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50話:乗っ取りに注意しましょ〜

@魅異視点@


朝だね〜。そういえば、今日は何かの封印を解くんだっけ。


「それじゃ〜、本番に備えて封印を解いてみようかな〜。それ〜。」


別にそれ〜は言わなくて良いんだけど、雰囲気作りの為に言ってみたりしちゃったね〜。


[キィン]


効果音のダサさはあえてスルー。


{・・・・・私は出られたの?}


出てきたのは、何か目に見える気体が丸くなった感じの奴。


「そうだよ〜。一応出れてるでしょ〜?」


{貴様は私を封印した憎きアホ!‥私の体は何処にやった!?}


「一応、別の魂みたいなのが宿ってたから、ちょっと前に放置しといたよ〜。」


{ハィ!?}


「それで、最近気絶したって噂だよ〜。」


{あれは私の体だぞ!勝手に放置するなぁ!ってか死ね!}


「もうちょっと淑女は丁寧な言葉で喋らないと駄目だよ〜。」


{あぁもう。・・・ところで封印されてる間に、魂で行ける迷宮を作ったけど遊ぶ?何処も壊さずにクリアーしたら、商品が貰えるんだけど。}


「商品貰えるのなら当然やるに決まってる‥」

[♪♪〜♪♪〜♪♪♪、♪♪〜♪♪‥]


あっ、悟から電話だ。


「もしもし〜?ただいま取り込んでるから後にして〜。」


[こっちが優先だ。昨日、ウィルと誰かが拉致されてるのを、変な男が助けたようなんだ。]


「えっ、ウィルが〜?もしかして、ずっと寝てる〜?」


[ボケ役の話では、見つけた時から寝てるらしい。今も、お前の会社の診察室で寝てるぞ。]


「診察室なら・・・・・・物理無視の魂送り〜♪」


「・・・・・・・で?」


「ウィルの意思はそっちに送ったよ〜。」


「いや、どういう意味だか全然理解できないんだが?」


「簡単に言うと、悟の所に居るのがウィルの体で、私の変身で出ていたウィルは魂だけだったって事だよ〜。そして魂を本体に送ったから、完全なウィルが復活するってことだよ〜。」


「何か良く分からんが、起こせば良いんだな?」


「そうだよ〜。それじゃあね〜。」


[ピッ]


「さて〜、とりあえず迷宮はやるよ〜。」


{本当!?それじゃあこっちへ!!}


[グゥン!]


最近は特性で異次元ブームらしいけど、こんな魂にまで流行ってたとはね~。







{・・・ハハハ!完全に馬鹿だ!魂でプレイってことは、その間に私がこの魅異の体を乗っ取れるって事を、知らずに行っちゃったよ!これでこの星は私の物だ!!ウハハハハハ!!!まずは手始めにあの馬鹿の会社でも占領だ!!}



@悟視点@


「ウィルー!朝だから起きろ!」


「ZZZzzz・・・」


寝てるけど、魅異は本当に意思を送ったのか?・・・試すか。


「・・・あっ、とっても柔らかそうなスライムd‥」


「えぇっ!?絶対GETしないと!一体何処ですか!?」


早えぇ・・・起き上がるとき残像が見えたぞ。


「あぁ悪い見間違いだった。」


「そうですか・・・あれ此処は?ってかそこで寝てるのは魔王!?」


「あぁ・・・・・・・そうなの!?」


ウィルと同じ位の年だぞ!?


「初代魔王に認定されたのが彼女なんですが、・・・特星を乗っ取ろうとする悪霊が初代魔王取り付いたので、私が倒しに行ったんですよ。」


何か凄くシリアス的な状態に突入してしまったんだが。



「それで相打ちになって、私と初代魔王は別方向に吹っ飛んだんです。飛んでる時に、彼女から悪霊の魂が離れるところを見たので、私は特殊能力を使って、魂の状態で空中から探したんです。でも、見つからなくて。自分の体に戻ろうと思ったら、初代魔王と私の体が無くなってたんです。」


・・・滅茶苦茶アホじゃないかそれ!?ってか話の趣旨が元魔王からウィルにずれてるし!


