約束させられた!
いつも有難うございます
「いやー、こんなこともあろうかと丼を複数買っておいて良かったよ」
俺は丼に麺を入れ、上に卵を乗せる、そして熱々のスープをかけた
「ほい、天津麺完成!熱いから気を付けてな」
シェリル達に運ばせる
次に焼いたオーガ肉を5mmくらいの薄さにスライスし、ソースをかける
「ほい、オーガ肉のガリソースかけ完成」
最後にサラダとパンを並べる
「「「「「ふわぁぁぁぁぁ」」」」」
全員が同じ声をあげる
「これをご主人様が作ったのですか?凄すぎます!」
サリーは尊敬の眼差しで見てきた
「ご主人様はぁ、何でも出来るのねぇ、素敵よぉ」
何でもは出来ないからメイドを欲したのだが・・
「おにぃちゃん、こんな料理初めてみたよ、凄いよ!」
絶対にキャラが変わってるよね?
「和弘様、流石です!どれも美味しそうです」
シェリルの安定は安心するな
「ご主人様は色んな料理が作れるニャ、凄いニャ、大好きニャ」
ミュリアも安定だな、俺も大好きだよ
「よし!食べようか!でもその前にサリーとアンナとリリアーナに食べる前の挨拶を教えておく、今からシェリルとミュリアがお手本をやるから覚えてくれ、シェリルとミュリア宜しくな」
2人は頷くと、手を合わせ
「「頂きます!」」
「この挨拶は食材や作った人に対する感謝の気持ちを表しているんだ、俺達はご飯を食べるとき必ずやっている、たから3人も覚えるようにな、早速実践だ」
3人は手を合わせ
「「「頂きます(ぅ)」」」
まずは天津麺だな
ふー、ふー、ズルズルズル
ゴクッゴクッ
「はぁ~、旨い!」
「和弘様!卵がフワッフワです」
「ご主人様、このトロトロのスープ美味しいニャ」
3人は天津麺を食べて目を見開いていた
「何なのこれ?凄く美味しい、今まで食べたことない」
「あぁぁん、美味しいわぁ、こんな味がぁあるなんてぇ」
「これ凄いよ!とてもおいしいよ!」
「リリアーナ、次のお肉は君の為に作ったよ、奴隷館ではまともに食べれなかっただろ?だから精の付くものを用意したよ」
「え?おにぃちゃん・・ありがとう」
リリアーナはオーガ肉を食べた
「おいしい、凄くおいしいよ、おにぃちゃんの優しさを感じるよ」
シェリルとミュリアも俺の意図に気付いたようだな
特にシェリルは奴隷館の一番下を経験してるから、気持ちは痛いほどわかるだろう
「リリアーナ良かったですね、和弘様の手料理でちょっと羨ましいです」
「あい、私とシェリルは定食屋だったニャ、でもあれも美味しかったニャ、忘れられない思い出ニャ」
そうだったな、シェリルとミュリアはあの定食が初めてのご飯だったからな
馬車も出来たし、また連れていってあげよう、その時は3人も連れていこう
「じゃあ、明日の予定を話すよ、明日はシェリルとミュリアで3人の服を選んでやってくれ、サリーとアンナにはメイド服も買ってやってくれ、好みは任せるよ」
「はい(あい)」
「あと、シェリル達も新しい服をついでに買っていいからな」
「有難うございます」
「ありがとニャ」
「俺は明日も一日メイト商会に行ってくる、買い物が終わったら仕事を教えてやってくれ」
俺はシェリルに白銀貨1枚を渡した
「ちなみに余ったら仲良く5人で分けていいぞ」
まあ、シェリルとミュリアなら言わなくても分けると思うけどね
いままでもちゃんと分けてたみたいだし
「え?ご主人様?こんな大金よろしいのですか?」
「私達3人を買うくらいだからぁそれなりに持ってるとは思っていたけどぉ」
「おにぃちゃん、いいの?」
3人は驚いていた
「これが和弘様の常識です」
「あい!」
「まあ、徐々に慣れていってくれ、さっ、ご飯も食べ終わったし片付けよう、サリーにアンナにリリアーナ、食べ終わった後も挨拶があるから真似てやってみてくれ」
俺の言葉に反応するようにシェリルとミュリアがやり始めた
両手を合わせ
