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60話:ホテルでも休憩する暇はありません

@悟視点@


前回の町からは何の問題も無く次の町についてホテルまで着いたんだが‥


このホテルではバトル自由という迷惑なルールが有るらしくそこら辺の人から何故か挑まれてるんだ・・・・・何で?


ちなみに羽双に挑んだ奴は首吊り状態で廊下の天井に吊るされてた。自殺に見えるんで止めてくれ。


部屋は羽双が面倒だと言って前回と同じチーム……だから羽双とジャルスが相部屋で俺とアミュリーが相部屋だと勝手に決めていた。


また馬鹿二人が来るに決まっている‥どうしよ。


「部屋に着いたです。」


あれもう着いたか。考え事をしてるとあっという間に着くな。よく見たらいつの間にかパ層等も居ないし。


「とりあえず鍵は閉めとくか。」


到着した部屋は見事に綺麗な部屋だ。バトル自由のホテルの部屋とは思えないな。此処の清掃員はかなりの腕前だなうん。


「窓や壁の修復ボタンが有るです。帰るときは必ず押してくださいって書いてあるです。」


清掃員を褒めた矢先にそういう事を言わないでくれ………でも修復ボタンか。家に有ったら便利だな。魅異が壁を壊した時とかに使えそうだがスイッチも破壊されそうな気がする。


「それにしても良い景色だな此処。」


窓から外の景色が一望できる。言い忘れてたが此処はこのビルの五十階だ。このビル自体は五十階建てで三十階から上は全てホテルだ。だから五十階に泊まれる事はあまり無い。


なのに此処に泊まれたのも羽双のおかげだ。羽双が一番良い部屋を用意しないと潰しますよ?と自分の二倍くらいの大男の店員に言ったんだ。その店員はぶちキレて羽双に襲い掛かったんだ…それで三秒後に土下座して鍵を渡してくれた。


そういえば襲ってきた奴らも同じ服着てたな。まぁ結果的に全員首吊り状態な訳だが。


「あっ烈と雑魚ベーです。」


「えっ?」


窓の方を指さしてアミュリーがそういうので見てみると‥馬鹿共が窓に張り付いてた。


馬鹿が窓に張り付いてる。ってか覗いてる光景はムカつくので‥


[ズキューン!ズキューン!]


「「ぎゃあぁぁぁぁぁ!!」」


撃ち落してやった。どうでも良いけど窓を割って撃ったのに窓の割れる音がしない。


「アミュリー窓の修復ボタンを押してくれ。」


「はいですー。」


アミュリーがボタンを押すと俺が撃った窓が落ちていって別の窓が出てきた。


落ちた窓は先に落ちていった馬鹿共にHITすることだろう。


「とりあえず馬鹿共は落とし‥」


「みゃ〜、みぃ〜、みゅ〜、みぇ〜、みょ〜。」


・・・・・・・アミュリーが笑顔で意味不明発言をしてました。瞳を見れば黄色‥いやレモン色の瞳で髪の色と同じだった。


「にゃ〜、にぃ〜、にゅ〜、にぇ〜、にょ〜。」


レモン色は一番本当のアミュリーに近くそして一番馬鹿らしい。ってか今の行動自体が俺には既に意味不明だ。


「アミュリー?」


恐る恐る(あまり怖くは無いが)呼んでみる。言葉が通じますように‥


「やっぱり重要だってば!」


「へ?」


笑顔でそういうアミュリーに一文字の疑問系の文字で答える。必要って何が?


「‥何が?」


「さっき言ったばかりだってば。」


言ってないよ!何が必要なんだかはっきり言って欲しい。考える俺を見てアミュリーはもう一度言うために息を少し吸い込んだ。


「みゃ〜♪みぃ〜♪みゅ〜♪みぇ〜♪みょ〜♪にゃ〜♪にぃ〜♪にゅ〜♪にぇ〜♪にょ〜♪」


最初より楽しそうに言うアミュリー。あと‥言ってたのに言ってないなんて思って悪かった。と思考内で謝っておく。でもそれが必要なものか?


