35話:全力 DE 鬼ごっこ!
@悟視点@
「誰か助けてぇぇぇぇぇ!!」
「逃がさないよ〜♪」
朝から無駄に騒がしいのは俺じゃない。
異常者・神離・変人・馬鹿のイカレた大勇者と、その弟子の二人だ。勇者が弟子に何か技をかけてる。
朝飯食った直後からこの調子でうるさい。マジで大音量だから近所迷惑だ!
[グキッ!]
「にゅにゃぁぁぁ!!・・・・・」(気絶)
あっ、骨が折れたな。気絶したから多分首か‥って首はヤバイだろ!水魅、ご愁傷様ですっと。
「ごめんね〜。」
反省して無いだろ魅異。ってか冗談抜きで姉妹に見えるな。苗字も同じだし、とても同級には見えないぞ。
「よし、もう1回やっちゃおうかな〜?」
「もう止めとけ。今日の高校いけなくなるぞ。」
「えぇ〜。・・・そうだちょっと待っててー。」
魅異はケータイを取り出して電話を始めやがった。俺も一応持ってるが、あまり使わないな。
それより水魅は‥
「うぅ、痛いよ、師匠ぉ」(泣きながら起き上がる)
「大丈夫か?」
「あっ、悟君・・・砕けた骨はもう直ったよ。」
早っ!十数秒で治ったのか!?神離族(神離家?)恐るべし・・・・・
ちなみに水魅は他人を君付けで呼ぶ。校長と同じタイプだ。
「それじゃあ頼んだよ〜」
「何の電話をしてたんだ?」
多分、ろくな話じゃないと思うが。
「今から水魅と鬼ごっこをやるよ〜。高校には休みを取っておいたから〜。」
「「へっ?」」
俺と水魅が思わず首を傾げる。
「ルールは簡単!今から水魅と誰かが、夜の10時まで逃げ切れば、今日の特訓を免除するよ〜。」
骨を折ることが特訓だったのか?そんな訳ねぇ。
「逃げ切れなくて、此処まで連れて来られたら10時まで特訓の続きだよ〜♪」
魅異は鬼だな。うん魅異isデーモンって事で。
「ちなみに鬼は私と勇者社の社員+学校の皆がフル出動するからね〜♪」
マジでデーモンだぁ!デーモン!デビル!えぇ〜と・・・人でなしって英語で何て言うんだ?
「でもそれだと師匠の方が有利ですよね。私にもハンデが欲しいんですけど。」
それは無いと流石に酷いだろ。あと今頃気付いたが、水魅って魅異には敬語だな。
「水魅のハンデは一般人などを盾にしていい&サポート役を1人付けていいよ♪」
「盾にしていいって師匠まさか・・・」
「もちろん攻撃で気絶させるのも有りだよ〜。他にもいろいろOK〜。」
やっぱり魅異流ルールが入ってるか。まぁ水魅も頑張れよ〜。
「サポート役は‥いました・・・・・」
って、何でこっちを見るんだ水魅!まさか俺にも犠牲者になれと?ちょっと本気で勘弁!俺の場合は既に何回か死に掛けてるって!オーイ!
「悟君、サポート役を頼んでいいかな?」
「全力で断らせてくれ!水魅が大変なのも分かるが‥」
「それじゃあOKだね。師匠、悟君に決定しました。」
「OK〜。」
ノォォォォン!!OKじゃないから!全然OKじゃないから!
「ちなみにサポートか水魅のどっちかが捕まれば、その時点で両方アウトだよ〜。罰も両方だから~。」
・・・逃げ切るしかないな。10時まで逃げ切ってやろうじゃないか!
「水魅・・・こうなったのもお前のせいだから、責任取れよ。」
「了解。まぁ、私が悟君の盾になって出来る限り守り通すから、安心しててね♪」
そういえば水、魅って基本はやられ役だよな・・・それじゃあ、お言葉通り盾として使うか。
「今から5分後にスタートだよ〜。あと鬼は全員☆マークの付いた黒い帽子を被ってるから、それで見分けをつけてね〜。」
そーゆー訳で、俺達は家から飛び出した。当然、武器を持ってだ。
〜現代エリア(公園)〜
とりあえず、広めの公園に来てみた。あと2分で開始か。
最近現代エリアの拡大のスピードが速くなってるらしく、特星の陸地の0,0015%位が現代エリアになったらしいぞ。第1話のときの紹介では0,00005%位だったのになぁ。
0,0015%って事は、およそ島国位の広さと言えば分かりやすいかな?
