4話
どうも今日は、目の前にぐーすかと寝息をたてている、クマのモンスターの目の前に居るカオスです。
餌をあげたらその場で寝てしまい悩んでおります。
今思えば、安直に餌を与えたの間違いだったのかもしれん。
だって、いつまでもここに居座れても困る。
いずれ狼さん達だって来るかもしれない。
その時にこの大きなクマのモンスターと戦闘になるかもしれないのだ。
かわいそうだが、寝ている間に倒すしかないのではないだろうか?
しかし、定番のモンスターとかだと毛皮が見た目以上に固かったり攻撃が利きにくい事もあり得る。
一番殺傷能力のある、薪割の斧を両手で首元にかましたとして、俺の力で有効打を与える事ができるだろうか?
ある程度の力はもらってるはずだが、俺の力は良く分らんのだよ。
困ったときは、そう拠点さんの能力を確認してみよう。
「と言う訳で、カモン拠点さん!」
いい加減、この言い方もどうにかならないのだろうか?
拠点のメニューに新たな項目が追加されてた。
何々、一定以上の親密度を確認、レッドベアーの幼体を使役できます、とある。
このクマでかいけどまだ幼体だったの?
すでに俺よりでかいけど。
まあ、俺の身長なんてこの世界に来て比べるもんが無いから分からんがな。
しかし、このクマさんペット枠なのか。
一応使役とあるので、こちらの命令には従うんだろうけど。
親密度が上がったって、お前どんだけチョロいんだよ。
まぁ、お腹を空かした子供みたいだしご飯くれたらご飯くれたら何でもいいのかな?
てか、親はどうしたんだろうか?
小熊だけが移動している時点で他のモンスターにやられた可能性もあるけど。
しかし、レッドベアーの幼体かぁ、現状茶色なんだが?
これから大人になるにつれて毛が赤くなるのかな?
まっ、考えても仕方ない。
とりあえず、ペットにしてしまおう。
拠点メニューの使役をポチッとな。
すると、レッドベアーの体が光だして、ホントの小熊サイズになった。
めちゃカワなんだが。
これなら俺でも抱きかかえれそうだ。
すやすや、寝ている小熊を拠点の中に抱きかかえて入れる。
早速だが、名前を付けてあげよう。
何がいいかな、将来的に赤毛のクマになるのだから強そうな名前がいい。
きっと通常の3倍の働きをみせてくれるに違いない。
しかし、俺にはセンスがない。
へんにカッコいい名前つけても呼ぶにくいのはダメ。
呼びやすい名前の方がいいだろう。
「よし、お前は今日からゴロウだ。よろしくな」
『レッドアー、個体名ゴロウの名づけを確認。これよりパスを繋げます』
突然、拠点さんからの無機質な声が聞こえる、こんな事は初めてだ。
パスがつながると、なんとなくゴロウとの繋がりを強く感じた。
敵意も感じないし、むしろこちらに対して安堵しているような気持ちが伝わってくる。
幼体だし、親もなくして、きっとモンスターといえど心細かったんだろうな。
今では、かわいい小熊のゴロウなので、これなら小屋の中に入れる事も出来る。
大きくなった無理かもしれんが。
一応拠点のメニューを確認。
すると、使役モンスターを休ませる小屋を作れるようになっていた。
しかし!まだモンスター小屋をまだ作る気はない!
せっかく何かしらのというか拠点の力で、かわいいサイズの小熊になったのだ、自分の小屋でモフるに決まっているでしょ!
俺は気分よく小屋に入り、寝息をたてている小熊をなでた。
モフモフ気持ちい。
でも、流石、野生。
くさいです。
起きたらこりゃ、しっかり洗ってやらねば。
しばらくモフモフを堪能して、風呂の準備をしていると、ゴロウが起きたようだ。
俺を見つけると嬉しそうに近寄ってきて、体を摺り寄せてくる。
今のサイズは俺の膝ぐらいなのでとてもかわいい。
「お前の名前はゴローだぞ、今日からよろしくな!」
俺の言葉が伝わったのか、ゴロウは嬉しそうにより引っ付いて来る。
「じゃあ、ゴロウ。まずは体を綺麗にしような」
そのまま、風呂場の洗い場で、お湯をかけて行く。
その後、拠点に備え付けられている石鹸でゴロウを洗って行く。
現れてる時のゴロウは大人しく、なんだかとても気持ちよさそうにしていた。
さて、綺麗になったゴロウと一緒にちょうどいい時間に昼頃になったので、食事を作って食べている。
一人で食べるより、やっぱり誰かと一緒だとなんだか違うね。
食べた後は、ゴロウをモフりながらゆっくりと昼寝した。
ゴロウの臭さも無くなって、よりモフりがいがあったよ。
体感的に3時間は寝ただろうか、まだ太陽の位置は高い。
さて、なにするべ?
