表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぶじ産めるだろうか  作者: 我
臨月 10ヶ月
81/84

陣痛 赤富士

「これに着替えてください」

前開きの服を渡された

入院着のようだ


「破水しているので、促進剤打ちますね」

「お願いします」


助産師さんが来ては

ときどき様子を伺ってくれる


「どこが今いたい?」

「下腹部が」

「うん。今赤ちゃんが頭通ろうとしてるからそこ痛いんだと思う。ちゃんと息して酸素送ってあげてね」

「はい」


促進剤を打ってから

痛みが増す一方だ


「ちょっと様子見せてね」

「いま6センチ。順調だね」

「……あと4センチですね……」

たしか10センチは開かないといけないはずだ


「いつごろ産まれますか」

「夕方くらいかな」

「夕方って何時ですか」

「18時くらい」

「そんなに!!!」


主人は、このとき

噴き出していたらしい

夕方と聞いて

時間を具体的に尋ねるから

こんな時でも

相変わらずだなあと感じたそうだ


まだまだかかりそうなので

主人には食事へ行ってもらう


鞄からスケッチブックと赤いマジックを取り出す

おさななじみに書いてと頼まれた

赤富士を描く


陣痛中

紙に赤いペンで

富士山、太陽、子宝の絵を

書く

それをプレゼントされた人は

妊娠するというジンクスがある


依頼され、グーグルで画像を調べてから

妊娠中に

せっせと絵を練習した


我は壊滅的に絵が下手だ

だが、赤富士には

絵の上手、下手は関係がない


休み休みではあるが

なんとか描けた

良かった

約束は果たせる


陣痛は

1にも2にも

リラックスすることが大事

読書するひともいるらしい


(息を止めない)

(リラックスだ)

何度も己に言い聞かせる

「力抜いて」

声に出して言う

(酸素を送らねば!)

我が苦しいときは

胎児も苦しいときだ


「がんばって」

「がんばって」


何度も声に出す

胎児には

聞こえているのだろうか

それどころでは

ないかもしれぬ


どうか産まれてきてほしい


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