それぞれが望むモノ
婚カツをする理由は、人の数だけある。
結婚というは間違いなく人生における最も重要な要素の一つだ。
だからこそ、何故婚カツするのかはその人が決めるべきことで、他人に指図されたり後ろ指さされるものではないと私は考える。
なお「結婚した相手の財産奪ってその後に捨ててやろう」という目的は単なる結婚詐欺なのでそれは婚カツではない。
何故そんなことを書き始めたかというと、ツィッターで「中年男性の婚カツ理由で、妻には親の面倒を任せたいとかいうやつは最低」という書き込みを見たからである。
それだけの要素を抜き出せば確かに「女性を介護職員のように使うつもりか」と考えて非難したくなる気持ちはわかる。それが目的ならお金を出して両親には介護施設にでも入ってもらえばいい。
が、「それだけ」で婚カツをしている人は実際にいないだろう。それは数ある「望むモノ」の要素の一つであり、その人が婚カツにおいてのプロフィールの一部でしかない。親の介護「だけ」を目的に結婚相手を探す人なんてそうそういないだろう。結カツをするにあたって「ここは譲れる」「できればこれは希望に入れたい」と色々と仲介人と詰めていくものだ。
そもそも婚カツをするのは自由だ。もしどうしても相手の家族と同居が嫌なら最初から「少しでも相手の家族の面倒を見なければいけない可能性がある人はNO」と絞って活動すればいい。実際に婚カツの希望では「自分の家族との同居の可否」「相手との家族との同居の可否」「養子の可否」「初婚限定」「連れ子不可」「子供は欲しくない」など条件を選択することができる。自分のパートナーを探すのだから、正直に答えればいいのだ。そして望むモノの中の一つに、「同居する両親と仲良くしてくれる女性が良い」が入るのは、中年にもなれば男女関係なく現実的にありえる話だろう。
そもそも私は今の情勢では完璧な男女平等というは無理だと思う。
例えばの話、子供が欲しいと思っても男の私にはどう頑張っても生むことはできない。そして女性にとって出産というのは非常に大変なことだ。ある日、突然ポンッと生まれるものではないのだから。
残念ながら日本の社会では産休の制度等も充実してるとは言い難い。つまり女性に対する負荷の方が大きい。だからどうしてもその要素だけとっても男女に差が出てしまうのは現実だ。その社会体制が変わらない限り、そこに男女の違いがあるのは避けることができない問題だと思う。
「男性だから」「女性だから」というのは婚カツの中でも関係してくる。
例えば年収。団体にもよるがそもそも登録するにあたっての条件は男性の年収は「300万以上」だ。そして女性には制限はない。つまり男性は何らかの仕事をしていることが必須であるのに対して、女性は「家事手伝い」でも婚カツはできるのだ。もし完全に男女平等を謳うなら、これはそもそもおかしい。男性が「無職」でも婚カツしても良いはずだ。だが実際に、女性は無職の男性と見合いをするだろうか? あなたは「親に結婚しろと言われて活動費用も出してもらって婚カツしている男性」に対して、「その人が素敵だったらそんなの関係ない!」と言い切れるのか、である。女性の自己紹介によくある「家事なら自信がありますので、夫が仕事から帰ってきてほっとする家庭にしてあげたいです」というのは、そもそも男性だけが働く前提ではなかろうか。
男性が「愛嬌あってご近所さんにも自分の両親にも愛されて働いてくれて育児も家事もしてくれて気遣いもしてくれて自分の趣味に干渉してこない人が良い」と望むことも、女性が「年収が1000万以上あって家事も手伝ってくれて身長も高くて転勤もなくて毎日定時帰りで穏やかでどんな趣味でも許容してくれる人が良い」と望むことも自由だ。ちなみに仲介人には「もっと条件下げないと難しいわ」と忠告はされるが。
誤解ないように言いたいのは私は別に男女差別どうこうの話をしたいわけではない。
ただ、婚カツする理由を他人がとやかく言うのはやめてあげて欲しいということだけだ。
ちなみに女性にも当然ながら「結婚しても絶対働く、家事をしない男性は絶対No」という人もたくさんいるし、逆に「絶対働きたくないから男性の年収は重要」と色んな人がいる。相手を選ぶのはその人の自由だ。
ちなみに私が、とある女性に教えてもらった「あー、私、絶対無理っていう人がいましたわー」という例を紹介したい。
・43歳 (その女性に対して15歳年上)
・交通の便があまりよくない場所の携帯ショップの店長
・バツイチ 子供二人。
・年収450万
先方の希望
ちょっと辺鄙なところだけどうちに同居してくれて家事をして子供の面倒見ながら、かつパートかなんかで働きつつ家庭を支えてくれる女性。
それを聞かされた私も「それはちょっとハードル高いっすね」と返した。