ゴロウも起きて、床でゴロゴロしてくつろいでる。
特にやる事もないなぁ。
と、思っていると急に拠点のメニューが開いた。
急に現れたらビクッとなったわ!
今まで呼ばなかったら出てこなかったのに何があったんだ?
とりあえず、確認するとそこには、『樹木が育ちました』と。
はて?苗木なんか植えていないんだけどなぁ。
もしかして、タネを植えたところかな?
外にでると、そこには立派な木が育っておりました。
しかも、実も付けております。
どう見ても桃です。
拠点のからできたやつだし、食べても大丈夫だろう。
もぎ取って桃をそのままガブリ。
「うまー。やっぱり桃やん。でも今まで食べた中で一番うまい」
俺は、基本桃は軽く洗って皮ごと食べる派なんだよね。
皮をむくのが面倒と言う事もあるけどな。
桃農家さんも昔テレビで言ってた気がするし。
ここはファンタジー世界だし、農薬などもない使ってないから安心安心。
ゴローも物欲しそうに先ほどから俺の足をあまがみしてるからゴロウにもあげよう。
「ゴロウ、中にタネが入ってるから、タネは食べたちゃダメだぞ」
ゴロウに通じたのか、うなづいてるように見えるからゴロウにもあげたらうまそうにムシャムシャとおいしそうに食べている。
そして、ちゃんとタネはペッと吐き出した。
「よしよし、えらいぞ~。もう1つあげような」
俺とゴロウは満足いくまで、桃を食べた。
まあ、ゴロウの方が大分食べていたので、お腹とか壊さないように祈っておく。
うむ、夕飯の前に食べたから今日の夕飯は軽くでいいだろう。
デザートに桃をもう一度食べよう。
そこに、脳内に拠点さんの無機質な声のアナウンス。
『仙丹の効果により、気を扱えるようになりました』
いやいや、ファンタジー世界で魔力じゃなくて気が使えるのかよ。
それより桃って仙丹なの?
古い中国のお話しとかに出てくる不思議な気力が満ち、病やケガなども治すという、伝説の実なの!?
こんな簡単に手に入れたけどもここは、ファンタジーな世界。
うん、まぁ、いっか。
有って困るもんじゃないしな。
むしろ、あれば助かる方が多いだろう。
しかし、これを無暗に人間などにはばれない方がいいな。
なんか、争いごとに巻き込まれそうだしな。
果たして、人と出会う事があればだがな!
今の所、人型といえばゴブリンさんしか見てないしね。
早く、テンプレ的に冒険者か、森の中だから綺麗なエルフとか出てこいよぉ。
とりま、気を取り直して、『気』とやらに集中してみようか。
何となくだが、体に力の塊のような物が感じられる。
さっき、拠点さんの声にも『扱える』とあった。
だからだろう、どう力を動かせばいいのか自然にできる。
これが、チートというズルなのだろう。
ここは、素直に受け取っておこう。
腰を落とし、腰だめにした、右の握りこぶしを前に突き出す。
すると、ゴッという一瞬の風を切るような音と共に、拠点の外にあった木の幹が豪快に削れてメキメキと音を立てて、崩れていった。
俺も、ゴロウも一瞬、ポカーンっとしてしまった。
こんな威力あんの!?
もしかして、仙丹の桃を沢山食べたからか?
よし、これからも一日1つは食べるようにしよう。
有って困る力じゃないし、何より初めての遠距離攻撃を手に入れたのだ。
拠点
ゴブリン兵士(封印中)
仙丹の木
使役獣 ゴロウ(レッドベアーの幼体?)
主人公
精神耐性
気