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魅惑の果実は危ない香り  作者: デラぽん
1/12

アウトだよねぇ?

当面の目標は50話は書ききる!

目を覚ましたら、そこは森の中だった。手元には『ここ異世界。魔物います。頑張って』と片言すぎる文が書かれた紙が一枚。


「おかしいよねぇ…お酒飲みすぎちゃったかな?」


うーん…どうしようか。とりあえずタバコタバコ…あーもう3本しかないねぇ…


そんなことを考えながらも、上半身を起こしてライターでタバコに火をつけながらこれからの事を考える。


「あ、そういえば携帯…ないねぇ…」


後ろポケットにあるはずの財布もないねぇ。


「うーん…おじさん38にもなってサバイバルすることになるとは思わなかったなぁ…今の現代っ子なら財布も携帯もなかったら大変なことになっちゃうよねぇ?」


偏見過ぎかな?あっはっはっ!!


現実逃避しちゃってるねぇ…でもそうなっちゃうよねぇ?とりあえず動いて人を探すのがいいかな?


「あー、迷子になりませんように…おじさんなのに迷子になったら小学生に知られたら笑われちゃうよねぇ…」


だけど、無駄に歳を重ねている訳じゃあないんだよねぇ?例えば、地面に落ちているなるべく尖った石を拾って木に傷を付けていく。

するとあら不思議、真っ直ぐ進むことができるんだよねぇ。本当は蔓とか長い紐状の物があるともっと確実性が増すけど…この辺りにはないねぇ。


仕方がない…あるものだけでどうにかするしかないからね。やれやれ川でも見つかってくれると嬉しいんだけどねぇ…


………


…………………


「ようやく森の外だねぇ、川は見つからなかったけど…たまには行き当たりばったりというのも悪くないもんだねぇ」


でもやっぱり年には勝てないね…おじさんもうヘトヘトだよ。食料は森で見つけた何ともヤバそうなキノコとリンゴに似てるけど色が黄色な果物だけだよ。


これ、食べられるのかねぇ?


見つけた時にパッチテストはしてみたけれど、特に何もなかったし食べられなくは無いんだと思うんだけどさ…色味が毒ですよと言わんばかりなんだよねぇ…


因みにパッチテストっていうのは、本来はアレルギー反応を見る為のものなんだけど毒の有無も判別できちゃったりする簡単で便利な方法なんだよねぇ。


まぁ、確実ではないんだけれどね?遊びで試しちゃったおじさんは大変なことになったよ…


閑話休題。


んー…食欲は湧かないけれど。


「でも、背に腹はかえられないよね?」


とりあえずキノコは直火で焼きたいから火を起こさないとねぇ。


火の起こし方については色々あるけれど、やっぱり有名な所なら弓切り式じゃないかなぁ?


必要なもの、ブーツの紐(自分の靴から用意)、折れにくそうな木の枝(森で拾える)、木の板二枚(太い木の枝で代用)、あと忘れちゃいけない火種から引火させる為の枯れ草(森で拾える)


でもね、おじさんこんな説明してるけど…


「ライター持ってるんだよねぇ?」


ふふふ…ん?悪い顔をしてる?気のせいだよ。おじさんは優しいほのぼの系なおじさんだからね。


ということで焚き火完成。


いやぁ、苦労したねぇ…主に枝を見つけてくるのが。こういうのは若いのにやらせるのがやっぱりいいよねぇ?


まぁ愚痴はここまでにしておいて。


まずキノコは直…より少し離して遠火でじっくりと…バターで焼きたいねぇ…はぁ。


果物はそのままかじればいいかな?あ、でも皮に毒があったら…そこまでだよねぇ?


大丈夫大丈夫人間そんなやわじゃないよ、イケルイケル。


ふふふ、手が震えてるねぇ…勿論武者震いさぁ。


いただきます。


「モグモグ……ん?!」


え、すっごい美味しいこの果実…見た目に反してかなり甘々だよ…蜜たっぷりのリンゴより甘いんじゃないかなぁ?それにシャキシャキしてて瑞々しい…おじさんはもうこの果実の虜になってしまいそうだぁ。


おっと、そんな事をしていたらキノコがいい具合に焼けているねぇ…


おお、匂いは凄く良いねぇ…では早速。


『それは…食べちゃダメ…』


おや?誰かおじさんに話しかけたかな?

んー、周りには誰も居ないはずだけれど…はっ、まさかおじさんホームシックによる幻聴が聞こえてきてしまったのでは…ありえないねぇ。


いくらおじさんが軟弱そうだからってそこまでメンタル弱くはないんだよねぇ?


