75話:馬鹿に効く薬はあるのか?
@悟視点@
あぁ〜、退屈だ退屈。現在屋上でのんびりと過ごし中。
授業は相変わらず午前中終了なんだが学校は二十四時間ずっと開いてるから夜まで帰らない奴も結構多い。流石に泊まる奴は居ないが。
「おっ!退屈そうだねぇ!私が面白い話でも教えてあげようか?」
そう言ってきたのは相変わらず元気そうな若如だ。
「面白い話?」
「そうっ!我らが師匠の魅異の話だミュン!」
ミュン?‥あぁ口調が時々変わるんだったな。
俺的には口調の変わる原理の方が気になるんだが!
「魅異が現在弱体化の術が二つ掛かってる事は知ってるかい?」
「あぁ。」
それでも人間の基準能力からは凄い勢いで脱線してるがな。
「じゃあその術を二つとも解いたとして魅異は本気を出せると思う?」
「出せるんじゃないか?」
まぁ、魅異の事だし本気は出せるが出さないって事は有るだろうが。
「それがそうじゃない事が私の独自の理論と研究によって考え出されたのさっ!」
「あっ、そうなのか?」
それは知らなかった。ってかよく魅異の研究とか出来たなオイ!?
「魅異の能力のいくつかは噂の武器に封印されてて何かの方法で封印を解いたら魅異が本気を出せるようになるって仕組みだよっ!」
凄くファンタジックな話になってるが俺は正直どうでも良い。ってか深入りすると巻き込まれる可能性が高くなる。
ってか何で伝説とか幻とかじゃなくて噂の武器なんだよ!?
‥最近俺の口癖が『ってか』になってきた気がするのは気のせいか?
「噂の武器は見掛けこそは弱そうだけど実際は魅異の力が封印されてる訳だから使い手によってはとんでもない強さを誇るらしいのさっ!そこで君に相談なんだけど噂の武器の事で知ってる事があったら教えて欲しいんだっ。」
弱そうでとんでもない強さの武器………あっ、思い出した!
体育祭の時に使ってた神離槍ってそうじゃないのか?竹槍だがとんでもない強さだし!
「いや〜、結構細かいところまで調べたね〜。」
「うぉぅっ!いつの間に居たんだ魅異!?ってか何飲んでんだ?」
「さっきから居たけど〜。ちなみに今飲んでるのは野菜ジュースだよ〜。健康不足の解消にはやっぱこれが一番〜!あっ二人の分もあるよ〜。」
野菜ジュースって何種類もあるから一番なんか普通は分からないと思うんだが…とりあえず野菜ジュースは貰う。
ストローがないし!丁度ポケットに爪楊枝があったからそれで穴を開ける。
「おっ、これは勇者社の新製品かい?」
「大量の野菜を圧縮したジュースだから少し飲んだら吐き気がする位まで満腹になるから製品じゃないよ〜。私は何ともなかったけどね〜。」
危なく飲むところだった!ってかそんな物を普通に渡すなよ!
[バコオォォォン!!]
「ってなんだ!?」
急に真ん中の床が壊れたぞ!
「アーッハッハッハッハ!今日は教師の仕事が終わったので来てあげましたよぉっ!!」
壊れた床から現れたのは言うまでもなく雑魚ベー。何で高校に居るんだよ?
「さぁ我が宿敵よ!今日こそ決着をつけようではありませんか!」
「とりあえず帰れ。」
魅異は若如に雑魚ベーの紹介をしている。
ってかさっきお前が登場したせいで何人かの生徒が落ちてったぞ!
「今回の私を甘く見ると痛い目に合いますよぉっ!何故なら今回の私は小学校で教師の仕事が終わった後に保育園の可ぁっ愛いぃぃぃ女の子を抱いてジャンピングキックの練習をしていましたからねぇ♪」
お前はお前でよくやってられるな…ってか周りの生徒がお前を不審な目で見てるぞ。お前が宿敵って言うから俺も巻き添えを喰らってるが。
「さぁさぁさぁさぁ!どんどんと力が溜まってきましたよぉぉぉっ!!」
確かに背景にオーラみたいなのが見える。だが雑魚ベーが相手だから全然強そうに見えない。ってかオーラの有る一般人のほうが強そうに見えると思う!
「フッフッフッ、私のあまりの優雅さ故に動けないようですねぇ。んんっ?それは野菜ジュースじゃありませんか。丁度喉が渇いたことですし頂きましょう!」
俺から野菜ジュースを取り上げて自分のポケットからストローを出して野菜ジュースを飲み干す雑魚ベー。何でストローをポケットに持ってるんだよ?
「ふぅ。やっぱり運動の前には水分補給が重要ですねぇ!」
あれ?満腹にならないのか?
