2話
さてさて、ゴブリンさん達はジャガイモの粉まみれにしてどうするものか?
切実に武器が欲しいです。
近くに行くのも嫌なので、槍とか弓とか、現代兵器の拳銃とか欲しい。
ファンタジー世界に近代兵器最高です。
えっ何?ファンタジーに近代兵器は世界観を変えるからダメ?
そんな事より、楽して生き延びたいんよ。
ファンタジーだから何でもありだと思うんです。
でも実際そんな武器は手元に無いわけですけどね!
とりあえず、お腹がすいたのでご飯でも作るかな。
太陽の位置的にもうお昼ごろだと思う。
季節があるのか分からんが今は寒くないし。
えっと、食材は何があったかな?
え~各種見た事あるような野菜と、バケットがあるね。
お米は無しッと。
これもファンタジー定番、お米無いパターンですね、お疲れ様でした。
とりあえず、すぐにでも食べれるように野菜炒めとバケットでも食べるか。
包丁で各種野菜を適当に切ります、フライパンに油をひいたら、野菜を適当にぶっこんで炒めて出来上がり。
男の料理なんて、焼いて食えれば何でもいいのだよ。
料理得意じゃないし。
そして、食べて思った事は、
「味付けないやん!ほのかな野菜の甘味しか感じんし、バケットともあんまり合わん!」
だが、食べるしかない。
後で、探したらちゃんと塩はありました。
ちゃんと探さないといけませんな。
お腹も膨れたのでとりあえず、もう一度拠点のボードを見る。
「カモン、拠点さん!」
すると再び半透明のゲームチックなボードが現れる。
呼び方、何とかならんのかいな。
えーっと、何故かポイントが10ポイント増えてる。
行動によっても増えるってあったもんな。
俺がした事って?
ゴブリンさん達にジャガイモ投げた、ご飯作って食べた。
何かしらのタイミングでポイントが入ったんだろうな。
さて10ポイントでできる事は?
・・・何もありませんでした。
何かロックかかってます。
せめて、何ポイント貯めたらロック解除できるとか目安ぐらいあるもんだろうが!
ふがー!
まことに遺憾の意を表しております。
なんて、政治家っぽく思ってみたりしたところで現状が変わらんのじゃい!
なんて思っていたら、外が騒がしいな。
ゴブリンさん達が何やら騒いでる様子。
いい加減どっか行ってくれないかなぁ。
ドアを開けてみると、あらビックリ、ゴブリンさん達バーサス狼らしき集団の戦い始まっております。
魔物同士戦うんだね、狼集団らしき方が優勢ですな。
おおー、狼さん達は連携を取って、ゴブリンさん達を次々にやっつけて行く。
ゴブリンさん達も流石にそこらで拾った棒切れでは対応できないようだ。
次第にゴブリンさん達は狼たちに全滅させられた。
うん、むごい。
そして、こちらに気づいた狼さん達がこちらに牙を向けてうなっているが、こちらに近づけない事がわかったのか、リーダーらしき一際大きな黒い狼が『ワォン』と鳴くと他の狼さん達はその場で食事を始めた。
もちろん、獲物は先ほど倒したゴブリンさん達。
見ていて中々グロいです。
自然の行為とは言え、近くで見ると中々堪える。
正直、吐きそう。
拠点の小屋に入ろうとした時。
脳内で、『ピロロン、精神耐性を獲得しました』っと声が聞こえた。
突然聞こえるものだからビクッとしたわ!
これも定番のスキルというものなのかな?
もう一度、狼さん達の食事風景を見ると、なんてことでしょう!
先ほどまでの気持ち悪さがありません。
こんなに早く順応できるとは流石ファンタジーです。
狼さん達もこちらを気にしているようですが、敵意が無いと分かっているのか食事に夢中です。
うるさいゴブリンさん達いなくなってこれで静かに過ごせそうです。
しかし、狼さん達の顎は狂人ですね、骨ごとバリバリと食べています。
間違いなく、立ち向かえばゴブリンさん達の二の前になる事間違いありません。
ぼーっと見ていると、食事を終えた狼さん達の黒い狼リーダーがこちらを見てます。
何かの動物番組で見た事が有ります。
こういう時は目を逸らした方が負けだと。
俺は安全地帯に居るので全く問題ないので、にらみ合いが続きます。
5分ぐらいしたら黒い狼リーダーが目を逸らして、どこかに群れを引き連れてどこかに行った。
うむ、俺の勝利だな。ふっ、所詮犬ころか。
ごめんなさい、嘘です。
めっちゃ怖かったです。
とりあえず、脅威は去ったはずだ。
近所迷惑なゴブリンさん達の騒音も無くなってたので一安心です。
とりあえず、狼さん達によるによるゴブリンさん達の狩りは終わり、腹もみせたみたいなだし大丈夫だろう。
傍観してるだけで、大分時間がったようだ。
さて、夕飯でも食べて寝るか。
夕ご飯、しっかりと野菜炒めに塩振りかけてバケットと食べた。
うん、塩は大事だな。
今日はもうねるかね。
電気もないと思われるこの世界では日が落ちたら暗くなる。
ましてやここは、どこぞと知れない森の中。
明かり、ランプがあるが、現代の光に比べてとても暗い。
布団に入っておやすみなさい。
今日は色々と会って、精神的に疲れた。
寝入って、何時か分からないが、辺りが暗くなった時に遠吠えが聞こえた。
昼間の狼さん達だろうか?
