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ぶじ産めるだろうか  作者: 我
臨月 10ヶ月
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36週目 10ヶ月

夢を見た

生後数日しか経っていないのに

ベビーベッド、足を折りたたまないと入れないほど

赤ちゃんが大きいのだ

夢の中で我は

(大きいなあ。良かったよかった。それにしてもよく産めたな)

と感じ入っていた


ふっと目が覚めて

(あ、こんなに成長を望んでいたのか……)

と悲しくなった

願望を夢にみるというのをここまで体感したのは

初めてのことだ


それから2日後


検診

胎児は約2080グラム

1週間前の検診から

ほとんど成長していない


我は10キロ増えたというのに


内診は痛かった

「ちょっと痛いですよー。後で血が出るかもしれません」

と言われ

本当に後で出血した


ぐりぐりとされたが

一体何が行われているのかはわからぬ


ううむ

出産はこんなものではないのだ

2日経過しても痛んだ

ううむ


貧血改善のため

ついに鉄分点滴を受けた

フェジン

茶褐色


服薬したときのように

吐いたりもしなかった


入院の説明のため

主人が仕事を半日休んで

付き添ってくれた

ありがたい


エコーの後

モニターを30分ほど2人で眺めた

「え、これ心音?」

「うん」

「大きいね。速い」

驚いていた


しかしその頃

我は隣の胎児の心音に驚いていた

我の胎児とほぼ一緒の速さなのだ


あちらが打つと

こちらも打つ


(おお。2人でリズムを刻んでいるかのようだ)

楽しい30分間だった



「来週診て、大きくなってないようだったらその次の週に促進剤で産みましょう」

と言われ

絶句した

(え、もう?)


「まあそれまでに陣痛来るかもしれないし。週数はもう大丈夫なので。ちょっと早いけれど」

「様子見ますが、赤ちゃんの成長が思わしくなかったり元気がなくなってきたら出しちゃったほうがいいので」


「どんどん歩いてください。なるべく薬使わないほうがいいと思うので」


「お腹の張りどうですか?」

「よく張ります。すごく固くなるときは横になってます」

「あー、この時期はそれが普通なのでもう横にならなくていいですよ」

「え?」

「固くても大丈夫です。出血とか破水しなければ」

「ああ、はい」

「どんどん歩いてください」


次々と繰り出される言葉

診察を終え

頭の中で何度も再生する



主人の出勤時間が迫る

スーパーで降ろしてもらい

歩いて帰宅

もっと歩こう


胎動は相変わらず活発だ

ぐにぐにしている

胃も蹴る


平均よりもだいぶ小さいから

子宮内にスペースがあり

これほど動けるのだろう


こんなに元気なのに……

発育不全と言われるだろうか


38週目で

2300グラム未満だと言われる


ごめん

栄養が足りてなかったのかもしれない

胎児に詫びる

詫びたところでどうにもならない


栄養摂って

祈るだけだ


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