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デッドエンド1991

作者: 町田すみれ・示村政男

ケイタイもなく、ポケベルすらない、

パソコンは何者だ、

もはやあの曲のレーザーディスクは何者だ?の

LDが活躍してた時代、

まだバブルがギリギリはじけるか

どうのこうのな時期に

15歳の蒔はいた。

花屋を切り盛りする、いとこの佳代姉に

ダジャレと花を教わりにいくのだ。

隣には若菜という名のこれまた

佳代の叔父と叔母の経営するラーメン屋があるのだが、

店が一通り落ち着いたら、食べに行くのが習慣。

一緒に店を手伝う高校生の友達がいた。

名前は加東恭子とすみれ。

心が不安定で何度か病院に入院した恭子の付き添いとして

すみれがお供している。

すみれの腕の中には、

チンチラのかわいらしい猫の「すみれ」がいるので、

とても紛らわしい。

1歳になる、おてんばで、強気なわんぱくにゃんこな

すみれを一気に見初めたのがすみれの弟のなおゆきであった。

スミレの紫の花とバイオレットフィズをもち、

佳代は笑う。

いちいち、うろちょろしてしまうすみれを

加東すみれは持て余している。

途切れながらも続く幸せ。

家族でそれなりな花屋を、花咲かせながらやっていけるのは、

実は貴重な環境なのかもしれない。

けなりー(岡山や大阪の言葉でうらやましい)な風に思われるくらいな人生を歩めるのか、

恭子は煩悶していた。

両親が酒に酔っては口論して、行動力のある育ての母親が家出したりするし・・・。

うっかりカーネーションの花や、いろいろな苗を

倒してしまっては、

心底申し訳なさそうな表情を浮かべて

恭子はますます煩悶するのであった。

ふさふさした毛並みとくりくりな瞳が

白い花のように儚くもかわいらしい子悪魔系猫。

荒れた家庭環境を、一気に塗り替えた

マジシャンキャットがここにいる。

当人(匹ではなく、尊敬する捨て猫拾い作家が人とカウントするので、

それをまねさせていただく)は、

エサを食べることしか考えてないだろうが。

「看板猫にしようかね、すみれを」

「あまりにも惚れ惚れするから、仕事にならないよねー」

「ネズミーランドに行くのを忘れるくらい、はまってしまっちゃう」

「それにしても、いきなり子供やJKの客増えたよね」

「すみれさまさま、じゃけえ」

「ぼっけえ可愛らしい猫じゃ」

「猫の絵を練習してみようかな」

そう、恭子が提案すると

親戚ガールたちがにっこりと首をうなずかせて、

応援した。



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