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78話:事件が起これば巻き添え食らう

@悟視点@


「悟君!悟君!大ニュースだミュン!」


学校が休みの朝、俺が朝飯を食ってるところ廊下から騒いで走ってくる若如。近所迷惑なのは置いといてどうしたんだ?


「学校だよ!学校!私達の学校で‥」


[ツルッ]


「「あ」」


[ドガアァン!ガッシャアァアアァァン!!]


「あぁ!俺の朝飯が‥じゃなくて!大丈夫か若如?」


「あちゃー、派手に突っ込んじゃったね。」


全然無事の様子。さっきの状況を説明すると若如が滑ってそのまま俺の朝食とテーブルを巻き込んで窓ごと庭に突っ込んだ。


「それで大ニュースって何だったんだ?ついでにお前の分の朝食はそこのガラス残骸の下敷きになってるから残ってないぞ。」


「マジですかい!?‥それで大ニュースって言うのは学校だよ!」


「学校がどうした?」


新しく茶を入れてきて飲む。テーブルとガラスの残骸は片付けが面倒なのでスルー。ってか茶が熱い!


「今日の数時間前に学校の不老不死ベールの宝石が盗まれたのさ!」


「そうか。」


「‥ありぇ?」


予想外の答えだったらしくたった二文字を咬んでしまった若如。不老不死ベールの宝石って前も盗まれた事が有った石だし別に俺は動じないぞ。


「不老不死ベールの宝石っていうのはこの星の大事な宝石でこの星で不老不死なのはその宝石のおかげなんだ!」


「あぁ知ってるぞ。」


「しかも犯人は魅異の可能性が高いんだって!」


「そうか。」


「‥あれれれれれぇ?」


いや、別に驚かないぞ俺は。魅異なら宝石を盗む事だって簡単に出来るだろうし珍しいからという理由で盗んでもおかしくはない。


「それで今は特星本部で取り調べ中らしいよ!」


「マジで!?」


「いやいや驚くところが違うよね!」


だって魅異だぞ!面倒な取り調べなんかに同行するはずがない!捕まった率はもっと低い!あの魅異を捕まえれる奴なんかこの世にもあの世にも居るはずがない!


「それでどうなったんだ?」


「それが魅異の目撃情報が本人が取調べを受けてる時にも有ったのさ!特星本部ではそれが偽者の魅異だという人と本物の魅異の分身だという人が居るという人に分かれてるんだよ!」


「それは大変そうだな。」


「って訳で悟君の出番なのさ!」


「‥何で?」


いや確かに前回に盗まれた時も俺が何とかしたけどそれは帝国に行かないと俺が魅異にやられていたからであり本当は行く気はなかったんだぞ!


「それは悟君が…主人公だからだよっ!」


主人公だから!?…なるほどそういうことか!!


「よし分かった!後は俺に任せとけぇぇぇ!!」


俺は若如が壊した窓から庭に出てダッシュで走り抜ける!


「あっ、でも行くなら私の分を朝食を作って…って行っちゃった。」




「勢いで飛び出してきたまでは良いが何処に行けばいいんだ?」


とりあえず靴位は履いてくるんだったな…でも今頃戻るのもカッコ悪いしなー。


今までは行く場所とかが決まってたから良いが今回は敵の場所も分からないし。


「とりあえず無料配布場所に行くか。」




〜寮(烈の部屋)〜


日用品無料配布場所として俺が扱ってる烈の部屋に到着。烈とジャルスがのんびりケータイゲームでバトル中だった。


「って訳で使えそうなものを貰いに来てやったぞ。」


「どういう訳だよ!?」


「今日の朝の事件の事だ。」


「不老不死の石が盗まれた事件なら新聞に載ってたよー。魅異は特星中のレアなスライムと引き換えに取り調べに同行したって書いてあったよー。」


まぁ魅異だし当然といえば当然か。おっ、虫除けスプレー発見。後は非常食とかも貰っておく。その他にも使えそうな物はいただいたぜ!


