俺が皆の居場所になってやるから・・・
いつもありがとうございます
お待たせしまた!
<フィオナサイド>
「すみません、貴方達は和弘さんを知っているのですか?」
私は迫るように問い詰める
「ひっ!あ、ああこの街であいつを知らない奴はいないよ」
「詳しくお話を伺っても?」
「わ、わかった」
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和弘さんはこの街で2人の女性と仲間になったらしい、ミーティアの話だと、2人とも奴隷で獣人とのことだ
そして2人とも彼を愛しているらしい
まあ、彼に惚れてしまうのはしょうがないわね
私も彼に惚れているのだから
私達獣人の世界では、強い雄は複数の女性を嫁とるのが普通だ
私の愛しい人はそれだけ強いのだ
私も早く彼に包まれたい
「更にあいつはこの街にオークが攻めてきた時に大将であるオークキングを仕留めてギルド至上最速でAランクになったんだ、また噂だがあいつにちょっかいをかけた冒険者がゴロツキと一緒に殺さられたという話もあり、俺達の街では奴に関わらないのが暗黙の了解になったんだ」
【オークキングといえばAランクオーバーの魔物じゃぞ、さすか和弘じゃな】
「なあ。あんたあいつの女なんだろ?この話は本人には内緒にしてくれよ」
和弘さんの女だなんて、ウフフ
「ええ、大丈夫、内緒にしておくわ、それで彼は今何処にいるの?」
「たしか、王都に向かったはずだった気が」
やっぱりこの街にはいないか・・・
「お嬢さん、王都までは馬車でも7日はかかるから行くなら十分に準備してからの方がいいぞ」
「色々ありがとう、これはお礼よ、これでお酒でも飲んでね」
私は金貨1枚を渡した
「おっ!わるいな」
私はギルドを後にした
「さて、言われた通りに準備をして明日の朝に出ましょう」
【そうじゃな、ここにはもう用はないじゃろ】
私は何時ものように出来上がった料理を購入し、収納に入れた
そして宿屋に向かう
向かった先はリラクという宿屋だった
「さあ、明日は早いからさっさと寝よう」
私ははやる心を落ち着かせながら眠りについた
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次の日の朝
ん?街が騒がしいわね
まあ、私には関係ないわね、さっ!王都に向かおうかな
私は宿を出た、すると見覚えのある冒険者が私を見つけ、駆け足で近寄ってきた
「あ、昨日のお嬢さん!まだ街にいてくれたか!よかった」
「どうゆうことですの?」
「すまないが、力を貸してくれないか?」
<和弘サイド>
「これで村の皆も安らかに眠れると思うよ」
「和弘様、ありがとうございます」
シェリルが抱きついてきた、俺は優しく抱き締めた頭を撫でる
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「皆待たせたね、次の場所に向かおうか」
午後は俺が御者だ、俺はウィンとボルに指示をした
「はっ!」
暫く進み俺は思考した
シェリルもこれで俺と同じ境遇になってしまったな、彼女には家族もいない、戻る家もないのだ
これほど辛いことはないだろう、俺が彼女の居場所になってやらないとな
さて、次の目的地はミュリアが住んでいた村だ、ミュリアは父親の親友に目の前で父を殺され、自分は奴隷商に売られたと、母親は生きているが多分その親友が奪っているかもしれないらしいとのこと
十中八九母親は騙されているだろう、旦那と娘を一度に失ったんだ、つけ入る隙はいくらでもある
クソ!ゲス野郎め!状況次第では命があると思うなよ
「ご主人様」
「ん?どうしたんだ?ミュリア」
「隣いいかニャ?」
「ああ、もちろん」
彼女はちょこんと俺の隣に座る
「シェリルの件、有難うニャ、吹っ切れた顔をしていたニャ、さすがご主人様ニャ」
まったく・・・次は自分の村なのに仲間のことを心配するなんてミュリアらしいな
「本当にミュリアは優しいな」
俺はミュリアを抱き寄せ頭を撫でてやる
「にゃぁう、シェリルは私にとって家族も同然ニャ、ご主人様達と仲間になった時点で家族だと思っているニャ、確かに故郷にはお母さんがいるかもしれニャい、でも一度は人生を諦めた身、シェリルもそうだと思うけど故郷に行きたいのは1つのけじめの為ニャ、私の家族はいまここにいる皆ニャ」
「そうか、俺も皆が仲間であり大切な家族だよ、俺が皆の居場所になってあげるよ」
「ただ1つ気がかりニャのはお父さんを殺したザインニャ!もしお母さんが奴の手に落ちていたら、気が気でニャいニャ」
「大丈夫、もしそうなっても俺が何とかしてやる!だからミュリアは先走るなよ」
「あい!そろそろ戻るニャ」
「ああ、もう少ししたら夕食にするから皆に伝えておいてくれ」
「わかったニャ」
