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暗躍する者達

いつもありがとうございます

《王宮》

「なるほど、それほどの実力があったか」

髭を触りながら嬉しそうに聞いていた


「はい、単独でドラゴンを討伐しました」


「ドラゴンは確か魔王に匹敵するくらいの実力だったな」


「はい、そのドラゴンを討伐するくらいなので、魔王と同等の実力があるかと」

ギルドマスターは平伏したまま報告していた


「わかった、くれぐれも彼を刺激しないようにな、王都を出られては困る」


「もちろんです、最終手段も用意してあります」


「そうか、では任せたぞ」


「はっ!」

ギルドマスターは立ち上がり、深くお辞儀をし出ていった


「あの時の青年がドラゴンをか・・・これで我が国は安泰だな、いざとなれば金を積めばいいだろう、最悪娘を渡しても構わないな」

再び髭を触りながら呟いた

「なんですって!あの男がドラゴンを討伐ですって?何かの間違いではないの?」


「どうやら本当の様です」


「き~!何なのあの冒険者!メルキドだけではなくドラゴンまで倒すなんて、しかもそいつががアイラ側にいるのよ!」


「はい、メイラ様の兵はメルキド様が最強でしたから正直武力で訴えるのは難しいと思われます」


「アイラ!なんて忌々しい妹なのでしょう、このままですとあの子が後継者になってしまいます、そうなってしまうと人族と獣人族との同盟ができてしまう、それだけは阻止しないと!この世界は人族が中心となって治めるのが常識です」


アイラは種族差別否定派だった、彼女が王位を継げば奴隷制度や隣国との同盟が強まるだろう、今現在魔王がいるから言わないが、もしいなかったら魔族との同盟もすると思われる

この間のお忍びも隣国の調査に出掛けたものだった、メイラは独自のルートで情報を掴み、事故に見せ掛けて殺そうとしたのだ

そうすることによって自分が王位を継ぎ、世界を人族が支配する統一国家を築くつもりだったのだ

そうメイラは人族至上主義だった


「その通りでございますメイラ様、野蛮で穢らわしい獣人族との同盟などあってはなりません」


「あのときアイラを殺しておけば・・・何とか出来ないのてすか!最悪殺さなくても王宮を跨げないように出来れば構いません!」


「私にいい案があります」

メイラの信頼する侍女が耳打ちをする


「なるほど、いい案ですわ!それで行きましょう!これでこの国は私の物、そして世界の覇者になるのです!ホォーッホッホッホッホッホッホ」

部屋にメイラの笑い声が木霊した

「アイラ様、カズヒロ殿がドラゴンを討伐されたようです」


「まぁ!あのドラゴンをですか!和弘様は本当にお強い方ですのね」


「左様ですね、あのメルキド殿を軽くあしらう程ですから、このお陰でしばらくはメイラ様もアイラ様に手は出さないかと思われます」


「そう・・・ですね・・・・」


「ですが、この間は他国の視察でお忍びだったのですがどこで漏れたのだろうか・・・はっ!まさか裏切者が!」


「マーベルさん!滅多の事を言ってはいけません、たまたま情報が漏れたのか聞かれていたとかでしょう」


「はっ!申し訳ありません」


「マーベルさん次の視察の準備をしましょう」


「直ちに」


「なんとか獣人国との同盟を結ばねば、幸い獣人国の王は人族に厚意を持っておられます、この手を逃す訳にはいきません」


アイラは小さい頃から疑問に思っていた、なぜこの世界は異なる種族がいるのだろう?しかもお互いに毛嫌いしている、姿形が違うだけで同じ言葉を話し考える頭もある、自分達と何も変わらないじゃないか