「ところでお前たちも暇なら行かないか?」


「俺は退屈だし行くぜ!!」


「僕は大変そうだから遠慮しておくよー。」


って訳でやられる事が分かりきってる烈が行くことになった。ジャルスは安全第一だから出番も減るんだぞ。




「それで悟!何処に向かうんだ!?」


「俺に聞くな!」


ちなみに新品の靴は履き心地がそこまで良くはなかった。まぁ悪くもないし無料で貰ったものだから文句は言えない。文句は…


「この靴の履き心地が悪い!」


[ガンッ]


「いってぇ!」


殴って言ってやった。別に烈のだし文句を言っても問題はない。


「そういえば不老不死の何とかが盗まれたんなら今は不老不死じゃないのか!?」


「確か不老不死オーラはタンクか何かに溜めてあるから大丈夫だったはずだ。まぁ前回の話だが。」


だが若如がガラスに突っ込んだときも怪我はしてなかったしおそらく今回も大丈夫だろう。


まぁ時間が経てば効果がきれる可能性も有るから宝石を取り返すなら急いだほうが良いな。


「そんじゃあまずは特星本部へ行こうぜ!魅異何か知ってる可能性が高いだろ!!」


「お前にしたらまともな意見だな。」


ってか魅異の事だから真犯人の招待や宝石の場所を知ってたりするかもな。単に俺への嫌がらせで知らないフリをしてるだけだったりして。


「まぁ良いか。それじゃあ特星本部へ向かうぞ。」


「ところで俺は特星本部の場所が分からないんだが!悟は知ってるか!?」


「…知るか。」


よく考えたら俺って特星の事はあまり詳しくないんだよな。おそらく特星の地理の問題が出たら半分以上間違えるだろう。


「多分だが瞑宰京の中にはあるとは思う。」


「この町の中か!だがこの町だけでも結構な広さだぞ!!」


まぁ特星の中心の町だからな。ちなみに特星中心の町と言われてる理由は不老不死の宝石が保管されてるかららしい。


その点を考えれば特星の中心の建物は俺達の高校って事になるな。


「おっそうだ!ケータイのナビ機能を使えば良いんじゃないか!?」


「烈が一日二回以上も良い意見を出すとは…丁度俺はケータイを持ってるぞ。」


どれどれ現在地は…


【国外】


あっ…


「悪いが俺のケータイは日本地図しか出せない…」


「しょうがないな!俺のは特星の地図も出せるぜ!!」


流石だ。どれどれ…


【充電切れです。充電してください。】


「……………」


「……………えへ♪」


「気色悪い!」


[バゴォッ!」


「ぐほぁっ!!」


さて、馬鹿も殴ったし近くの建物で聞き込みでもするか。此処から一番近いのは…




〜勇者社〜


「まったく、本部の場所も知らずによく犯人を見つけようなんて思いましたね。貴方達の頭は大丈夫ですか?」


「コイツはもう取り返しがつかないけど俺は大丈夫です。」


「オイ!どういう意味だそれ!」


俺達は勇者社で几骨さんにあったかいお茶を入れてもらってくつろいでいる。あったかいお茶を飲むともうすぐ冬だなと思う時とかないか?今はまさにその時だ。


「それで特星本部の場所は分かりますか?」


「えぇ。此処から少し歩けばつきますよ。しかし魅異さんのところまでたどり着ける可能性は低いですよ。」


「じゃあ烈を囮に…」


「何でだよ!!」


でも烈の事だから俺のほうに悲鳴を上げながら走ってくるだろうしなぁ。


勇者社の製品で中に入る為の物とかはないのか?