ふむ、つまり…


………


……


なんだろうねぇ?


んーでも一応聞いておいた方がいいかもねぇ…勿体ないなぁ。勿体ないおじさんが出てきちゃうよぉ…あれ、おばさんだったっけ?


「んー…仕方ないかなぁ…諦めようかぁ。しいたけが食べたくなってきちゃったよ…バター焼きの…」


チラッ。


「あー…食べられないとこのキノコ食べてしまいそうだねぇ…」


チラッ。


『……』


おや、おやおや?こ、れ、は…


「しいたけのバター焼きが出てきたねぇ」


では早速いただきます。


……


「んー、懐かしの故郷の味…」


この際の故郷は実家ではなく地球を指す言葉なんだよねぇ?


『感謝は?』

「おじさんをここに勝手に連れて来た分はまだ払い終わってないと思うんだよねぇ?」

『そう…かも…?』


当然だよねぇ?多分今話しかけてきてるのってラノベとかで言う神様とかだと思うんだけどやっぱり話は通しておいてほしかったよねぇ。


『ごめんなさい…』

「うんうん、素直に謝れる子はおじさん好きだなぁ」

『神様になりたてだから…分からないこと多いの…』


神様になりたてってあるんだねぇ…おじさんは物凄い事実を知ってしまった気がするねぇ。


「それでおじさんは何をすればいいのかな?」

『特には…無い…』

「え、ないの?」


おじさんちょっとこれは予想してなかったよ…何も無いのに連れてこられちゃったのかぁ。


『貴方の願い…』

「あぁ…なるほどねぇ」


そういう事だったんだねぇ…なら、そう言ってくれればよかったのにねぇ。


『あまり喋るの…得意じゃない…』

「だろうねぇ」


こういうのは性格とか色々あるからねぇ。まあ、人と会話してればある程度はなれると思うけどねぇ。


『じゃあ…行く…』

「そうだねぇ、もう暗くなってきてるからねぇ」

『違う…』


寝に行くとかじゃないのかい?良い子はもう寝る時間だからねぇ。

まだ日は落ちきってはいないけれどねぇ。


そういえば寝る子はよく育つって言うけど…よく育つのに寝るのって実際関係あるのかねぇ?

おじさんは若い頃はよく夜更かししてたけど身長178cmはあるからねぇ。


『私は…もう既に大人…』

「ほう、身長は?」

『152800mm』


それは数字が大きく見えるけど152.8cmってことだよねぇ?

後それぐらいの身長の大人も普通に居るからわざわざミリで言わなくても良かった気もするねぇ。

それに大人は自分の事を大人って中々言わないよねぇ。


『つまり…?』

「子供だねぇ」

『馬鹿な…』


時として真実とは残酷なもの…なんだよねぇ。諦めて認めたまえ若者よ。


「私を…見てから言って…」

「おや?」


んー来てしまったのか…仕事とか無いのかねぇ?もしあるならかなり不味いんじゃないのかな?世界の均衡が〜とか因果律が崩壊して〜とか起きちゃったりしないのかねぇ?


「問題なし…私は世界を作った…それだけ」

「あとは人が頑張れってことなんだねぇ…」

「そう…それで…どう…?」


どう…?と言われても物凄く反応に困るんだよねぇ…


「身長嘘ついてるよねぇ?」

「…少し」


少し…少しかぁ…うーん、どう見ても135あるかないかにしか見えないんだよねぇ。10cm以上もサバを読んじゃってるよ?


確かに容姿は神様だからなのかかなり整ってはいるんだけれど…何とも、おじさんが歳をとり過ぎたせいなのか幼く感じちゃうんだよねぇ。


それと個人的におじさんが気になるのはなぜ髪の色が若干水色っぽい白色をしていて、目が金色なのかってところだよねぇ…そんな色をした人間てカラーコンタクトとか使わないと普通は出来なさそうなものなんだけどねぇ?


「この世界…なら…髪の色とか…目の色…結構豊富…」

「摩訶不思議だねぇ…」

「それより…どう?」


どうって最初に言ったというか思ったから分かってると思うんだけれどねぇ…


「子供だねぇ…」

「私は…永遠の18歳…」

「ん?んー…」


頑張って見ても中学3年生がギリギリだよねぇ?


「ほぼ高校生…つまり大人…」

「おじさんが撫でてあげようよしよし…」

「えへ…はっ…これは…違うの…」


うん、アウトだよねぇ?


「そんなこと…ない…セーフ」

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