全てが手を取り合えるようになればそれこそ争いのない真の平和が出来る・・・

物心つく頃に、アイラは自分の地位に気づいた

自分の地位と財力があればやれるのではないかと

真の平和の為にこの命を捧げようと・・・


「アイラ様、何処までもお供します」


「ありがとうマーベルさん」


しかし彼女の志が達成させることはなかった、そして彼女も絶望を経験するのであった・・・



《ギルド》


「マスター大変です!」


「そんなに騒いでどうした?」

ギルドマスターは王宮から帰り、酒を飲みながら一息ついていた


「カズヒロさんのパーティが最近大量に物資を購入しております」

ギルドマスターはため息をつき


「そんなことか、先日家と奴隷を3人買ったと聞いている、足りない物の買い足しじゃないのか?ワシは家を見てきたが相当な大きさだったぞ」


「いえ、それが大量といっても買い占める程なんですよ」


「なに~!買い占めだと!店の買占めとなると1年近くは食っていけるぞ!そんなに大量にどうする気だ?」


「そういえば、最近馬車も買われていましたよね、凄く豪華馬車を」

ギルドマスターははっと気づく


「まさか、この国を出るつもりじゃないだろうな?」


「えっ?でもあんな立派なお屋敷まで持ってるんですよ?それを捨てて旅に出ますかねぇ?」


「たしかに・・・そうなると理由はなんだ?」


「明日報酬を取りに来ますのでお聞きしたらどうでしょうか?」


「そうだな・・・」


「では、明日カズヒロさんが来られましたらマスターの所に案内しますね」


「ああ、頼む」


「では失礼します」

お姉さんは部屋を出て行った

ギルドマスターは酒を一口飲み


「しかし本当に出て行かれたらまずいな、明日の結果次第ではあれを使うしかないな」

酒を一気に飲み干す


「さすがにドラゴンを一人で倒すような者と正面ではやりあえんからな」



《5人サイド》


「いらっしゃいませ、いつも有難うございます」

シェリル達は服屋に来ていた

買うのはもちろん和弘が喜びそうな服だ


「皆、和弘様から大量にお金は頂いています、好きな物を買いましょう」

シェリルの言葉に皆は嬉しそうに服を見始めた

2時間後・・・


「皆好きな物を選びましたね」

シェリルはブラウスと短めのフレアスカートを数点、下着は薄いピンク系


「あい、満足ニャ」

ミュリアはTシャツとホットパンツを中心に短めのギャザースカート、下着は薄い水色系


「はい、凄く楽しかったです」

サリーはブラウスと長さは普通のプリーツスカートを数点。下着は純白系


「こんなに買ったのはぁ初めてよぉ」

アンナは胸元が開いたセーターとミニスカートを数点、下着は紐系


「うん、おにぃちゃん喜んでくれるかな?」

リリアーナはワンピースとジャンパースカートを数点、下着は白のフリルやリボン系


また、寝間着には色違いの薄手のキャミソールを選んだ

シェリルがピンク、ミュリアは水色、サリーは白、アンナは赤、リリアーナは黄色


「これで皆して和弘様を悩殺しましょう」


『フフフフ・・・』

5人は妖艶な笑みを浮かべた



《和弘サイド》


「うぉう!」


ブルル!


「急に寒気がしたぞ・・前回もあったよな?まあいい、武具屋に向かうか」

俺はギルドを出てから武具屋に向かった、槍を買うためだ!


「あいらっしゃい、おお!兄ちゃんか今日はどうした?」


「槍が壊れてしまって、新しいのが欲しいんだ、お勧めはないか?」


「そうゆうことか、兄ちゃんにピッタリのがあるぞ」

店主は奥に向かい、1本の槍を両手で大事そうに持ってきた


<オベリスク>

数種類の金属を合わせた斬ると突くが可能な槍


「ほう!戟か」


「兄ちゃんよくわかったな、その通り戟という槍だ!昔に勇者の仲間が使用していたらしい」

なるほど、勇者はやはり転移者だな、戟という槍は中国かヨーロッパ、もしくはゲームや漫画の世界でしか知ることは出来ない

この世界では武器は剣、槍、斧、弓、杖しか存在しない、たまたま作れるかもしれないがここまで完成度の高い物はそう簡単に作れない、間違いなく勇者が作った物だ


「よし!それを買おう!」

俺はオベリスクを持とうとした


「兄ちゃん!そいつは両手で扱う武器だ!気を付けて・・・・え?」

俺が軽々と持ち上げたのを見て目を丸くしていた


「おお!手に馴染むな」


「こりゃたまげた!兄ちゃんはすげぇな、この槍を軽々と持ち上げるとは」


「そうか?普通だぞ、それでいくらなんだ?」


「ああ、こいつは1本しかないからな、金貨20枚だ」

金貨20枚は銀貨に換算すると2000枚、一般家庭の約40倍だ軽く2~30年は生活できる


「わかった」

俺は特に躊躇することなく金貨を渡した


「まいどあり!」

俺は槍を背負い武具屋を出た

次に向かうのはすでに決まっている

もちろん試し斬りだ!

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