お姫様とアーガス王国
いつもありがとうございます
体調不良の中更新します
グシャ、バキッ、ボキッ、グチャ
ザシュ、ズブッ、ザシュン、ザザシュッ
一方的な蹂躙だった・・・
盗賊達は終始恐怖していただろう
「ふぅ、終わったな」
「あい!」
俺は水で血に塗れた手を洗った
彼女は手ぬぐいで剣に付いた血を拭っていた
「あ、あの」
女騎士が話しかけてきた
「危ないところだったね、これで怪我を治しな」
俺は薬草を彼女に渡した
「助けて頂き感謝する、私はアーガス王国第2王女の護衛隊長を務めるマーベルと申します、こちらは第2王女のアイラ・エロール・アーガス様です」
すると紹介された少女はマーベルという女騎士の前にでて
「アイラ・エロール・アーガスです、危ないところを助けて頂き有難う御座いました、失礼ですがお名前をお聞きしてよろしいでしょうか?」
彼女は優雅にお辞儀した、しかしその足は震えていた、相当恐かったのだろう
王女として気丈に振舞わなくてはいけないのだろう
「俺はカミシロ・カズヒロです」
「ミュリアです」
自己紹介を済ませるとマーベルさんが
「カズヒロ殿にミュリア殿、大変心苦しいがお願いがあります」
「なんでしょう?」
「この通り、御者も殺され馬も逃げられてしまった、差支えなければ王都までご一緒させて頂けないだろうか?」
「私たちは商人の護衛で王都に向かう途中です、もう少ししたら商人の馬車が付きますので聞いてみましょう」
「すまない、よろしく頼む」
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シェールさんは喜んで引き受けてくれた、まあ、王族だから当然か
彼女達にも荷台に乗ってもらう
「乗り心地はよくありませんがご容赦下さい、王女様」
シャールさんが申し訳なさそうに言ってきた
「いえ、助けて頂いた上に王都まで送って頂けるのです、感謝しか御座いません」
なかなか、出来た王女様だな
「カズヒロ様そちらの方は?」
シェリルのことか
「はい、私はシェリルと申します、和弘様と一緒に旅をしております」
「そうですか、私はアイラ・エロール・アーガスです、シェリル様よろしくお願いいたします」
「それにしても、カズヒロ殿やミュリア殿の強さはずさまじかったな、失礼だがギルドランクは?」
「3人ともAですよ」
「この若さでAランクとは、強さにも納得がいったよ」
やはりAランクはすごいらしいな
「カズヒロ様達は護衛が終わりましたらどうされるおつもりですか?」
「私達は王都に拠点を設けようと思っておりまして、しばらくはそこで冒険者活動をしようと考えております」
「まあ、そうだったんですね、それでしたら今回助けて頂いたお礼とは別にいい紹介業者をお教えしますわ」
まじか!王族の紹介ならかなりいい物件が手に入るぞ
「よろしいのですか?」
するとマーベルが
「構いません、王家の第2王女様の命を救ったのですから当然の報酬です」
「では、ありがたく頂くことにします」
そんな話をしていると王都の入り口に着いた
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ここがアーガス王国か
他の街とは違い高い城壁に囲まれ、街は石や煉瓦で作られた街並み、道路もそれなりに整地されており、
その姿はあきらかに文明の違いを物語っていた
入り口に門番が2名いた、エイプリやディセンみたいな門番ではなく、全身フルプレートを来たいかにも兵士って姿だった
「身分証明を・・・王女様ぁ!!」
門番は驚いて声を上げた
「こ、これは、ど、どうされたのですか、いえ、詳しい話はそちらの詰め所で聞きます」
門番が俺達を詰め所に案内した
マーベルが代表して報告していた
盗賊に襲われたと、商人を護衛していた冒険者に助けられここまで送ってもらったこと
ただ、盗賊を雇った人物は伏せていた
「事情はわかりました、おい、急ぎ城に伝えろ!」
