破水 いざ
病院で診察を待つ
待合室には沢山の妊婦さん
「うう。痛い。痛い」
思わず声が出てしまう
妊婦さん付き添いの母親らしき女性が
じいいいっと我の様子を見ている
実に興味深そうに
他の妊婦さんもちらちら視線を投げかけてくる
誠に申し訳ない
己の検診のとき
こんなに痛そうにしている妊婦さんを見た経験はない
いったい、なぜこうなったのだ
不安を与えていたらと思うと気が気ではない
その上痛い
呼ばれた
NST
ノンストレステストの結果
胎児は無事だった
元気だ
心底ほっとした
次に診察
「破水してますねー。子宮口も4センチ開いてます。このまま入院して促進剤で産みましょう」
「え?破水してる?」
「うん。いつかわかる?」
「いえ。おりものが大量で、全然わかりませんでした」
「んー。じゃ、いま破水したことにしよう」
(ええええっそんなアバウトでいいんですか)
診察を終え待合室で待っていると
「そうか。いよいよだな。がんばろう」
主人はそう声をかけてくれた
車椅子を押した助産師さんが来た
「乗ってください」
(いえ、歩けます)
と思った瞬間
痛みが走り
乗せてもらうことにした
こんな迷惑をかけてしまうなんて
恐縮である
なぜこうなったんだ本当に
車椅子に乗り
押してもらい
我は陣痛室へ




