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エピローグ
続歴1556年
―――――遡ること500年前。
天上にはたくさんの神々がおり、聖なる力が溢れていた。しかし、陽あるところに陰があるように、聖なる力が溢れれば溢れるほど、陰なる力も増大になっていた。
ある村の青年はそれはそれは頑強な体を持ち、強力な握力、遠くまで見渡せるほどの千里眼、無尽蔵の陽力を持ち合わせており、身体能力のセンスもあった。
その頃、陰からできた強大な陰力を持つ魔王が誕生した。
魔王の1番被害を受けたある王国は国中から屈強な戦士を集め、魔王討伐を命令した。その報酬は目を見張る程であった。
村の青年も、当然魔王の影響を受けていた。また、叶えたい夢があり、王からの報酬を狙って魔王討伐に参加した。青年は類いまれなる力を最大限発揮し、魔王を打ち破った。
王はその栄誉を称え、褒美を与えた。
褒美とは王の娘である、第1王女の降嫁と多額の報奨金であった。
しかし、青年には心に決めた人がいた。王からの圧力を振り払い、青年は褒美を受け取らず、どこかへ消えていったという。
『ルヴァルア英雄記』より