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十八話 魔獣ケルベロスと聖騎士召喚の条件

現実の世界では今頃桜が開花している頃だろうか?


俺には妻子がいる。

急に疾走したかのように居なくなったから、さぞかし心配士になるに違いない。


俺は思い出した事が幾つかあった。


花粉症が出ない!

当然か。異世界なんだから。


俺は生まれた頃から重度のアレルギー持ちだった。


だから自然と鼻も詰まり、口呼吸になる。


だから歯も前歯が出っ歯気味にかるのだ。


ところが、後でローゼに聞いたところ、この『アレルギー持ち』である事も聖騎士ハサンとして召喚される条件にあるのだと言う。


【聖騎士召喚ハサンの条件】

①歯が出ている

②アレルギー鼻炎持ち

③自己破産している


全くふざけた条件である。


この三要素が無ければ召喚されても、聖騎士としての力は発揮出来ないのだという。


たまたまパチンコが好きで若い時に借り入れしてしまい、俺も自己破産していたから良かった物の、『債務整理』だったら聖騎士にはなれなかった。


つまり、ハサンの実の力を借りなければ化身出来ていないのである。


ハサンの実が有限であればこそ、自分の力で化身していかなくては、この先の強敵には、とてもじゃないが叶う筈は無いだろう。


それに加えてカブラギの血筋が後押ししたのであろう。


最初からハサン=鏑木凝流や、召喚士セシアの魂の助力があってこそ、

導かれてローゼの召喚術に乗れたのだ。


そして、もう一つ思い出したのが『魔獣ケルベロス』の存在だ。


現実世界では下僕(しもべ)として力を貸してくれていた。


俺がこちらにいるのであれば、

現実世界の家族にそこまで脅威は迫らないのではないか?


ピーニの結界も玄関にしているので、並のアヤカシでは入れないだろう。


俺は試しに『トホカミエミタメ』を唱える。


トホカミエミタメ

トホカミエミタメ

トホカミエミタメ


「ワオーーーン!」

わー!召喚出来た。


ケルベロスは、久し振りのご主人様との再会に尻尾を振って喜びを表現している。


よし!鬼に金棒だな。


※※※※※※※※※※※※※※※※※


待ち行く人に挨拶し声をかける。

この世界のレベル上げはアヤカシを浄化し昇華する事と、感謝する事であるようだ。


何故そこに気づいたか?


宿屋の親父や、待ちゆく人々に気持ちよく挨拶するだけで経験値が増えるのを実感したからである。


「お早う!」

「こんにちわ〜!」

「こんばんは〜」


今度のハサンは、何だか気さくよね〜


村の噂は直ぐに広まる。


ハサン伝説の英雄譚(えいゆうたん)から、大体春先になるとハサンや聖騎士を名乗る一行が出てくるとの事だ。


大体こういう便乗の輩や、売名の輩は愛想が悪いのだが、今回のハサンを名乗る聖騎士は挨拶がしっかり出来るし礼儀正しいので奥様に評判だった。


どうやら元々若作りではあったのだが、異世界で魂の世界からなんだろうか?


現実世界よりも若々しくみえるみたいだ。


さて、異世界マーラの生活も大分慣れては来たが、大魔司教ガリウス討伐の足がかりが全く見えない。


取り敢えず旧魔王城がサシマ国にあるとの事。

手掛かりは少ないが、先ずはそこに向かうと皆に伝える。


その前に、酒場の壁代と軍資金の問題を片付けなくては。


ん?ケルベロスが何か咥えてやがる。


あ〜!!テレビのリモコン!


かくしてテレビのリモコンを道具屋で売ってみたところ思いがけないお金で買い取って貰えたので、宿屋の破壊した壁代も無事に支払う事が出来ましたとさっ


チャンチャン♪


次回に続く!





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