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第五話 アヤカシ

ゴッサンの家にいる間、

俺はレベルアップも兼ねて、

狩猟を手伝う事にした。


くくり罠等の現実世界でしている狩猟方法もあるが、ゴッサンは弓と戦斧の遣い手であった。


バットン(コウモリ型のアヤカシ)や、マシカ(鹿のようなアヤカシ)、ラビトン(ウサギ型のアヤカシ)を次から次へと射抜き打ち倒していく。


パーティとして戦闘に参加してると見做みなされてるのだろう。


ゴッサンがアヤカシを狩る度に俺のレベルが上がっていく。


ゴッサンが狩猟へ行く俺に、

「お前武器持って無いのか。

よく今まで無事に生きてこれたな。」


そう言い手製の斧:ゴッサンの斧を手渡してくれた。


【ステータス】

名前:ハサン

職業:無職

レベル:4

体力:30

MP:5

攻撃力:3

防御力:2

ちから:2

強さ:1

運:1000

賢さ:1

スタミナ:3

特技:感謝力

武器:ゴッサンの斧


ゴッサンの斧は、とても軽い。

白樺の木に鉄の刃が付いたシンプルな武具ではあったが、剛力とは言えない俺の腕力でも十分振り回せた。


初めての戦闘はバットンとの戦いだった。


バットンは比較的雑魚モンスターに分類されるアヤカシと言ってもいいだろう。


序盤の経験値稼ぎには持ってこいだ。


ところが、俺の攻撃は難なくかわされ、

更にバットンの羽根の一撃で俺は容赦無く吹っ飛ばされた。


ぐあ!

針葉樹の木の幹に打ち付けられる。


動かない。殺られる!


瞬間だった。

「ギャピッ」

バットンの断末魔とも取れる鳴き声上げて地面へ落ちた。


バットンの後ろから斧が突き刺さり絶命したのだ。


ゴッサンがバットンが俺に気を向いているのを見計らい自身の斧を投げてバットンを倒したのだ。


アヤカシは強い。

雑魚モンスターだと思いナメたら殺られる。


ゲームとは違う。


ちなみにバットンの肉は筋ばって美味くないらしい。

 

代わりに美味いとされているのは、ラビトンというウサギ型のアヤカシだ。


ラビトンは、現実のウサギ同様とても素早く鼻が利く。


そこでブランデーで漬けた餌を置く。

普通のブランデーではなく魔法薬学を利用したブランデーだ。


この餌を食べたラビトンは通常の何倍ものスピードで酔っ払うのだ。


この隙にゴッサンは弓を引く。

為すすべもなくラビトンは狩られるという寸法だ。


ラビトンの肉はウサギ肉と同じように鶏肉に近い。若干野性味のある味がするんだが、それもお酒に漬けたりすれば臭みは取れる。


今回の漬けるお酒は魔法ブランデーではなく密造酒の方だ。

調理酒としても重宝されており、臭みを消すだけじゃなく味に深みを増す。


そして解体も大事な作業である。

内臓や皮、肉の部分を傷めないようにさばいていく。


俺は解体の技術も学ぶ事が出来た。

今後、アヤカシを調理したりする場合や皮を剥いだりする際に役立つだろう。


ゴッサンの家に世話になる事3ヶ月。


そろそろだな。

俺は旅立つ事にした。


ローゼに又会わなければならない。

会わなきゃならない。


何故かそう感じたからだ。


続く



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