おまけ 「セアラに母上の首飾りを貸していただけませんか?」の裏側であったこと(セディ)
そういえば、と気になったことを書いてみました。短いです。
僕はノアに頼まれたドレスを手に、廊下を急いでいた。この黄色いドレスはメリーに作ったものだけど、きっとセアラにも似合うはず。
ノアが知らない娘と一緒にいて、その娘と結婚すると言うから最初は吃驚したけど、セアラはふわっとした雰囲気の優しそうな娘だったので安心した。
これからドレスを選べる家族が増えるのだと思うと、自然と頬が緩んでしまう。
セアラなら、あんな感じやこんな感じも似合いそうだな。あ、ウェディングドレスも考えないと。
僕はクレアたちが待つ部屋まで戻ると扉を開け、ドレスを掲げた。
「ノア、これ……。あれ、いない?」
さっき僕が出てきたのは、このノアの部屋だったはずなのに。クレアたち、僕とドレスを置いてどこに行ったんだろう。
「ん? 向こうからクレアの声が聞こえた気がする」
僕は再び廊下に出ると、今度は全力で走った。目指す先にあったのは、クレアの部屋だ。
その扉を勢いよく開けた。
「ノア、これがいいよ!」
お読みいただきありがとうございます。
一旦完結としますが、近いうちに後日談や番外編を書きたいと思っております。