今日は満月なのかな?
てか、音が結構近くないか?
恐る恐る、小屋の窓から外をのぞき込む。
森の中に月の明かりに反射された瞳が無数にこちらをうかがっている。
怖えよ!
多分、ゴブリンさん達をやっつけた狼さんだと思うがなして戻ってきたんだ。
俺は不可視の壁が守ってくれていると思い。一応、キッチンの包丁を持って外に出た。
すると、森の中から昼間の狼さん達の集団だと思う。
狼さん達の見分け方なぞわからんしな。
だが、リーダー格の一際大きな黒い狼さんがいるから多分間違いないだろう。
リーダーの黒い狼さんはこちらに近づいて来ている。
小さな子供の狼を加えて、俺は緊張しながらそばに来るのを待った。
不可視の壁があるおかげて、ある程度の心ゆとりがある。
黒い狼リーダーは不可視の壁に気づいたのか、それ以上進めないでいる。
だが、瞳はこちらを見ている。
何を思ったの加えていた子供の狼を側に置いた。
俺は攻撃されないように、不可視の壁がある近くまで近づいた。
どうやら、リーダーの黒い狼さんの子供なのか、その小さな狼も黒っかった。
そして何よりケガをしていた。
これは、俺に治療をしろ伝えているのだろうか?
俺が戸惑っていると、リーダーの黒い狼はその場で座り、子供の狼のなめている。
どうやら、子供の黒い狼は足を怪我しているようだ。
そして、黒い狼さんはまた、こちらを見ている。
うーん、やっぱり治療しろって事かな?
幸い小屋には使えそうな包帯やら、傷薬らしきものもある。
昼間に近所迷惑なゴブリン達をやっつけてくれたのだからこれぐらいの恩返しはしてもいいか。
とりあえず、持っていた包丁をしまい、小屋に戻って包帯と傷薬を持ってくる。
多分、治療さえすればこちらに危害は加えないはずだと思う。
狼って確かかなり頭がよかったしたな。
こちらの世界の魔物がどうか知らんが連携を取るぐらだし、大丈夫だろう。
俺は、なるべく刺激しないようゆっくり近づいて行く。
これが罠だったら諦めるしかない。
それでも、この黒い狼リーダーは信用してもいいような気がする。
わざわざ、大事な子供を人間の前に連れ来る事なんかないだろうしな。
俺は、子狼を抱きかかえ、一応不可視の壁の中に避難して、その場で治療をする。
子供の狼は足に噛み傷がある。
親が狩りに行っている間に他のモンスターに襲われたのだろう。
俺は、まず傷薬を丁寧に傷に塗っていく。
驚くことに流石は神様らしき人、まあ、この際あのご老人は神様的な何かだど思うので神様でいいだろう。
髪さ様印の傷薬はみるみる内に子供狼の傷を治していく。
感染症も心配ないだろう。
不思議な薬だし。
しかし、包帯必要なかったな。
子供狼は不思議そうにしながら自分の体に起こった事を理解しているのか、していないのか、とりあえず痛みが引いて、自力で歩ける事に気づいたようだ。
嬉しそうに俺の周りをキャンキャン鳴きながら走りまわる。
「よかったな、傷が治って。お前の親がちゃんと連れ着てくれたおかげだぞ。これからは気をつけろよ。さ、親御さんも心配してるみたいだし、帰りな」
俺の言葉を理解しているのか子狼は黒いリーダー狼のもとに走って戻っていった。
しかし、自分の意志でなら不可視の壁の中に入れる事ができるんだ。
これは新たな発見でもある。
まあ、人を騙すようなモンスターもいるかも知れないから気を付けないといけないが。
狼の群れは、子供の回復を確認すると森の中に帰って行った。
とりあえず、真夜中の来客はこれでもういないだろう。
さて、改めて寝るとしますか。
主人公
精神耐性、獲得