「結局、その悪霊ってのはどんな奴なんだ?例えば弱点とか。」


「えっと確か‥馬鹿にされるのが嫌いで、性別は女ですけど、淑女らしさが少ないのが弱点です。」


それって弱点なのか?・・・・・とりあえず弱点って事にしとこう。


[ビー!!ビー!!ビー!!侵入者有り!戦闘レベルは秘密です!!全員、自分ことだけを考えて生きましょう!]


此処はセオリー通りに例の悪霊か!?


ついでに戦闘レベルは放送しろよ!あと生きましょうって誤字じゃないよな!?そんだけ強いって事か!


[ドガガァァン!!]


{ハハハ!!こんな会社なんか、私が全て破壊してやる!}


「あっ、寝てる奴と同じ姿だ。赤髪だし。」


「多分、例の悪霊でしょうね。」


{んっ?そこに有るのは私の本体じゃないか!寄こせぇ!}


[キィン!]


これは剣で弾く音+ボケ役と交替した音だぞ。我ながらナイスタイミーング。


〔ってか、何の前触れもなくチェンジするな!〕


ちょっとこいつの体が気になったんだよ。


{なんだお前は?}


「俺は役者だ!そして監督でもある!」


「あっ、ボケ役の悟さんですね。」


{あー、そう。‥で、私に何のよう?とは言っても、対等に話せるのは今の内だけど。}


「ちょっとこの台本を読め。そうじゃないと、お前のキャラ設定を滅茶苦茶にしてもらう。」


〔どんな脅しだよ!?ってか常識ハズレもいい加減にしやがれコラー!〕


{キャラ設定?私はそんな事信じてないから断るわよ。}


やっぱり無理か。普通じゃない奴、・・・・・例えば悟とかなら騙せるのに。


〔ってことは俺は普通じゃないのか!?シ、ショックだ・・・〕


「そういえば、魅異の体に乗り移ってるだろ、お前。」


{気付かれたか。でも、確かにその通り。}


「えっ?それなら今の私の体は・・・」


「本体だぞ。」


「ええぇ!?そうなんですか!?」


「うん。魅異好きの俺が言うんだ、少なくとも魅異の体じゃないな。」


{とにかく!封印を解いた私に敵う訳が無い!!!}


「封印は解けても、魅異自体には2つの弱体化の術が掛かってるぞ」


「魅異さんなら余裕で解けますけど。・・・でも貴方じゃ無理でしょうね。」


{私を馬鹿にするなぁ!!!私こそ、この星の支配者だ!!!!}


「でも馬鹿は馬鹿だろ。ってか神を超えても、魅異を超えれて無いだろ?」


「そういえば、魅異さんの体は何処へ行ったんでしょうね?」


{奴はもう、私の作った迷宮で永遠に彷徨ってる筈だ!!!}


「えっ、そうなんですか?」


「あぁ、そうだ。結局作り損だぞ?もったいない。」


本当は知らなかったが・・・まぁ良いか。魅異に、迷路は意味を成さない事は確かだ。前も絵本の迷路を簡単に解いてた。


〔それは誰でも解けるだろ!〕


「とにかくウィルは、そっちの赤髪を何処かに避難させるか、何処かに捨ててきてくれ。」


「それでは避難させてきますので、気をつけて下さいね。」


「却下。」


だって気をつけたら面白くないだろ。


{あっ、待て!}


「お前こそ待てぇい!お前はこの、悟様の世界へ来い!」


[グゥン!]