「それではいきますよぉっ!必殺・元祖ジャンピングキィィック!!」
でた船を壊す威力のジャンピングキックか!
「おぉーい!生徒が何人か下に落ちていったが何かあったのか!?」
っと、丁度良いタイミングで烈が来た!
「ちょっとこい!」
「えっ!何か用かよ!?ってゴファァッ!!」
烈を盾にしてジャンピングキックを防ぎ学校崩壊を何とか免れたぜ!
「だ、大丈夫ですか烈さん!?よくも…よくも私の同士を!」
「いや確かに盾にしたのは俺だが蹴ったのはお前だろ。」
まぁ今回はしょうがないって事で。
「ざ…雑魚ベー、世界中の…可愛い女の子達を…悟の魔の手から…守ってく…れ…」
「烈さぁぁぁぁん!!」
小学生以下の女子をコイツ達の魔の手から守る集団を作るのを世界は急ぐべきだと思う。
「烈さんを盾にするとは我が宿敵とはいえ流石ですねぇ。ですが烈さんの仇は此処で討ちますよぉっ!!」
ムカつくからエクサスターガンで撃ち消したいが残念ながら充電切れだ。
「さぁ本気でいかせてもらいますよぉっ!カム!」
そういうと同時に雑魚ベーは何処からか取り出した琴刀と逝刀で早歩き位の速さの白い球体を放った。煙の固まりか?
「なんだこれ?って熱ぅぅっ!!!」
ちょっと触ってみたが滅茶苦茶熱い!下手したら火傷程度じゃ済まないだろこれ!
「カムカムカムカムカムカムカムカムカム!!」
いくつか出してくるが屋上の広さなら避けるなんて余裕だぜ!
「この程度を俺が避けられない筈がないぞ!」
「しっかぁぁしっ!!一定の動きでカムを飛ばす技もあるのですよぉっ!必殺・可愛い子は私の為にですよぉっ!」
でた雑魚ベーの中国刀装備時に使う変な名前の技!大量の白い球体をいろんな方向に飛ばしてくる。この技は横回転しながら飛んでくるみたいだ。
対処法が分からないので隙間を見つけて避けつつダメージを蓄積させる効果の銃で撃ちつづける。
「必殺・超強風雨危険警報ですよぉっ!」
巨大な衝撃波を起こし上からのレーザーの嵐を呼び出す雑魚ベー。ってかヤバイ!逃げ場ないし魔法弾を作る暇も…そうだ!
「こういう時の為の烈ショット!」
死んだフリをしている烈を空気圧圧縮砲で衝撃波の方に吹き飛ばす。そしたら衝撃波は烈の飛んできた勢いでかき消され烈は衝撃波に当たった勢いで上方に吹き飛ぶ!そしてレーザーの嵐を全部受けた!そして烈は学校内に吹き飛んでいった。
…おーい、生きてるかー?
「まぁいつもの事だし別に良いか。」
「烈さぁぁぁぁん!!」
「さて、次はお前の番‥」
「おぉっと、もうこんな時間ではありませんか!私は今から重要な用事があるので決着はまた今度に延長ですよぉっ!命拾いしましたねぇ!それではまた会いましょぉっ!アーッハッハッハッハ!!」
そういってバク転で屋上から無駄に華麗に飛び降りる雑魚ベー。絶対に逃げる為の言い訳だろ!
あ、でもアホだ。
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁ!!」
十階の高さから飛び降りた結果叫びながら落ちる事に。多分地面に突っ込むな。
「ってか魅異と若如が居ないし!途中で飽きて帰ったな!」
まぁ怒ってても仕方ないし俺もさっさと帰るか。
[ピキッ‥メキバキッ!]
………何の音?
[バキバキ!メキバキキッ!]
…………そういえば超強風雨危険警報を烈で防いだ時に烈は学校内に凄い勢いで突っ込んでいったよな‥まさか!
[ガラガラガラガラ!ドガシャァァン!!ズゴゴゴゴゴゴ!!]
やっぱり崩壊したぁ!マジで落ちる!誰かヘルプミィィィ!!
どうするんだよこれ‥今の俺の表情は恐らくアニメで言えば白黒になって固まってるシーンと重なるだろう。
「‥本当にどうするんだよコレ?」
目の前には震災で崩れたビルの後みたいになってる学校。悪いのは俺じゃなくて雑魚ベーだよな?まぁ確かに烈で防いだのは俺だけどさ。
「次回になれば直ってるよな?よし帰ろう。」
此処の学校崩壊回数は何回だ?これで二十一回目か二十二回目だった気がする。
それじゃあ帰るか。
ちなみにその日の夜に崩壊した学校の瓦礫の中から赤い髪のうるさい馬鹿が出てきたとの目撃情報があったらしい。確実に烈だな。
今回は時間の問題で省略します!
それでは皆さん次回もお楽しみに!