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あれから5年が経って私は立派な幼児になった。
乳児の頃から鍛えた筋力と気をフル活用して私も戦場に赴くようになった。
忍術で身体を強化し、特注で作ってもらった鉄糸で相手を切り裂いていく。
自分の手が血に染まっても何とも思わない事に最初は驚いた。
前世(仮)なら虫も殺せなかったのに、生み落とされた世界が違うだけでこんなにも自分が変わるなんて思いもしなかった。
転がった人間だった塊を見ていると後ろに気配を感じ振り返るとそこには積み重なった塊の上に座る兄だった。
「もう終わり?」
「こっちにはもういないかな?お兄ちゃんの方もいない?」
「俺が見逃すと思うか?」
ニヤリと笑う兄がやけに大人っぽく見えた。
なんてね!
実際はまだ半年くらいしか経ってないですよ?
誰?転生はあっという間に5年10年経つって言ったやつ!こっちに来て経験してみろ!子供時間なめんなよ!1日が大人の3日分位長いから!
暇すぎて毎日厨二患者の頭の中みたいなのでいっぱいだよ。ほんともう爆ぜろリアル!弾けろシナプス!だよねうん。
そんなこんなでやっともうすぐ1歳を迎えるところです。
早く自分でトイレに行きたくて生後半年くらいから歩き始めたけど、誰も驚いてくれなくてこっちが驚いたし!
なんかそれが当たり前みたいな空気感がちょっと切なかった。もうちょっとさ、ほら、わー凄いねとか、こんなに早く歩くなんてこの子凄い子かもよとかさ、寝返りの時あんなに喜んでくれたのにこの差って・・・ちょっぴりほんのちょっぴりだけ期待してたとか・・・ちょっとだけ枕濡らしちゃったよね。
そこから早い反抗期起こして断乳してやった!
ちょっとは寂しがるかと思ったらその日の夜ご飯から普通食になった・・・え・・・離乳食無いんすか?
自分まだ歯が生えて無いんすけど・・・
目の前に置かれてる箸に絶句しながら手掴みで白米と味噌汁を完食した。
初めてのご飯でサバの味噌煮はキツイぜママン・・・
スパルタ過ぎるご飯中でもパパンとお兄ちゃんは普通にしてたって事は、この世界ではこれが普通って事?
食べさせても貰えないとかそれなんて無理ゲー・・・