・・・よし2分経過したし、鬼達が動き出すだろうな。現代エリアの状態についてはまた今度な。
「水魅、そっちには鬼は居るか‥って何してるんだぁ!?」
「噴水で泳いでるだけだよ。」
「泳ぐなぁ!」
他人が怪しい者を見るような目で見てくるじゃないか!
「あっ目標が居たぞ!捕まえろ!」
水魅が見つかったぁぁぁ!!
「片方捕獲しましゲハッ!!に、逃がしました!」
勇者社員の部下らしき方が水魅を捕まえようとしたが、顔面をどこからか取り出した金棒で叩かれ、逃がした様子。
「しっかりしろ、この馬鹿上司課長野郎!こんな事だから俺達みたいな新人部下に馬鹿にされるんだろーが!分かったかこのボケが!!」
[ゲシ!バキ!ドカ!ベキッ!]
「すみません!今月の給料3倍に上げますから、蹴りだけはやめてください!!」
逆だった!ってか課長を蹴る新人部下ってどんなんだよ!?・・・こんなのか。とりあえず課長が可哀想+周りの人に迷惑なので・・・・・
「ミニガトリング砲!」
[ドガガガガガガガガガガ!!!!!]
「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!」」」
俺はどこからか取り出した、通常サイズより小さなガトリング砲で撃ちまくってやった。課長、部下、水魅に弾は直撃して3人は気絶したぜ。
「そんじゃあ逃げさせてもらうぜ。」
水魅を担いで急いで走り出す。不審者じゃないし、誘拐犯でもありません。だけど‥
「あそこに不審者がー!」
「銃を持ってるぞ!」
「誘拐犯だ!」
・・・って感じに誤解されてる〜!確かに銃を持った高校生位の男が、小学生高学年位の女子を誘拐してるように見えるが、違うんです!俺は無実なので誤解は止めてくれー!
[バババババババババ]
んっ?この聞く事が多いようで少ない音は・・・ヘリ?
〈あー、あー、ベタにマイクのテスト中ですよ。〉
校長の声だ!って、上の戦闘ヘリはいつの間に居たんだ!?
〈悟君、聞こえますかー?今回の鬼ごっこの参加権をもらったので、生徒全員で参加させていただきましたので、覚悟してください。〉
建物の間から更に戦闘ヘリが!?1、2、3、4、・・・・・・・・・250機も居るし!
〈ってことで、皆さん集中攻撃です!〉
[ドォンドォンドォンドォンドォン]
ミサイル撃ってきたぁ!?
「だが甘いぜ校長!やられ役ガード!」
[ドゴゴゴゴゴォォォォォォォン!!]
全てのミサイル攻撃を水魅を盾にして防ぐ。酷い?コイツはやられ役だから多分大丈夫だ!えっ可哀想?鬼ごっこに巻き込まれた俺のほうが可哀想だ。
「さて・・・防いでるとはいえうるさいな。・・・追跡レーダー付き対空バスーカ発射!」
[ドォン・・・・・ドガァァァァン!!]
1機撃破!そのヘリの部品が他のヘリのプロペラにぶつかり、次々撃破だ!
当然、降り注ぐヘリの部品も水魅でガード中。
〜特星エリア(40分後)〜
あの後ヘリは全部破壊したんだが・・・
「悟君のバカやろー、ばかやろー、BAKAやろー!」
[バコォン!ドガァン!ゲシィン!]
「盾にした事は悪かったと思うから、棍棒で叩くのは止めてくれないか?」
水魅が盾にしたことが気に入らなかったらしく、棍棒で何度も頭に攻撃して来るんだ。
・・・・・いや結構痛いから早く止めてくれ!
「オイ!魅異が来たぞ!」
「そんなウソに騙されるほど私は甘くは無いよ。」
「でも、真実だったらどうする〜?」
「「・・・逃げろーーー!!!」」
「逃がさないよ〜♪」
〜5秒後〜
捕まった・・・いや早すぎだろマジで。歩いて音速は反則的だろ!せめてもう1つ術をかけて身体能力を弱めるべきだ!
「だれかぁぁぁぁぁ!!ヘルプゥゥゥゥゥ!!」
「ぎゃあああ!死ぬ!バカに殺されるー!」
魅異の特訓は命がけだ!ビルを斬る謎のスライムが追いかけてくるんだ!捕まったら凄い痛いぞぉぉ!誰かぁぁ!