帰り道 (2)
「ねぇ。」
………
「おーい?」
………
「ちょっと待ってよー。」
………
「待ってって!!歩くの早い!ストップ!」
……貴方が遅いんじゃない。
「あ、やっと口聞いてくれた。」
……なによ。笑わないでくれる?
「えー?だって君の前では笑顔でいたいんだもん。」
……あっそう。どーでもいいわ。
「え、え?ちょっと待ってよ。」
なに!?急いでるんだけど!?
「え、あ、ごめん。でも、待って?」
だっから!何なのよ!?手を離してくれる!?
痛いわ!!
「無理。と言うより、嫌。
……ねえ、どうして怒ってるの?」
別にぃ?怒ってないわよォ?
「あー。ダメだよ嘘ついたら。
ねぇ、何かあった?……君に何かしたかな?」
うっさいわね!!なんでもないって言ってるでしょ!?しつこい人は嫌いよ!!
「…君に何かしてしまってたら謝りたいんだ。だから、言ってよ……。」
うぅ……やめてよそんな目で見るの。
「教えて…?」
だ、だって、さっき、可愛い子と笑ってお喋りしてたじゃない……いつもより楽しそうにしてたし……あ、頭、触ってたから……貴方のあんな顔、初めて見たから……
「………か、」
え?なに?どうしたの?
お、怒ってる?
「か、か、か、かわいいー!!!!
え、何!?ヤキモチ!?ヤキモチ妬いてくれたの!?君が!?うっそ!!めっちゃ嬉しい!!ははっ!感激だよー!!」
えぇ!?ちょ、ちょっと!?何なのよ!?い、痛いわ!!離してよ……っ!
「いったーい!!でもイイ!!君がヤキモチ妬くなんて!!!可愛すぎかっ!もう、大好き!!」
なによ!?馬鹿にしてんの!?た、たまにはヤキモチくらい妬くわよ!悪かったわねッ!
ところで結局誰なのよ?あの子は。
「妹!!でも、そんな事いいじゃん!ね、ね、ぎゅーー!!ってしていい?」
絶対嫌よ。
そ、そう。貴方の妹だったのね。……良かったわ。
「拒否しないで!ほら、ぎゅーー!!痛!?」
ふんっ。道の真ん中でやめてくれないかしら?恥ずかしいわ。
「え、ごめん。君が可愛いから、つい。ね?」
あ、頭撫でるくらいなら許すわ。
特別よ…?
「っ!! ありがとう!大好き!!」
はいはい。ほら、帰るわよ?
―――――――――――――――End………
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