さて、今日はシェリルの大好きな唐揚げにしようかな、あとはオーガのステーキ、野菜たっぷり具沢山スープも作ろう、さらにこっそり作っておいたあのスイーツも出してやろう
「はい、ドウドウ」
俺は馬車を止めた
早速風呂場を作成する
「リリアーナ、浴槽に水を入れて火魔法で温めてくれ、アンナとサリーは道具の準備、ミュリアとシェリルは薪を集めてくれ、今日は俺が料理するから終わったら適当に寛いでいてくれ
「え?よろしいのですか?」
「ああ、今日は俺が作る、楽しみにしていてくれ」
『は(あい)(はぁい)(うん)』
さて、いつもの様に唐揚げを作りましょう、コボルト肉に下味を付ける、ステーキ肉には香辛料を擦り込む
各野菜を小口に切り、鍋に入れる
「薪を持ってきました」
薪に火を付け、鍋を温める、沸騰したら灰汁抜きをし味を整える更に煮込む
熱した油に片栗粉をまぶしたコボルト肉を揚げる、こげ茶色になったら網にあげる
熱したフライパンに油をひき、ステーキ肉を焼く、焼き加減はミディアムレアだ、残った油でソースを作る
「ほい、完成!」
机には大量の唐揚げに大きなステーキ、しっかり煮込まれた野菜スープ、サラダにパンが並べてある
ドリンクはフルーツジュース各種だ、好きなのを飲めばいい
『わぁぁぁぁぁぁぁぁ』
皆が黄色い声を上げた
「今日はいつも以上に豪華ですね」
「美味しそうニャのがいっぱいニャ」
「これだけの量をあの短時間で・・・和様すごい」
「とっても美味しそうだわぁ、さすが和弘ちゃんねぇ」
「おにぃちゃん!早く食べようよ」
「はいはい、でも食べる前に皆に言っておきたい事があるんだ」
俺の声のトーンで皆が真剣な顔になる
「俺はね、ここに来るとき独りぼっちだったんだ、知り合いもいない、帰る家もない、家族もいない、本当の天涯孤独だったんだよ、皆も少なからず同じ境遇だと思っている、だから俺が皆の居場所になってあげる、何かを失っても、必ず俺が残っているから、俺が傍にいてあげるから、だから信じてついてきてくれ」
皆が惚けた顔していた
シェリルとミュリアは潤んだ瞳で見つめてきた
サリーとアンナはトロンとした目で見つめてきた
リリアーナはキラキラした目で見つめてきた
「さぁ!覚めない内に食べよう!」
俺の言葉に皆がはっ!となる
『頂きます!』
皆美味しそうに食べてくれてるな
料理がなくなりかけた頃に俺は話を切り出す
「さて、今日のご飯はこれだけじゃないぞ」
俺は収納からガラスのコップを5個取り出した
「和平様、これは何でしょうか?」
「飲み物じゃないニャ」
「こ、この食べ物はまさか・・」
「このぷるぷるがちょっといやらしいわねぇ」
「とても甘い香りがするよ」
サリ-はこれがわかったのかな?
もしかしてサリ-は良いとこのお嬢さんかな?
「和様、もしかしてこれはプリンではないでしょうか?」
『プリン?』
「ほう、サリ-には解ったか、そうだよこれはプリンだ」
「やっぱり、でもプリンは高級な食べ物ですよ、それこそ貴族ですら中々食べれないのに・・・」
「そうなのか?」
「はい、プリンの製法は謎に包まれておりまして、製作者もレシピを公表しないのです、ですからとても高価な食べ物として有名です、しかし値段に合った美味しさだと聞いております」
「ちなみにだが・・・・それ、俺が作ったぞ・・・・」
「・・・・え?・・・・えぇぇぇぇぇぇ!!」
「滅茶苦茶簡単だぞ、材料も安く買えるし、家庭で普通に作れるぞ」
なるほどな、低コストの割には美味しいから、わざとレシピを公開せずに高額で販売していたのか、おそらく人族の国にはこんなスイーツはないだろう、そこに目をつけたわけか
「よし、いつか人族の国に帰ったらレシピをばらまいてやろう、さっ!サリ-にアンナはスプーンを出してくれ、皆で食べよう」
『はい!』
皆が一斉にスプーンをプリンに入れる
ぷるん!ぷるるん!
うん、いい感じに固まっているな、おっぱいのようなぷるるん感だ
皆が一口食べる
『!!!!!!!!!』
『おいしぃぃぃぃ~~』
「何これ!ぷるんと滑らかな舌触り」
「口に入れた瞬間とろけたニャ」
「まったりとした甘さなのに全然しつこくないです」
「器の底にある茶色い部分がほんのり苦味があって一緒に食べると程よい甘さになってぇ、あぁん、スプーンが止まらないわぁ」
「あたし、これなら5個は食べれるよ」
ふふふ、皆喜んでくれてるな
「気に入ってくれたかな?」
『はい(あい)(はぁい)(うん)』
「それは良かった、サリ-とアンナには後でレシピを教えるからたまに作ってくれ」
「はい!」
「はぁい」
そんなこんなで、夜は更けていった・・・
更新が遅くなり申し訳ありませんが、宜しくお付き合い下さいね
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