佐倉こころの困惑
こころ視点です
どうしよう。桃坂先輩が壊れた。
先輩の前で泣いてしまったのがいけなかったんだろうか。
桃坂先輩は、私を腕の中に閉じ込めて、頭を優しく撫で続けた。
お腹も減ってきたし、律子さんたちもいつ帰ってくるか分からないし、離してくれと抗議したらダメと却下された。
いやあのでも。
桃坂先輩の腕の中はあったかくて包み込まれているようで気持ちいいんだけど。
女の人とはちがう、腕や胸の固さとか、桃坂先輩が男であることを意識させられて。
佐倉こころ、色々と限界です。
ようやく気が済んだのか、腕からは解放されたけど、そのあとも妙に視線を感じて落ち着かない。
ちょっと何かあると頭を撫でてきたり、大丈夫か尋ねてきたり。
過保護スイッチが押されまくりな状況です。
それは律子さんたちが帰ってきてからも継続中で。
「あらあらまあまあ。すっかり仲良しさんね」
桃坂先輩の異常に気が付いているはずなのに、律子さんは仲良しでスルーしました。
いやいや。親として心配じゃないのでしょうか。
心配、と言えば。
もうすぐ始まる新学期。
桃坂先輩の過保護モードが解除されないと、とっても困るような気がする。
いや困る。
困った。
どうしよう。
新学期が始まるまでに、正常に戻ってくれないかなあ。
とりあえず、そろそろマンションに戻りたい……。
二人のお話はまだ続きますが、このお話でしばらく更新止まります。
毎日読みに来てくださった皆様、お気に入りしていただいた皆様、本当にありがとうございました。