ふふふ、悪霊を別次元に引きずり込んだぜ。


{別次元だと!?お前は何者だ!}


「お・れ・は・魅異の追っかけだ!お前は、魅異の体に取り付いて、変身してる事がダメだ!俺もまだ取り付いた事ないのに、羨ましいぞコラー!」


{・・・ただの馬鹿?}


〔その通りだな。〕


おぉ、立ち直ったか。まぁお前はスルーさせてもらうけどな。


〔何でぇぇぇ!?〕


{まぁ、勝負を挑まれたからには相手してやろう。マイン!}


「何も起こらないじゃないかバーカ!バーカ!覚悟し‥」


[カチッ、カチッ!カチチチカッチ!]


[ズコココォン!ズコココォン!ズココココォォォン!!!]


「ぎゃー!」


〔いきなり罠に掛かるなぁぁぁ!〕


{馬鹿はお前だ!マイクロレーザー!}


[ビィン!]


「ぐぁー!」


{死ね死ね死ねぇぇぇ!魔王拳!}


[ズゴガァァァァン!!]


「パクリだ!・・・あっ、ぐぎゃー!」


〔{明らかにワザとだろ!}〕


あぁーあ、気付かれたか。


「俺には偽者の攻撃なんか通じるぞ。」


見たかこのつまらないフェイント!実際、結構痛かったし。


{打撃がダメなら‥デス・フォッグ!}


[シュー!]


{その霧は毒性で、この星でも感覚麻痺位はする威力は有るわ。]


「なんの!前にツッコミ役の二万セルで買った、高性能空気清浄機‥って、中古品で壊れてる!」


〔勝手に人の金で空気清浄機なんか買うなぁ!しかも壊れてる中古品なんか買いやがって!〕


{ハハハハハ!これなら私の勝ちは決定するわね!}


「この際、百セルの安物で良いか!スイッチON!」


[グオォーーーーー!!]


〔百セルなのに、威力がやけに高ぇ!!〕


{クソッ!何だお前は!私こそが全て!全ては私の物!!それは運命!宿命!なのに反抗する気!!!??雑魚は私に従え!!}


〔あれ?この言葉と似たような事を聞いたような・・・〕


「チャンス!そうか?いや、お前の物になるくらいなら、普通は反抗するだろ。犬でも鳥でも馬鹿でも。‥ってか誰でも。・・・あとは電話して‥」


[ピッピピピピッピッピッ]


[あ、もしもし!無事ですか悟さん!?]


「もしもし、ウィルか?俺は無事だぞ。それより相手が、『私こそが全て!全ては私の物!!それは運命!宿命!なのに反抗する気!!!??』とか言ってたから、『いや、お前の物になるくらいなら普通は反抗するだろ。犬でも鳥でも馬鹿でも。』と言い返したんだが。」


〔・・・あっ、思い出した!前に見た夢の内容じゃないか!〕


[そうなんですか。悟さん、・・・そこは、もう少しかっこいい事を言うべきですよ。]


「そうだよな。そんじゃあなー。」


[えっ?それだけですk‥ツーツー。]


〔いやいや!何の用で電話したんだよ!?〕


「電話代の無駄ですよ、それ。」


「別に良いじゃん・・・・・んっ?」


此処に居るのは、俺と相手だけだよな?誰だ!?まさか裏ボスとか?


〔いや、良く見ろ。昨日ウィルと敵の本体を助けた奴だよ。〕


{誰だお前は!?}


「僕は羽双です。さっさと死んでください。」


〔何か、いきなり死んでくださいって言った!礼儀正しそうなのに!〕


ってか敵は敵で震えてるし。確実に怒ってるな。


{な、なぜ私が、貴様如きの頼みで死ななky‥}


「それじゃあ、死ね。これなら頼みじゃないから十分ですよね?」


{・・・くたばれぇぇぇ!!ダークシャープミサイル!}


「嫌です。それっ。」


[ズゴォォォン!ズゴォォォン!ズゴォォォン!]