「えぇっと、それがどう必要なんだ?」


「現代人はこの言葉をあまり使わないでいるからもっと使う必要があるんだってば!」


いや無理に使う必要があるのか?とツッコミたいんだが元気良く説明してるアミュリーを見てると無理な気がしてきた‥楽しそうなところ邪魔するのもダメだし。


「ところでその窓に止まってるのはセミだっけ?」


「セミ?」


いやいやこんな高い所にセミなんか居ないだろ。と思って窓を見たら居た!セミ‥らしき生き物の着ぐるみを着て窓にくっ付いてる馬鹿が二人。これを見つけた時点で俺の行動は決まった。


[ズキューン!ズキューン!ズキューン!ズキューン!]


当然撃ち落してやったぜ。今度は一人につき二発の銃弾サービスだ。当然二人にHITして落ちていった。


窓ガラスがまた割れたな。今回も割れる音が無かったけどちゃんと割れてるぞ。


「アミュリー窓の修復ボタンを押してくれ。」


「分かったんだってば。」


あっ、いま気付いたが尾語にだってばが付くのが口癖らしい。でも付けてない時も有るよな?


「ふぇ?どれを押せば良いか分からないんだってば。」


むぅ〜とか言いながら聞いてくる。スイッチが分かってどれを押すか分からないのか?


「窓って書いてある奴を押せばいいんだ。」


「窓ってこれだっけ?」


あっ、だってばを付けてなかった。いやそれよりも平仮名で書いてあるのに読めないのか!?


内心ちょっと驚きつつアミュリーが指さしてるスイッチを見ると平仮名で天上と書いてあった。


‥思考内で二回驚いたあとアミュリーに一つ聞いてみる。


「・・・・・平仮名が読めないのか?」


「読めないんだってば!みゃみぃみゅみぇみょハハハハ‥」


笑いながら答えるアミュリー。その笑い方についてはツッコミどころが多すぎるので放置しておいて‥思考内で三回目の驚きを実感したあと勉強の言葉が浮かんでくる。


「よしアミュリー、今から平仮名の勉強をするぞ。」


「えぇー、アタシは勉強が苦手なんだってば!」


アミュリーの勉強は困るという言葉が聞こえてくるが決定事項だから拒否権は無い。


窓の修復ボタンを押したあと俺は五枚の四角いカードを用意してあ・い・う・え・おの文字を書いていく。あとどうでもいいけど修復ボタンと言う名前の割には窓とかを直してるんじゃなくて新品に入れ替えてるだけだよな。まっ、本当にどうでもいいけど。


「いいか?これは『あ』でこれが『い』でこれが『う』でこれが『え』でこれが『お』だ。」


「むぅ‥」


ジーっと文字を見て覚えてようと頑張るアミュリー。


「じゃあこれは?」


俺が差し出したのは『い』のカード。覚えやすさは高いと思うぞ。


「それは『そ』だってば!」


ビシィと指をつき付けて言うアミュリー。いやいやいやいやいや!全然違う!‥何処をどうやったら『そ』の答えが出るのか問いたい。


「たいした自信だが完全に大ハズレだ。」


「ふぇ〜?」


何で?と言いたげな顔で首を傾げてくる。間違えたからに決まってるんだけど間違える理由が全く持って分からん。


「・・・・・次の問題行くぞ。」


「きゅ〜‥かなり疲れたからちょっと待って欲しいんだってば。」


一問で疲れたのかよ!?ヤバイ‥これじゃあ俺の体力の方が持たないな。‥あっ。


[カチャ、ドゴオォォォォォン!!]


忍者の姿で窓に張り付いてた馬鹿共を見つけたから撃ち落した。ってか懲りずに何回も来るから撃ち落されるんだろうが。諦めれば良いのに。


まぁ来るなって思ってもどうせ来るだろうな。それより勉強勉強‥


「何こっそり逃げようとしてるんだコラ。」


「きゅぅ〜‥」


ドアからこっそり逃げようとしてるアミュリーをズルズルと引っ張ってくる。あと二秒遅かったら多分逃げられてたな。


とにかく!今日中に絶対にアミュリーが文字を読めるようにするぞぉ!!












五時間後‥そのやる気は完全に疲労と諦めに染まっていた。

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