03 あの神様、迷惑にもほどがある。
こちとら、居場所のない世界を抜け出してこっちの世界で気ままに暮らすってのに、そんなもんいるか!
だって絶対挑みに来るやつとか、仕事の依頼とか絶えないことになるでしょ。
と考えながらあの神様を少し恨んでいると、
晴香が紙を持ってきた。
「これ、ステータスプレートをポケットから出した時に落ちましたよ。」
それに書いてあることを読んでみると
「能力、なんでもいいって言ったから私の力を受け取ってもらったよ!だって神になると死なないからもう12万年くらい神やってたんだけど、飽きた。もう飽きたー。だからこの力譲りまーす。ま、代わりと言っては何だけど力が使いこなせなければ左ポケットに入ってるの使ってねー」
とある。
おいちょっと待て。ふざけんなよ!責任放棄じゃねえか!
まぁでもゆっくりスローライフを送るときには便利っちゃ便利かもしれない。
でも神様だってことを隠しながら生活しなくちゃならないけど? って考えると不便にもほどがあるでしょ!
前にいた世界で言えば、「テレビが付かないなぁ」なーんて言ってテレビをたたこうものなら家ごと大崩落ですけど?!
そんなことを思っていると
「あ、これを指にはめるんじゃないですか?」
といって晴香がわたしの左ポケットから出した指輪をわたしの右人差し指にはめた。
「なるほど!これをはめると力を制御できると。」
「みたいですね。ていうか私の能力は錬金術ですか……。便利かもしれませんが愛美のステータスは攻撃力一つとっても私が3200なのに対してそのちょうど200倍はありますね。」
「あは、そうみたいだけど……日常生活に支障出ないといいなぁ。」
「まあとにかく町に行きましょう! あ、そうそう町を吹き飛ばさないでくださいね。」
「あ、うん。」
とまぁわたしの飛んでも能力がわかったけど、
こうして町に行くこととなった!
町には着いたものの、食べ物どこかな?
すると、どこからかこおばしいにおいが!
あ!あそこのカフェからみたい!
というわけでわたしと晴香は吸い込まれるかのようにカフェにはいった。
メニューを見ている限りこっちの世界は字は違うみたいだけどちゃんと読めるようになってるっぽい。
「えっと、ランチセットでー!」
「あ、私もそれでお願いします。」
「わかりましたー。」
懸念していた言葉も通じるみたい!
そして少し経つと
「ランチセットでーす。」
あ、来た。
さてと食べてみますか!
もぐもぐもぐ
お!これ普通にいける!このクロワッサンとか正直前いた世界のものよりめちゃおいしい!
わたしも晴香もあっという間に食べ終わってしまった。
お金を払いお店を出て、次は町のどの辺を散策しようかと考えていると
「お嬢ちゃんたち、冒険者協会に入らないかい?」
うしろから声がした。