「ないことも有りませんが勇者社まで巻き込む位なら諦めてください。」


「…また読心術ですか?」


「何!この人は読心術が使えるのか!?」


「読心術では有りませんよ。」


それを聞いて少し落ち込む烈。いや別に落ち込まなくてもいいだろ。




〜特星本部〜


いやぁ、俺の予想では入り口に見張りとかが居ていきなり入れないという予想だったんだが実際は普通の自動ドアで普通に中に入れた。


あと中の雰囲気も静かだと思っていたがビルの中で屋台などがやっていて非常に楽しそうな雰囲気だ。


…一応特星の中でも重要な場所なんだよな此処。


「とりあえず屋台の人に話を…って勝手に食い物を買うな烈!」


烈はもう場の雰囲気に馴染んだようでたこ焼きやお好み焼きやこの季節なのにカキ氷などを食べていた。


「おぉーい悟!此処の屋台の食い物はかなり美味いぞ!しかも値段が原価に近いしお得だ!!」


俺の話なんか聞いてねぇなアイツ。ハァ…先が思いやられる。


「オイ悟!屋台の人達の話によるとこのビルは本部の一部らしいぜ!!」


「一部?」


「特星本部ってのは世間的には此処を含めた本部全体を表す時と本部の中でも重要な部分だけを表す時があるらしい!!俺には全然意味が分からないがな!」


なるほど。特星本部ってのは建物の集合体って訳か。あとに理解できたら小学生でも理解できるだろ。


「あと魅異は特星本部の超豪華特別ルームに居るらしい!」


「道は分かるか?」


「確か此処の裏口からいけるはずだぜ!!」


「じゃあ向かうぞ!」




「「広っ!!」」


裏口から出たところはかなり広かった。真ん中に大広場があってそこを周りには建物がいくつかある。ちなみに此処全体を囲むように薄い結界みたいなのが張られているな。


こんなに厳重なのになんで正面からは簡単に入れるようになってるんだか。


「で、どの場所に魅異の馬鹿は居るんだ?」


「確か噴水に隠しスイッチがあるとか言ってたぜ!!」


何で噴水なんかにスイッチをつけるかな。押す側の事も考えろよ本部。


「それじゃあ烈、押して来い。」


「嫌なんで俺なんだよ!此処は悟が行けよ!」


「逆になんで俺だよ!どうせお前なら濡れても普段と大して問題ないだろ!」


「そういえばそうだな!よっしゃ行って来るぜ!!」


って今ので納得したのか烈!?普通そこは反論するべきだろ!


「おっ、これかぁ!?」


[ポチッ、ガコーン]


んっ?何か地面に立ってる感覚が…って落とし穴ですかい!?


だがこの主人公の悟様を甘く見るなよ!このまま簡単なトラップにアッサリと引っ掛かる俺じゃない!


落とし穴の端の部分を掴んで落ちるのを防ぐ!後は上にあがれば…


「このボタンか!?」


[ポチッ、ザッバァーン!]


次は大量の墨が降り注ぐ。ってか新品の靴が真っ黒になった!


「おい烈!ちょっと来い!」


「何だ!?ってお前は地獄からのモンスターか!」


へっ?いや俺は人間だが。


「なるほどコイツを倒したら魅異の部屋への道が開かれるって訳か!!」


確かにゲームとかで良くあるけど実際に有るかは冷静に考えてみろ。どういう仕組みなのかが謎だろ。


「覚悟しろぉ!うぉりゃあぁぁぁ!!」


って突っ込んできた!全身真っ黒なだけでモンスターと決め付けるな!


[ツルン]


「のわぁっ!」


[ガスゥッ!]


「おぼがはっ!」


烈が地面に溜まってた墨で滑ってそれでこける際に偶然足が俺の顔に見事にヒット!


それで俺は…落ちてます。


「ぎゃああぁぁぁぁぁぁ!」


「チクショー!転ぶとは…って!モンスターは!?」


お前がさっき蹴り落としたから!


「…ハッハッハッ!この俺の前に空へでも逃げて行ったか!!」


んな訳あるかぁっ!


「そういえば悟の悲鳴が聞こえたが…怪物に食われたか!!」


お前に蹴り落とされたんだよ!あぁ…もう聞こえなくなってきた。


「この穴が隠し部屋への道だな!魅異の事だから豪華なものを食ってるはず!!是非横取りしに行くぜ!!」





「結構高いところから落ちたな。ってか此処は何処だ?」


「お〜、やっと来たね〜。」


「おっ、魅異。」


落ちた場所はやけに豪華な部屋で城の一室みたいな感じだった。まぁテレビとかゲームとかパソコンとかが有るから雰囲気が半減してるんだけどな。


そして魅異が居るから城の雰囲気が十パーセント位にまで激減している。


「真っ黒だから変人に見えるよ〜。」


「本物の変人が何を言うかと思えばそんな事か。」


「まぁね〜。」


そこで威張るな。どうやったら今のが褒め言葉に聞こえるのか不思議なものだ。


「ところでゴハァッ!」


何か上から落ちてきた!


「おっ!魅異じゃないか!!」


「いらっしゃい〜。」


烈かよ。こいつめさっき蹴り落としやがって!


