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始まりの朝

初めまして秋水です。

初めての投稿小説、どうか楽しんで頂けたら幸いです。

まだまだ稚拙なところばかりありますが、これからも精一杯やります。

ちなみにかなりの長編になっちゃうと思いますが、どうか末永く見守って下さい。

 天地鏡てんちきょう学園には、一般の学校とは違った特色がある。

 それは、ここに通う生徒、並びに教師全員が、ある特殊な能力を有するということだ。

 誰もが持っているものではなく、先天的に備わっているものである。

 たくさんの卒業生が、この国の重要な役職に就いていたりする。

 また、卒業生だけでなく、在校生でも、学園から与えられる任務をこなすこともある。

 特別象徴保持者、この学園にいる全ての者が持つ肩書きである。

 またの名をシンボラーという。



 この僕、扇天満おうぎてんまの朝は早い。

 一応一軒家に住んでる僕だが、両親は不在。不在といっても、別に他界してるわけではなく、二人とも仕事で海外に行ってる。

 だから、一人暮らし…ってわけでもないんだよな。

 残念ながら朝が早いのは、三人の姉のせいなんだ。

 三人は三つ子で、僕より二つ上の十八歳。

 同じ天地鏡学園に通う姉弟だ。

 姉さん達は揃いも揃って朝は大の苦手で、毎日起こしてあげなければ起きない。

 そんな朝の弱い姉さん達の為にも、毎日自分のも含めて四つの弁当まで作る。

 もちろん朝食もだ。

 そんなわけで、毎日早起きしなければならないのである。

 今日もやっぱり自力で起きてこない姉さん達を起こしに行かなければならないみたいだ。

 僕はいつも通り弁当と朝食を作って準備したら、二階の姉さん達の部屋へ行く。

 さて、今日は素直に起きてくれるかな。

 僕はそう思い、先ずは一番先に母さんから出てきたっていうことで長女になった、赤世あかせ姉さんから起こす。

 ドアをノックして呼びかけるが応答が無い。ま、いつも通りなんだけど。

 仕方無くドアを開けたら、予想を裏切ることなく枕を抱き締めながら健やかな眠りを堪能していた。

 はあ、これが花の女子高生なんですかね。

 掛け布団を弾き飛ばし、着ているパジャマも上下とも捲られ、玉のような肌が見てくれと言わんばかりになっている。

 全くアカ姉は、下着まで見えてるし、だらしなさ過ぎだって。

 僕は溜め息をつきながら姉さん達を起こしていく。

 次女の青流あおる姉さんと、三女の黄花きはな姉さんを起こすと下に降りて、姉さん達をまつ。

 自慢じゃないが、姉さん達はこれでも学園では大人気美人三姉妹として有名なんだ。

 男女問わず告白された回数なんて、生まれた時から数えると軽く百は下らない。もちろん一人でだ。

 階段を降りてくる音が聞こえる。

 ようやく降りてきたな。

「おはよう」

 僕はリビングにやってきた姉さんに声をかけた。

「はよ~ん! テンマ!」

 元気よく挨拶してくれたのは、三女の黄花姉さんだった。

「おはようございます、天満さん」

 次に入ってきたのは次女の青流姉さん。

「あれ? アカ姉は?」

 まだ現れないもう一人の姉について尋ねた。だが、二人とも首を横に振った。

「ま、まさか」

 僕は今思ったことが現実になっているのだと半ば確信していた。

 僕は再び赤世姉さんの部屋の前まで来てノックをした。

 案の定返事がない。

 ドアを開ける。

 そこには制服を着ているのに関わらず、ベッドの中で、夢の中に入っている美女が目に入った。

 はあ、毎朝毎朝、どんな二度寝だよ全く。

 仕方無く赤世姉さんを起こして、無理矢理リビングへ連れてくる。

「いやあ、スマンスマン! 昨日ちょっと夜更かししてだな」

 ちっとも悪いと思ってなさそうな笑顔を作って言われてもな。

 ま、とにかくこれでようやく家族揃って朝食を食べられる。

 朝の仕事はとりあえず一段落した。

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