「「ご馳走様でした」」
「はい、やってみて」
「「「ご馳走様でした」」」
「うん、皆完璧だよ、これから必ずやるようにすること」
「「「はい(はぁい)(うん)」」」
「では早速サリーとアンナには片付けの仕事をしてもらう、リリアーナには部屋を案内するから後で2人に教えてやってくれ、今回は3人一部屋だが、その内部屋割りは考えるからな」
「うん、わかったよ」
俺はリリアーナの銀髪を優しく撫でた
風呂に入っておかげでサラサラして気持ちよかった
「にょ!あぅ~~」
不意打ちのなでなでにびっくりしていた
でも何故か気持ちよさそうだ
俺はリリアーナを部屋に案内した
「ここで3人はしばらく一緒に寝てくれ」
「おにぃちゃんは何処で寝てるの?」
「ん?俺は2階で寝てるぞ」
さずがにシェリル達と寝てるとは言えないな
「そうなんだ、あたしおにぃちゃんと寝たい」
そうきたか
「う~ん、気持ちは分かるけど、今はこの生活に慣れてくれ、その内一緒に寝てあげるから、な」
俺は再度リリアーナの頭を撫でた
「あぅ~~、約束だからね」
約束させられてしまった
「わかった、約束な、じゃあ、皆の所に戻ろう」
この場合断るのは無理だよね
約束させられてしまった・・・
「うん!」
今日一番の笑顔を見せてきた
この子の笑顔にやられてしまうかもしれない・・・
いや、しっかり気を持て和弘!相手は子供だ!
俺は理性を抑えながらリビングに戻った
片付けが終わっていたようだ、さすが人が増えると作業が早いな
「皆お疲れさま、今日はもうすることがないからゆっくりしててくれ、シェリル皆に飲み物の場所を教えてやってくれ、俺は風呂に入る」
「はい、わかりました」
・
・
・
「そういえば1人で風呂にはいるのは久しぶりだな」
風呂の大きさは10人くらいが足を伸ばせるくらいの大きさだ
銭湯の大浴場を想像してもらえると簡単だ
その中に一人両手両足を伸ばして浸かっている
「このお風呂贅沢の極みだな」
さて、リリアーナだが彼女は魔法使いだったな、魔族なだけあって魔力は相当高かった
これで後列も完璧だな、ついでだから彼女に魔法を教えて貰うのもいいな
創造では上手く魔法のイメージが出来ない為、火を熾したり水を出すくらいしか出来なかった
俺の魔力値は高いので基礎さえ覚えれば使えるはずだ
今後の為に魔法は使える様にならないとな
俺が思考を巡らしていると
「和弘様・・」
耳元で名前を囁かれた
「ひゃい!」
変な声が出た
後ろを振り向くと、見覚えのある真っ白な肌に張りのある大きな2つの山、緑色の髪から2つの真っ白で綺麗な長い耳をピコピコさせた美少女がクスクス笑っていた
「シェリルか、ビックリさせるなよ」
考え事をしていたので気づかなかった
「いえ、ちゃんと呼びましたよ、ですが和弘様は何かに集中されていたようで、ひゃいって可愛かったです」
いや、気配消していただろ、そのニヤニヤが全てを物語っているぞ
「まったく、出したことないような声が出たじゃないか」
俺はため息をついた
シェリルは微笑みながら浴槽に入り、俺の隣に座った
「皆は?」
彼女は俺にもたれかかるように
「ジュースに夢中ですよ」
俺はシェリルの肩を抱いてやる
「そうか、ミュリアは?」
「彼女には皆の相手をして貰っています」
シェリルのうさ耳がフヨフヨ揺れて俺の頬を撫でる
「和弘様と2人きりは久しぶりですね」
今この大きな浴槽には2人の男女しかいない
「そうだな、本当に久しぶりだな」
いつもはミュリアも一緒だが、もう少し2人きりになるように配慮する必要があるかもな、もちろん皆平等にね
「シェリル、折角だからいっぱい甘えていいぞ」
俺はシェリルを見つめた
「和弘様ぁ・・愛しております」
「俺も愛してるよ」
2人の顔が近づき、互いに唇を重ねた
静かな浴場に2人の吐息だけが響き渡った・・・
そのうち彼女達の閑話を載せます




