表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

おじいと夜の蝶、再び!

おじいさんの浮気騒動が一段落したと思いきや、あの夜の蝶ナナミが再び村に現れる!


数週間の静けさが村を包んでいた。


おじいさんとおばあさんは、まるで何事もなかったかのように畑仕事に精を出し、飼い猫のタマもようやく押入れから出てきて、日向ぼっこを楽しんでいた。


「おじい、今日は静かだのぅ。」


「んだなぁ…やっぱ平和が一番だべ。」


おばあさんも、おじいさんの筋肉騒動が落ち着いたことで、少しは機嫌を取り戻した様子だった。


だが――。


「おじいさ~ん♡」


突如、村の静寂を破る甘ったるい声が響き渡る。


振り返ると、そこには見覚えのあるピンク髪の女性――ナナミが立っていた。


「ナ、ナナミン!?」


おじいさんの顔がみるみる赤くなり、おばあさんの顔色はみるみる青くなった。



---


ナナミはウインクしながら、おじいさんに駆け寄る。


「もう、私のこと忘れちゃったの?おじいさんの筋肉が忘れられなくて、また来ちゃった♡お店にも来てくれないしぃ~。」


おばあさんの握るクワがギシギシと音を立てる。


「おめぇ、何しに来たんだべ!」


ナナミは涼しい顔で答える。


「都会の生活費が高すぎて、もう少し田舎でお金稼ごうと思ってさ♡ でも、おじいさんの筋肉と一緒なら、どこでも頑張れそうな気がしてきたの♡それにね――**彼氏とは別れたの。」


その瞬間、おばあさんのクワが畑に深く突き刺さった。


「おめぇ、おじいをどこ連れてくつもりだぁ!?おじい、どうすっぺ!」


おじいさんは頭をかきながらも、まんざらでもない表情で答える。

「お、おらは筋肉の付き合いだけだっちゃ…。」


バキッ――!


おばあさんの額に青筋が浮かび、クワが畑にさらに深く突き刺さった。


村中に再び怒号が響き渡った。



---


ナナミの再登場に、村人たちも黙っていなかった。


「なぁ、あのナナミって都会から出稼ぎに来てるって話、ほんとか?」


「いやいや、あいつ、もともと田舎出身で、地元のスナックで働いでんだってよ。」


「それなのに、なんでこんな村さ何度も来るんだべ?」


「ナナミ、彼氏と別れたって言ってだげど、本当が?」


「いやぁ、週末になると都会さ消えるらしいぞ。あれ、絶対会ってるべ!」


「あの口のうまさだ、何言っても信用ならんど!」


「…どっちにしろ怪しいべ!あの夜の蝶、絶対なんか企んでる!!」


村の寄り合いではナナミ対策会議が開かれ、村人たちは一致団結しておじいさんを守る(フリをする)。



---


一方、ナナミは全く動じることなく、おじいさんにべったり。


「おじいさんの筋肉なら、都会でもきっとスターになれるよ♡一緒に行こう?私、応援するからさ♡」


おじいさんの目がキラリと光る。


「筋肉フェス!?それはすげぇなぁ…。」


おばあさんがすかさずツッコミを入れる。


「おめぇ、遺産狙われてんの気づけや!!」



---


しかし、事態は思わぬ方向へ。


ナナミの元彼氏が再び村に現れたのだ。


「ナナミ!!俺は別れない!どんだけ年上好きでも俺は負けない!!」


元彼氏はナナミに詰め寄るが、ナナミはケロッとした顔で答える。


「しつこい、おじいさんの筋肉は唯一無二なの♡あんたのヒョロヒョロな腕じゃ、物足りないのよ!」


元彼氏はショックのあまり膝から崩れ落ち、村人たちは大爆笑。


「おじいさん、筋肉で勝ったべ!」

「いやいや、筋肉だけじゃダメだっぺ!」

「おばあさん、しっかりしろよ!」


おばあさんはため息をつきながらも、クワを構え直す。


「おじい、おめぇの筋肉より大事なもんがあるべさ!」


おじいさんは一瞬考え込み、そしてニコッと笑った。


「んだな、おばあ、おめぇが一番大事だべ。」



---


ナナミはしばらくおじいさんに粘っていたが、最終的に村の団結力とおばあさんの圧に屈して去っていった。


「たまには田舎の空気もいいもんね。でも、目的は…もちろんおじいさん♡でも、今日はこのへんで勘弁してあげる!」


ナナミが去った後、おばあさんはおじいさんの肩を叩いた。


「次は筋肉じゃなくて、畑仕事でおらを喜ばせろや。」


おじいさんは照れくさそうに笑い、再び平和な日常が戻った――かと思いきや、数日後、またもやポケットから「ナナミン♡」のメッセージが見つかるのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