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このペースで更新したい(願望)

 この世界では魔術は才能により大きく差が出てくるものの一つだ。


 後天的に魔力、技量の上昇は見込めるがまず前提として魔力を感知することが必要となる。見えないものを絵に描くことができないように、魔力を感知できないものはいくら優れた魔力を保有していようと魔術を行使することはできない。


 魔術は絵を描くことによく喩えられる。世界に存在する絵の具の元、それが魔力だ。その魔力を生物が取り込み自分の色として染めることにより魔術として利用可能な保有魔力となる。


 保有魔力はそれぞれ属性として6種類があり色で区別される。赤、青、緑、黄、黒、白であり色による力の優劣はなく、文化として人族は白を宗教的に尊く捉える傾向はある。


 その属性を持っていたとしても他の属性の魔術を基本は使用することができるが、たった1種類の保有魔力は他の属性を扱うことはできずその属性を他の色では使用することができない。


 その色は『黒』である。


 ※ ※ ※


「さて走った距離からしてこの辺りだと思うが、そっちは何か見当たらないか?」


 二人は先ほどスケルトンを倒した場所から移動しグローワが遭遇したという場所で周囲を探索していた。逃げるために手放したナタを回収するためにもあるが、中層にしか出ないはずのスケルトンが何故いたのかの理由を少しでも調べる為でもあった。


「そうですね、少々気になったことが」


「なんだ。俺は魔力を感じれないからその方面か?」


「ええ、浅い場所ではあり得ないほどの魔力が満ちています。濃度は深層手前の中層ほどでしょうか」


「おいそれって」


「遭遇したのがスケルトンで運がよかったですね。場合によってはレイスやデュラハンといった手に負えないものの可能もありましたよ」


 スケルトンは物理的な攻撃は効きにくいだけで倒すことができないわけではない。先ほどでも木の盾でグローワが倒して見せたのは他にも要因があるが倒している。


 しかし、今名前を上げたモンスターはいくら工夫を凝らしたところで今の装備では対処できない。物理できな攻撃はすり抜け、相手からの攻撃はただの盾では防げない。運が良ければ自分がいた痕跡を他の探索者が見つけてくれるかもしれない、その時には物言わぬ屍になっているだろうが。


「それで俺の探し物は見つかったか?」


「さぁ?私は魔術師なので偵察や探索は不得意です、グローワさんはそういうの得意でしょ」


「好きで得意になったんじゃない。しょうがないそっちは諦めるか、もう少し周囲を調べたらすぐに離脱するぞ。お前が居てくれてるとはいえこの場に長居をしたくない」


 モンスターは一定以上の魔力がある場所でしか存在しないことが確認されている。世界中の至る所に魔力は存在しているが、神域には通常の生活圏とは比べ物にはならないほどの濃度がある。


 その濃度が上昇すればするほどモンスターは強力に、より強固になっていく。魔力の濃度を明確な菜境目として目にすることはできないため出現する種類により浅いだったり深いだったりと区別をしていくだけである。


 その中でも中層以降は探索者でも明確に難易度が変わる。故に中層とは探索者の選別という者もいる。


「ちなみになんですが、いつもみたいに一人で行動してましたよね。他の魔術師と途中までいて置いていったとかありますか」


「俺はいつも通り一人で探索してるし魔術師を一人で置いてくなんて酷い真似お前以外に出来ねぇよ」


「なるほど、どうやら奇妙な魔力痕があるのはグローワさんには関わりがなさそうですね。今回の件も騒動の発端だと思ったのですが」


「なんでもかんでも俺が関わっていることにするな、しかもちゃっかりカマ掛けするな!」


 魔力痕。絵の具が地面に溢れればその色が残るように魔術を使用した後には痕跡が残る。永久に残るものではないが使用された魔術の種類、強さによっては個人特定も可能なほど特徴があるものは稀ではあるが存在もした。


「この魔力痕、魔術と魔道具を使ったように残っていますけど。魔術には変なところがないのに魔道具には違和感しかない。まるで……」


「まるで?」


「一度だけですがこのような痕跡を見たことがあります」


 もったいぶった言い方に嫌な方面での勘が働いたのか聞きたくなかったが、そんなこともお構いなしに放った言葉に放心するしかなかった。


「運が良かったですね、まさかこんなところで神具を見ることができるかもしれませんよ」


 俺はどうやら今日はとことん女神様に見放されているようだ。

説明的な文が多いですが読みにくければ感想いただけると改善を目指します!

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