「ところで魅異!悟が真っ黒なモンスターに食われちまったんだ!!」


「真っ黒なモンスターってそれだよね〜?」


そういって烈に踏まれている俺を指差す魅異。それ扱いかよ!?


「うぉわっ!こんな所に居たのか地獄からのモンスターめっ!!」


「だから違うっての!」


「のわぁっ!このモンスターの腹の中でまだ生きてたのか悟!?恐らくお前は死んでもしつこく悪霊として残るだろうな!!」


「食われてない食われてない。ってかお前の方が悪霊になる可能性は高いだろ!」


「烈〜、あれは悪霊じゃなくてダークさとルンジャーRっていうんだよ〜。」


なんだその変な名前は!?


「何っ!あの有名なダーク悟ンジャーRだったのか!!モンスターと間違えて悪かった!!」


「有名なのかよ!?ってか何故にR!?」


「雷之の苗字からRが付いたって公式に決まってるみたいだね〜。」


公式設定決めた奴は出て来い!名誉何とか罪で訴える!


〔ダーク悟ンジャーRの公式設定を決めたのは俺だ!〕


ボケ役か。相手するのも面倒だからスルーの方針で。


〔うぉい!〕


「ダーク悟ンジャーR!伝説のしんじゅうを見せてくれ!」


ボケ役、神離銃って?


〔相手するのも面倒だからスルーの方針で。〕


うぉい!モノマネするな!


〔はいはい。神離銃ってのは神離槍に並ぶ伝説の武器のうちの一つだ!〕


マジでそんなものを持ってるのか!?


〔あぁ当然!魅異の力が封じ込められた武器だからな!神離槍もそうなんだが普段は力が封印されてるぞ。魅異は力を封印した神離槍であの実力だからな。〕


って事は神離槍は普通の竹槍と同じか?


〔基本は絶対に折れたり壊れたりしない事以外はまぁ同じだな。〕


それで神離銃は何処にある?


〔秘密だ。烈には今日は朝飯を食べてないから出せない的な言い訳をしておけば良いんじゃないか?〕


分かった。


「悪いが今日は朝飯を食ってないんだ。」


「それならしょうがないな!また今度見せてくれよ!!」


「はいはい。」


まぁ俺がダーク悟ンジャーRとして現れる事はもう無いだろうからボケ役に頼む事だな。


「そういえば神離の文字が付く武器ってどの位あるんだ?」


「そうだね〜、神離槍・しんけん・神離銃・しんとう・その他にもいろいろあるよ〜。それぞれ一種類ずつしかないけどね〜。」


恐らく全部神離槍みたいな弱そうな武器なんだろうな。


「ところで今回の事件の犯人の場所を知らないか!?」


おっと本来の目的を忘れてた。


「知ってるけど言ったら面白くないから自分達で探せば〜。」


ちっ、やっぱり聞き出せないか。


「でも宝石のある場所は不老不死ベールに包まれているだろうね~。だから予備の不老不死ベールがある特星内か宝石のある場所でなら戦っても大丈夫だよ~。」


なるほど。特星の外に宝石がある時は戦えば分かるって事だな。怪我をしなければそこにあるという事だ。


「しょうがないから他の場所に聞きに行くぞ。」


「ちょっとまて悟!豪華なものをまだ食べてないぞ!!」


それが目的かよ!


「おっ!小さめの饅頭発見!いただきだ!!」


そういってパックに入ってた小さめの饅頭を食べる烈。盗み食いの罪だな。


「ってか食べたならパックぐらい片付けろ。」


とりあえずゴミ箱に捨てるためパックを持つ。


「魅異、ゴミ箱は何処だ?」


「そこのコンビニの袋だよ〜。」


豪華な部屋に合わないものをまた発見。とりあえずゴミ袋にゴミを捨てておく。


「てぃやー!!」


「えっ…のぁっ!」


顔に何かがついてる!誰か取ってくれ!


「このやろ!このやろ!」


「皮膚を引っ張るな!って!ちょ‥痛い!」


「そこら辺にしといたら〜?」


「むぅ。」


魅異の言葉で何とか引っ張り攻撃を止める小さな子供。‥小さな子供。凄くミニサイズだ。


「ってかなり小さっ!なんだお前!?」


「アタイはロミャ!世界の人気者のロミャ!」


[ジャッジャジャーン]


…また変な奴が現れたな。あー、次回へ続く。

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