66話:極大イベントな体育祭!(前編)
@悟視点@
「さて皆〜、今日は待ちに待った体育祭の日だよ〜。」
体育祭?もうそんな時期になったのか。あと、俺しか居ないのに皆って言って呼ぶのは変だと思うぞ。他の皆は朝早くから何処かに行ったし。
「でも、プリントには参加者自由って書いてあったぞ。別に無理して参加する必要はないだろ?」
「フッフフ〜ン♪悟は優勝商品を知らないみたいだね〜。」
確かに優勝商品は企業秘密だと書いてあったから俺は知らないな。
「だが、何が商品になろうと、俺は参加しないぞ!百パーセント良い事は起こらないからな!」
「主催者は校長だよ〜?」
「それなら尚更だ!校長が開催するもので、今まで平凡に終わった事があるか?いや無い。絶対に良い事は起こらないに決まってる!」
「普通に終わったら、つまらないからだよ〜。」
それは確かにつまらないな。やっぱり途中で問題が起こった方が、面白いに決まってはいる。
「それに校長が拒否権与えるわけがないしね〜。優勝商品が、主人公の役と好きな物を一個ってのが、何よりの証拠だよ〜。」
やっぱりそうきたか校長め!‥あれ?でもよく考えてみれば、体育祭ってチームでやる事じゃないのか?
「魅異、体育祭の内容は何だ?」
「特星全体から参加したい人を集めて、一対一で戦わせるらしいよ〜。チームごとに様々な異次元のコロシアムで戦うから、一度に同時バトルをして、時間短縮もするらしいね〜。」
「特星全体から!?普通にレジェントofバトルより凄い戦いだろそれ!」
「でも、参加したい人だけだよ〜。まぁ、商品の事は、噂で皆知ってると思うけどね〜。」
ほとんどの人が参加すると思う‥
「とりあえず、まだ受付をしてるし、行ってみよ〜。」
「お、おぉー。」
それで受付を終わらせた俺達は、謎の入り口(異空間へのゲート?)を移動して、異常に大きなコロシアムに到着した。
「ってか、俺達の学校って、何か特別な施設が多い気がするな。マジで何でだ?」
「ある意味特星の中心だからだよ〜。不老不死ベールは学校から特星中を囲んでるからね〜。」
そういえばそうだな。前に簡単に盗まれた事もあったし…
「おっ、あの俺達の待機室はあの部屋か?」
「そうだよ〜。」
入り口の看板には、悟君の家チームと書かれている。そして隣には、悟君達の相手チームと書かれている。…俺達と、その相手チームには、特別に待機室があるらしい。
「皆〜、到着したよ〜。」
と言って魅異がドアを開けるが中には誰も居ない。
「あれ〜?部屋を間違えたかな〜?」
[ズガァァァン!]
「もうバトル中か!?」
「それなら応援に行かないとね〜。」
「おっ、やってるね〜。」
コロシアムの真ん中で誰かが戦っていて、そこから離れた場所の椅子に。皆座ってバトルを見ていた。邪魔しないように俺達も椅子に座る。
「羽双〜、あの戦ってる二人のどっちが勝つと思う〜?」
「多分、剣を使っている方だと思いますよ。」
急に話し掛けられたのに冷静な羽双。剣を使っている方か。
…あれ?あの髪の色はもしかして。
「魅異、剣を使ってる方ってウィルか?」
「そうだよ〜。」
帰ってきてたのか!?相手は何処かの軍隊の兵士みたいな奴だ。
「エナジー・ブレイクッ!」
[ズババァァァン!]
おぉっ、ウィルの攻撃で敵は壁まで吹き飛んだぞ。
ウィルの勝ちが決まると同時に、皆が喋りだす。
「あっ、悟さん。」
お、ウィルが俺に気付いてこっちに来た。
「よっ。結構長い旅行だったみたいだな。」
ウィル達は50話突破記念パーティの時に旅行に行った。その期間は、色んな奴と出会うほど長かったな。実際は数日だけど。
「ハイ。この体育祭が無かったら、もう少し時間が掛かってましたけどね。あと、結構家に居る人って増えたんですねー。」
確かに夏休み中に結構な人数に増えたよな。あっ、今も夏休み中か。
「そういえば、次の試合は悟さんの番ですよ。」
「えぇっ!?マジで!」
さっき来たたばかりなのにもう出番かよ!
「それじゃあ、行って来る!」
「気をつけてくださいね。」
よっしゃ行くぞぉ!
さてと、とりあえず、コロシアムの真ん中まで来たんだが、相手は何処だ?
「お前の相手は俺だ!」
「‥ハァ」
思わずため息が出る。俺の初戦の相手は、最初だけ登場回数が多かった、使い捨てキャラである魔王クレー。
「使い捨てキャラが何してるんだ?」
「誰が使い捨てキャラだ!確かに久々の登場だが。」
お前の特徴の無さと技名の考えにくさは俺でも真似できないけどな。
「まぁ良いか。雷混水圧圧縮砲!」
この技は水圧圧縮砲に電気を混ぜて相手に撃つ技だ。水圧圧縮砲の威力と電気の威力を合わせた威力を誇る。
「奥義・ジュエルウォール!」
宝石の壁!?ってか魔法かよそれ!
「この壁は宝石で出来てるから、その程度の攻撃じゃあ壊せないぞ!」
そういって全方向に宝石の壁を出すクレー。
こういう行動をすると、大した勝負にならずに終わるのが、この小説のパターンだぞ?
「そらっ!」
そういって俺は上からあるものを上から投げ込む。
[カンッ!]
「痛いっ!!上からかよ!」
上にも宝石の壁を出すクレー。‥この勝負、俺の勝ちだな。
数分後、宝石の壁が消えて、中から顔色の悪そうなクレーが出てきて倒れた。
「俺の勝ちだ。」
クレーを倒した方法?中に空気吸い取り機の小型版を投げ込んだんだ。
それで上を宝石の壁で防いで、酸欠になってクレーは自滅したって訳。
「次の試合は、私と誰だろうね〜?」
次は魅異みたいだな。相手は誰が来ても勝てないと思うけどな。