンを狩っていく
100体ほど倒したとき、奥から一際大きなゴブリンが5体表れた
【あれはゴブリンウォーリアじゃ、通常のゴブリンより能力が高い上位種じゃ】
ゴブリンウォーリアはフィオナを睨み突進してきた
「グォッ!」
棍棒を降り下ろす、私はバックステップでよける
地面には小さなクレーターが出来ていた
サイクロプスほどではないわね
私のバックステップに合わせ、先程のゴブリンウォーリアを踏み台にしもう1体のゴブリンウォーリアがジャンプしながら襲ってきた
「遅いわね」
再度バックステップする、すると更に後ろから続けて飛んできた
「しつこいわね」
私は飛んできたゴブリンウォーリアの下を通り抜け、後ろの1体の顔に向けて槍を突き刺す
そのまま、バック転し先程ジャンプ攻撃してきたゴブリンの頭の上から槍を突き刺す
すると、横から棍棒がやってきた
ブォン!
咄嗟に槍を離し、棍棒を避ける
私はそのゴブリンウォーリア目掛けて
「ウィンドカッター!」
手から高速の刃が無数に放たれる
シュババババッ!
ゴブリンウォーリアは全身を切り刻まれた
「ストーンニードル!ファイヤーボール!」
両手をかざし、右手からは石のドリル、左手からは火の玉をはなつ
ズドドドドド!
ゴゥッ!
ゴブリンウォーリアは全身をドリルに貫かれ、最後の1体は全身黒焦げになっていた
「ふぅ、ここはこれくらいかな」
私は魔法で水を取りだし一気に飲み干す、口の横から水が零れる様はなんとも言えないほど艶かしかった
「さあ、次は中央に向かうわよ」
私は中央に向かって走り出した
その後を追うように男達も走っていった
<和弘サイド>
「ミュリア、もういいのか?」
「あい!あとご主人様にお母さんから伝言を貰ってきたニャ」
「ん?なんだい」
きっとお礼だと思うけど
「私達を助けて下さり有り難う御座います、この御恩は一生側にてお返し致します、迎えに来て下さるのを心からお待ちしております」
重いお礼がきた・・・
いや、確かにミスティは綺麗だよ、なんというか大人の包容力がありそうだし、でもミュリアのお母さんだぞ!
「ご主人様、お母さんも一緒にしてあげたいニャ」
え?ミュリア公認なの?
「まあ、その件は彼女を迎えに行ったときにしような」
俺は問題を先送りすることに決めた
「あい!」
「さあ皆!今日から王都に向けて出発するぞ!」
『はい(あい)(はぁい)(うん)』
「え~っと、順番からいくとミュリアが御者だな」
「あい!」
俺達は王都に向かった
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シェリルとミュリアは何となくだが、スッキリした顔をしているな
うん、それだけでもここに来た甲斐があったな
やはり、奴隷にされるからには家族には2度と会えないと思うし、下手したら一生日に浴びることはない
正直自分が奴隷になっていたかと思うとゾッとする
俺はフィオナに生かされた・・・未だに彼女の眼を忘れることはできない、いや忘れるつもりはない
だからこそ俺は今度こそ惚れた女達を護ってみせる
そしてこの世界の常識を見極めたいと思っている
フィオナ・・・俺を見守っていてくれ・・・
俺はジュースを一気に飲み干した
「ん?」
皆の視線に気が付いた
「和様様」
「和様」
「和様ちゃん」
「おにぃちゃん」
「どうしたの皆?」
「物思いに耽っている和弘様が素敵で」
「思わず見とれてしまいました」
「目の保養になるわねぇ」
「おにぃちゃんかっこいいよ」
「あ、ああ、有り難う、皆も素敵だよ」
「ウフフフ」
「和様・・」
「いやぁん」
「エヘヘ」
皆照れすぎ!こっちまで恥ずかしくなるわ
「ニャ~!皆ずるいニャ」
御者席からミュリアの声が響いた
「私もご主人様の姿が見たかったニャ~!」
珍しくミュリアが嫉妬してるな
「ミュリア、君も素敵だよ」
「ニャはぁ~」
何となくだが、モジモジしているな
まあ、満足してくれたようだ
「はぁ~、今日は平和だなぁ」
願わくばこれがずっと続けばいいのになぁ
・
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その日の夜
何時ものように夕食を終え、女性陣を風呂に入れた後
俺は1人風呂で寛いでいた
なんとなくだが、ミュリアが来そうな気がするな
しかし、予想は違った
「和様」
耳元で囁く
「ふわぁい!」
サリーだった
「さ、サリー、どうしたんだい?」
あれ?サリーが来たの?待て、このパターンはリリアーナパターンか!
