プローグ
さて、思いつき、趣味全開、稚拙な書き方。誤字脱字は暖かく見守ってね。
久しぶりの物語の始まりです!
俺は社会の荒波に飲まれて次第に心傷にを負った。
何も症状が悪くないのに眩暈、おう吐、電話に出るだけでえづき、一時は玄関を見るだけで嘔吐を繰り返した。何とか病院に行き、診断されたのは典型的なうつ病。
ストレスが溜まりに溜まり、心の許容範囲を超えたのだ。
しかし、投薬やカウンセリングのおかげで、ここ数年のうち大分良くなり、社会復帰に向けて軽めのアルバイトだけなら何とかこなせるようになった。まぁ人に極力関わらずに済む、一時間ほどの仕事だが。
今日も仕事に向かう途中だった。
何の変哲もない、事故にあったわけでも、死んだ覚えもない。
なのに、気が付いたらどこぞのホテルの一室のような場所のソファーに俺は座っていた。
頭にはてなマークが沢山つき始めた頃、扉から人が入ってきた。
それもスーツを着た黒服の人が4人、その真ん中に立派な髭を生やした和服姿のご老人が入ってきた。
「初めまして、名も無き者よ。今の状況に混乱してるであろうが、ま、そこは気にするな」
と、ご老人はそういうと俺の向かいのソファーに座り、例の黒服の4人は老人の座るソファーの後ろに2人、俺の後ろに2人立つ。
いきなりの状況に俺は、既に気分が悪くなってきて、今にもえづきそうだ。
だが、はっきり喋る事も必要だ。
治療のおかげで、俺の鬱も大分マシになっている。
「あの、私はどうなるんですしょうか?それと名も無き者といのは?」
「ふむ、己をあまり見失っておらんようじゃな。いい事じゃ。ワシも聞き返そう。お主、名前は?」
「私の名前は、・・・あれ?思い出せない」
「普通は、名前だけでなく、自己の保全もできなくものなんじゃやよ。しかしお主は違う。精神的な負荷があるにも関わらず、名前だけで済んで居る。魂が強い証拠じゃな」
「はぁ、それで私はどうしてこちらに?」
明らかにやばそうな感じだし、それに黒服の人たち怖いし。
「強制的にこちらに呼び出した」
和服の爺さんはそれだ言うと、いつの間にかテーブルの上に出されていたお茶を飲んだ。
いつの間に茶?さっきまで何もなかったぞ。
これは誘拐だろうか?それともただの素人ドッキリ?それにしては大がかりすぎだしなぁ。
考えてる途中に爺さんが又しゃべりだした。
「お主これから世界を渡れ。これは決定事項じゃ」
「世界を、渡る?ですか?」
「別の世界で自由に生きよ、そこで何をしても構わん。善人になろうが悪人なろうが好きせえ」
「はい?言ってる意味がわからないんですか?」
「ん?お主ら好きじゃらう?異世界転移。剣と魔法のファンタジー世界」
「いやいや、あれは物語だからいいだけで、実際にはそんな世界で現代っ子が生きていけませんよ」
「だからお主が行くんじゃが?」
意味分かんないです。
何で俺?お約束的にはこの和装の爺さんが神様で何かしろの恩恵を俺に与えてくれて、異世界無双できるんだろうけど、そこまで異世界にあこがれもない。
物語的に描写が無いだけで、色々と現代に生きる俺には無理な気がする。
冒険譚なんか物語を本や映像で見るだけでいいと思うんだよ俺は。
「えっと、辞退させていただきたいのですが」
「無理。ワシが決めたからには決定事項なんじゃよ。何、ちゃんとある程度の願いは聞いてやる」
これ、詰んだ。
どうしよ?異世界って事は今までいた日本より治安も悪いし、命の価値も低い。
倫理観も違うだろうし、マジで生きていける気がしないんだが。
「えっと、じゃあ、まずはその世界に渡るに至って、いきなり死ぬの可能性もありそうなので、危険が無い拠点を下さい。あと、生活に不自由なく生きていきたいです。もちろん自分の実を守れる力も欲しいです」
「ふむ、まあ、それぐらいならいいじゃろう。後はお主次第で力がつくようにしておけばよかろう」
良かった。何とか当面の安全は保障されそうだ。
「それでは、お主に名を授けよう。お主の名はカオスじゃ。ここからお前の世界が始まる」
えっ、めっちゃ厨二くさいでんけど。
「それでは行って好きに生きてこい。よし、お前ら連れ行け」
そういうと、初めて黒服4人が動き出した。おもむろに俺の体を押さえつけ、一人がホテルの窓を開ける。
えっと、まさかそんな感じで行かされるんですかね?
考えてる間に黒服は無言で俺を持ち上げ窓からぽいっと投げ捨てた。
「予想はしてたけど、もっとましな送り方があるだろうがぁ!」
そこで俺は窓から落とされながら叫んだ。
***
俺を投げ捨てた後、黒服の一人が和服の老人に声を掛けた。
「これで、本当によろしかったのですか?大事な人材であったとおもいますが」
「ああ、あ奴はこれから立ち直り、地球に多大な貢献をして名を残し、より高度な文明を起こす中心人物になる予定であったが、まだ地球に住む者達には早すぎる」
「しかし、彼が居れば星の寿命も延びたでしょうに」
「そうじゃな。しかしそれには奴だけが気づき、それに大勢の者達が付き従うだけじゃ。この星に住まう生命そのもののほとんどが気づかなければならん事。あ奴がおれば救われる命もあるじゃらうがそれだけでは星の進化には役にたたん。それならばいっそ滅んでもよい。どれだけ時間がかかろうがな」
「あなた様がそう言うのでした。間違いではないのでしょうね」
その言葉を皮切り彼、カオスの為に用意された空間は老人と黒服たちと共に消えていった。