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背に腹は代えられない(何か違う?)ので銭湯行って来た!

銭湯って言ってもスーパー銭湯っていうやつだけども。道路沿いにあったから看板だけは知っていたんだよね。

今まで行ったことが無かったから、同僚に電話して聞いてみた。PCでググれと言われた……冷たい……。調べたらシャンプー・石鹸類は持参らしい。タオルとかも。

仕方がないので途中のコンビニで旅行セット購入。

銭湯の料金は400円。シャンプー代とかと合わせると1000円近くの出費だ。地味に痛い。

お風呂にはそこそこ人が多くて、私には苦行に近い。つか、恥ずかしい。家でならのんびりゆったり浸かれるのに、何が悲しくて裸を人目に晒さねばならんのか……。おかげで妙に緊張して、全くリラックス出来なかった。あうう。

まあ、それでも臭いは取れた。目的は果たしたのでよしとしよう、うん。

さっぱりしたのはいいけど、なんか納得いかないよなあ。家にお風呂があるのに、わざわざお金出して外にお風呂入りに行くとか。故障とかだったら諦めも付いたんだろうけど。

慣れない銭湯で気疲れしたせいか、家に帰ってからご飯を作る気にもなれなくてコンビニでおにぎりとおでんを買う。コンビニのおでんっておいしいよねー。

簡単な夕食を済ませて、歯磨きを済ませて布団に入る。

いつもと違うシャンプーの匂いが髪から漂って、何となく落ち着かない気分で放置したお風呂場のことを思い浮かべた。

明日はいつものお風呂場に戻っていますように。


かなり本気でお祈りしたのに。


次の日も、我が家のお風呂場はでっかいベッドに居座られておりました……。


「……はぁ」


今日も銭湯か。

またあの羞恥プレイなのか。

つか、このままこのベッドに居座られたら銭湯代がとんでもない事になる。私の今までの一食分より高いぞ?このままでは確実に家計に響く。どうしたらいいんだろう。むう……。

誰かに相談出来れば……とか、考えなかった訳じゃないけど、まさか自宅が不思議空間になっているんですと言って誰が信じると?

迂闊に言おうものなら、面白がって押しかけ人様の家だという事も忘れ荒らしまくるのではないだろうか。

学生時代、そんな人間が実際にいたこともあって私は軽い人間不信だ。全てを拒絶するわけじゃないけど、簡単に他人を信用出来ない。仕事先やお店とかの軽い表面上の付き合いなら楽なのだが、踏み込まれるとその分退いてしまう癖がある。

親戚ですらそんな状態なので、相談する相手が思い浮かばない。

あれ?もしかして、私って寂しい人生送ってる?

まあ、結局自分で何とかするしかないんだろうなあ、とぼうっと考えていた。お風呂場の扉を開けたまま。

なんとなく体育座りで項垂れていた私は悩む事に集中していて、向こう側に誰かが居ると気付かなかった。なので。


「お前、誰?」


話し掛けられて驚いた!マジでびびった!

慌てて顔を起こしたら、目の前には不機嫌そうに顔を顰めた金髪碧眼の王子サマが!

一昨日はお姫様で今日は王子サマ!美々しいな、向こう側!

くるんっと緩く巻いた金髪に長い睫毛、大きな碧い瞳。白い肌に丸みをおびた頬。まさに天使のようなっていう形容詞が相応しい王子サマは、その容姿に似合わない皮肉気な笑みを浮かべて私を睥睨する。ええっと?私がいったい何をした?


「閨に忍び込むとは、厚かましい。その方程度の容姿で籠絡しよう等、身の程知らずにも程があるな」


ぽかん、と天使みたいな王子サマが言った内容を咀嚼するのに暫し。

閨?籠絡?

…………。

何言ってやがりますか!このお子ちゃまめ!

私にショタの趣味は無~~い!!

十歳未満は対象外だわよ、マセガキめ!!


心の中で喚いたつもりが、全部口から出ていたらしい。

言い返された王子サマの目がまんまる。あら、可愛い。


……でも、対象外には違いないんだからね!



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