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後悔

作者: H.N

僕は今高校生をしている。

当たり前に学校へ通い、友達を作り自分ではとても充実した毎日を送っていると思う。

そんな僕にもついに春が訪れた━━━━━

「ずっと好きでした。付き合ってください!」

仲良くしていた女友達からの告白だった。

前から自分も気になっていたこともありすぐに付き合うことになった。

ついに自分にも恋人ができたのかと浮かれてしまう。



しかし、幸せというものはいとも簡単に崩れてしまう



「私そんなこと言ってないよ!」

「この前言っただろうが。俺はちゃんと覚えてる。」

「言ってないよ、、信じて、、」

「うるさい!クソ女!」

「ひどいよ、、、別れよ。もう一緒に居たくない。」


くだらない事が原因の小さな口論だったと思う。

一緒に居てくれることが当たり前で多少のことでは壊れない関係だと思っていた。

しかし、世の中には当たり前なんてことはなかった。

永遠なんてものはなかった。

小さな事で積み重ねてきた全てが壊れるという事を実感した。



そして、不幸というものは続く



「ただいま」

「 母さん?どうしたの?」

「お父さんが、、、お父さんが、、、」


父が死んだ。

交通事故だった。

反抗期真っ只中の僕は最近は会話することもすくなくなり、親をうざったく感じていた。

しかし、失って初めて知った。

どれだけ自分が支えられてきたのか。

何気ない会話一つにどれだけの幸せが詰まっていたのか。

親ほど当たり前を感じるものはなかった。

生まれた時から常に側にいてくれていた。

時に叱り、時に慰め合い、時に笑い合った。

その当たり前が、どこにでもありそうな他人事であればすぐにでも忘れてしまうような小さな事故で崩れた。


父の死後、母はダメになってしまった。

いつも家庭を盛り上げ我が家のムードメーカーだった母が今では見る影もない。

父を失ったショックが大きかったのだろう。

息子のこともほったらかしにし、蘇ることはない存在に取り疲れている。


僕の家は崩壊した。

僕の当たり前は崩壊した。

一生壊れることはないと思っていた。

しかし、そんなことはなかった。

いつだってそうだ。

失ってからしか気づけない。

もっとあの当たり前を大切に噛み締めていれば━━━━━

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