02 神になりました。
そしてわたしが目を開くとそこは木製の家だった。
床には絨毯があり、暖炉も完備している。
内装は完璧だね!
横にはもちろん晴香がいるし! それ関係ないか。
晴香とはお互い顔を見合わせたけど、とりあえずわたしは外を見るために外に出た。
あ~、うん。
町の少しだけはずれの草原にこの家は建ってるみたい。
気持ちはいいけど、立地微妙じゃない? もうちょっといい立地の物件はなかったわけ?
なんて思っているとうしろから声がした。
「とりあえず、いったん所持品とかを整理しませんか?」
「うん、そうだね。」
そう言ってわたしたちは備え付けのテーブルの上にお互いの所持品を出し合った。
うん。ほんとに神様、最低限のものしか持たせてない!
あえて言うなら、この黒と紫の服意外とかわいい。そして持ってるんじゃなくて着てた。
ちなみに晴香の服は黒と赤紫だ。神様が言ってたことよりサービスしてくれたのはこれくらい。
この悲惨な現状を見て、とりあえずわたしたちは武器である剣と、お金を持って町に行くことにした。
「こちらの世界でも言葉って通じるのでしょうか?」
「あ、確かに。でもアニメとかだと大体何とかなるけどね~。」
なんて話しながら町に向かっていると、目の前にオオカミが現れた。
しかも角とでかめなキバのトッピング付きで。
「えっちょっどうしよう?」
「そのために武器があるんですよー!」
晴香が言う。
仕方ない、この剣で斬れるのかな……?
嫌だと思いつつも……。
やるしかないよね。
だって、この追いかけっこはいつまでも続かないし。たぶんそろそろかみつかれて死ぬし。
晴香にやらせるわけにはいかないしね。
「えいっ」
わたしはオオカミに切りかかった。
その瞬間、
ドカーーーーーン
というお腹に響き渡るような音とともに、わたしが剣を振った方向に大きな渓谷のようなものができた。
うっそ!
っていうか街の方向じゃなくてよかったーー!
というより神様、あんたわたしにどんなスキルつけたの?
いやいやいや。
ちょっと待ってくれ……。
「ス、ステータスプレートを見てみましょう?」
さすがに晴香も動揺が隠せないみたい。
まあ、そりゃそうだよね!だって目の前で「よっこらしょ」みたいなかんじで渓谷作るの見たことないもんね!ましてやオオカミが木っ端みじんになったのとかビビったよね?だってわたしもビビったもん。
私は黙ってステータスプレートを見た。
すると
アチーブメント 『神』
とある。
おい、ちょっと待てどういうことだよ、神様ー!