おぉ、凄い。爪楊枝つまようじを投げて防いだぞ。


{まだまだ!ダークシャー‥}


[ドカァーン!!]


{ぐぎゃ・・・}


う、団扇で叩き倒した!・・・やるぅ!


〔今の音って、団扇で叩いた音なのか!?ってか、そんな攻撃に目を輝かせるな!〕


いや〜、だって凄くやりたいし。


[グゥン]


おっ、元の世界に戻ったな。別次元で戦いながら動いてたから、勇者社から遠い所に出てしまった。


「じゃ、さよなら。」


[ベッシィィィン!!!]


敵を叩き飛ばした!ってか、団扇は何で壊れないんだ?


「さて、じゃあ僕は帰りますね。」


「ちょっと待った!何で俺のフィールドに入ってこれたんだ?」


「魅異さんに飛ばしてもらいました。町にあった迷宮を迷わずにクリアしたら、僕のところに魅異さんの魂だけが飛んできたんです。」


〔でも、魅異は何で此処が分かったんだ?〕


確か魅異は、新スーパー勇者探知機改造版DX自分だけ有効バージョン1.18を使えるぞ。


〔・・・それってどんな道具だよ?〕


道具じゃない、技だ。


〔あっそ・・・〕


「それでは、また会えたら会いましょう。」


「おぉ。じゃあな〜。」


さて、避難させられた初代魔王でも見に行くか。




〜勇者社〜


到着。もう夜だし‥弁当売ってないかな?


「あっ、悟〜。」


「魅異ぃぃぃ!無事だったかぁ!」


「ミネラルレーザー♪」


[ズババババァッ!!]


「ぎゃあぁぁぁ!」


〔だ、大丈夫か?〕


あぁ、大丈夫だ。胴体に風穴が開いただけだ。


大丈夫じゃねえぇぇぇぇ!!!普通は即死レベルじゃねぇか!!


「魅異、何かくっ付く物でも頂戴。あと体の一部になりそうな物も。」


「それなら、このジャルスの瞬間接着剤と、烈のクリスマス物質でいい〜?」


〔いやいやいやいや!ボンドはいいとして、(本当は良くないが)クリスマス物質ってなんだよ!?〕


「魅異がいいなら、それでOKだ!」


「じゃあこれとこれね。」


「うぁ!・・・なんだこりゃ?」


おいツッコミ役。


〔何だ?〕


お前が俺なら、多分今頃倒れてるぞ。


〔いや、待てやコラァ!一体何を渡されたんだよ!?〕


あー、うん。何か正直捨てたいような物だ。何か動いて‥跳ねてる。


〔捨てろよ!マジでそんなの体に植えつけるな!!俺にまで被害が来る!!〕


残念ながら手遅れだぞ。ボンドで無理矢理固めたから大丈夫!


〔何ぃ!?〕


「ところであの元魔王はどうなった?」


「それが記憶喪失で、名前とか思い出せないんだって〜。」


「ウィルに聞いたら早いんじゃないか?」


「ウィルは元魔王とは仲は良かったけど、名前は覚えてないらしいよ〜。」


まぁ、あの勇者なら知り合いの名前を、1年くらいで忘れるだろうな。


「そういえば。水魅知らない〜?勇者社に来てた筈なんだけど居ないんだ〜。」


「家か?それなら俺が見てくるぜ!」


「居なかったら、そのまま報告無しで良いよ~。」


「オッケー。」





〜そして家〜



「ただいま〜。・・・・・何やってるんだ?」


何か、ネガティブなマイナスオーラを出してる奴が居るんだが。せめてマイナスオーラより、マイナスイオンにしてくれ。


〔・・・あちゃー、魅亜の事忘れてた。〕


「ハァ‥今日1日誰とも会わなかった・・・」


・・・・・・・・・・放っておこう。


〔おい!?〕


水魅は居ないし・・・腹減ったなぁ。まっ、飯食って寝よ。

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