「はっ!」
部下の人が急ぎ詰め所を出て行った
「冒険者の皆様、有難う御座いました、王女様は私達が責任もって城に送ります」
「わかりました、よろしくお願い致します」
「カズヒロ殿!」
「はい?」
「追ってお礼について後ほど伝令を送ります、よろしければ今晩泊まる宿屋を教えて貰えないか」
「それでしたら、琥珀亭におりますのでそちらに来ていただけばと」
え?シャールさんが決めちゃうの?まあ、俺もどこに宿屋があるかわからないし、シャールさんのチョイスなら問題はないだろう
「ああ、あそこならわかりやすい、了解した」
マーベルさんは納得していた
「では、私達はこれで」
「本当に有難う御座いました、この御恩は一生忘れません、後ほど王宮にてお会いしましょう」
「ええ、また」
アイラ様に挨拶をし、マーベルにそっと耳打ちをする
「今回の件は無事でしたが、今後も十分に警戒をして下さいね」
「重ね重ね申し訳ない」
俺達は詰め所を出た、いつの間にか火が落ちかけて橙色の景色なっていた
「もうこんな時間か・・」
「では和弘さん、宿屋に向かいましょうか」
「そうですねよろしくお願いします」
シャールさんは馬車を走らせた
馬車から街並みを眺める、例えるならジブリ映画の街並みといえばわかりやすだろうか
色々な店が立ち並んでおり中心に大きな噴水があった
シャールさんの話だとこの噴水を境に区域が分かれているとのことだ
一番奥に王宮と高級住宅区、手前に商業区、左側に一般住宅区、右側に冒険者区といった区分けだそうだ
もちろん、賑やかな街並みだけでなく、裏に行くとスラムや風俗街などもあるとのこと
まあ、スラムには必要なければ寄らないでおこう
怖くて言っているのではない、頭に血が昇って壊滅させてしまう危険があるからだ
昔に比べると随分沸点が低くなったらしい
シャールさんのオススメ宿屋は冒険者区にあるという
なるほど、宿屋をつかうのは殆どが冒険者か旅人だろう、理に適っているな
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「着きましたよ」
「おお~」
やはり、思った通りだ
何がって?ディセンの街の宿屋を思い出してみ?
ここも、あの宿屋と同等かそれ以上だぞ
「明日には城の使いが来るでしょう、今日は私が奢りますのでゆっくりしてください」
「え?いいのですか?」
「ええ、ここまでの完璧な護衛のお礼ですよ、道中は本当に快適でした、ありがとうございます」
「いえ、こちらこそ護衛は初めてだったのでいい経験になりました」
「そうですか、では今回の報酬になります」
シャールさんは金貨40枚渡してきた
「え?多いですよ?」
倍の報酬をくれるとは・・・
「私は護衛の依頼の際、食事は持参とさせて頂いておりました、それなのに毎回私の分も作ってくれました、正直あの食事は高級店と大差無い味でした、更に護衛の方も対応の早さは素晴らしかったです、ちなみに、あの夜の出来事は私も気づいておりました、しかし、和弘さんは私に気遣い何もなかったのように振る舞ってくれました、そのお陰で旅は快適で予定よりも早く到着も出来ました、本当にありがとうございます」
そうか、あの夜のウォーウルフに気づいていたのか
「ですからこの追加分は私の気持ちになります、これからの家を買われるなら必要な筈です、受け取って下さい」
「わかりました、ありがとうございます」
俺はお金を受け取り、ガッチリと握手をした
「では、私は自分の店に戻ります」
シャールさんはお辞儀をし宿屋を出ていった
いい人だったな
俺達はシャールさんを見送り、宿屋のカウンターに向かった
現在風邪と奮闘中
ここで一個質問に答えます
魔物は倒すとドロップ式にしております、通常かレアのドロップとなります
ですからクエストの討伐系は倒した数だけ報酬が入る仕組みにしてあります。
まだまだ、先は長いのでまったりとお読み下さい