「はい・・隣・・宜しいでしょうか?」
まあ、来ちゃったものはしょうがないな
「ああ、いいよ」
「失礼します」
「「・・・・・・」」
無言の空間・・・、シェリルの時はお互い語らなくても解っていたがこの無言はなかなか辛いな
すると、サリーが
「和様、なぜ私を買って頂いたのですか?ご存じの通り私は性奴隷として売られていました、なのに和様は私に手を出すどころか快適な生活をさせて貰ってます、私は和様の役にたっているのでしょうか?」
サリーが潤んだ瞳で訴えてきた
たしかにリリアーナもだが、サリーにアンナを抱こうとは思っていなかった、リリアーナは戦力、サリーにアンナはメイドとして買ったつもりだ
「はっきり言うと、俺はリリアーナ以外はメイドが欲しかったんだ、分かるように大きな家に住んでるからね、身の回りをサポートできる人を探していたんだよ、でも店のメイド候補は全員俺を嫌がってね、だから最初からサリーやアンナを性奴隷として俺は見てなかったんだよ、それに君達2人の眼が俺に訴えてたから」
サリーは驚いていた
「私達が和様を頼りにしてたのが解ってたのですか?」
「ああ、後が無いような顔をしてたからね、だから2人共買うことにしたんだよ、身の回りの世話なんて誰でも出来るからね、プロに拘る必要はないと思って」
「あの日、和様に買われなければ私達はある変態貴族に売られるところでした、和様は貴族の間では有名でした、王国最強の兵士を破った冒険者として」
まあ、あれは実力を見せびらかす為にやったからな、現場を見ていた貴族は相当恐れたと思う
「買われた後、レイード様に言われました、あなた達は運がいい、彼に買われたから貴族は手出しができない、と最初は意味が分かりませんでしたがお名前を聞いて納得しました、私とアンナ、いえ、シェリル、ミュリア、リリアーナ、アンナ、私にとって和様との出会いは神のもたらした奇跡なのです」
奇跡か・・・、それなら俺にとっては毎日が奇跡みたいなものだ
何も知らないまま転生して、殺されかけたと思ったら力に目覚めて、人生を諦めていた彼女達と出会い、愛し合う仲になった、王都では家を買い、可愛いメイドも買った、全てが奇跡だ
「俺にとっては皆に出会えたのが奇跡だよ、そういえば言ってなかったね、俺は異世界から転生されてきたんだよ、詳しい内容は後日皆の前で話すけど、転生されたってことは、この世界に知り合いや家族は一人もいないんだ」
さりーは驚いていた、しかし今までの快適な生活を考えたらすぐに納得できたようだ
「皆のお陰で俺は毎日心が満たされている」
そう、人間は孤独には勝てない、一人が好きという人もいるが、そんなのは嘘だ、それなら誰もいない場所で何もかも自分でやればいいと思う
彼女達の存在は俺にとってとても大きなものだ、彼女達が平和に暮らせるなら俺は何でもやるつもりだ、例えば魔王でも国が相手でも
「和様・・・・有り難う御座います」
俺はサリーを抱き締めた
「あっ・・」
サリーも俺の背中に手を回す
お互い裸なので心臓のドキドキが伝わってくる
「和様・・お願いします・・・・私にも和様を下さい・・」
サリーが顔を上げ目を瞑る
それに答えるように優しくキスをした
「ん・・・・」
サリーは今まで我慢してたのを開放するかのように俺を強く抱き締め、キスを求めた
「もっと・・・・下さい」
サリーが舌を絡めてくる
ぴちゃ、ちゅ、ちゅく
俺はその思いに答えた
「んふ・・ふぁ・・」
静かな浴槽で淫靡な音が響いた・・・・
もしよろしければブクマを宜しくお願い致しますm(_ _)m




