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知らない世界で街づくり  作者: 星野 シラセ
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第3章 25話 恐怖

4話アップのうちの4話目です。

これで第3章は終わり、次からは第4章となります。

「・・・さま、ユ・・・様、おき・・・ください。あ・も・・手伝って」


ん?なんか体を揺らされている?


「ユ・・様、・・・きてください、ユウ様!」


体を揺さぶる声の主は誰だろう?聞いたことある気もするが・・・ティカ?・・・二人いるのか?ナミでもなさそうだが・・・


「わかったよ。もう起きるって」


ここ最近人に起こされる前に起きていたのだが、昨日は一日整地の作業もやったし酒飲んだから起きれなかったのだろうか?


揺さぶることをやめない声の主はわからないが、目を開けゆっくりと体を起こす。


あくびをしながら背伸びをして、目がさえてきたので声の主に目を向ける。


「・・・えっと。だれ?」


誰だこの人。一人は身長160cmぐらい、栗色のさらさらセミロングで肩ぐらいまである。顔は美少女といっていいほど整っている。


もう一人に目を向けると、こちらは身長170cmぐらい、銀色の髪の毛で軽くパーマがかかっているようだが長さは背中の中ほどまでありふわふわしていそうだ。


顔も整っているが、先に見た子が清楚な清純派とすると、この子は活発なお嬢様って感じだな。


「やっと起きてくださった。さっきから起こしているのにぜんぜん起きてくれないので大変だったんですよ」


「だから言ったでしょ。ユウ様はお疲れになっているからまだすぐには起きないって」


「でっでも・・・」


なんかわからないが、とりあえず栗毛の子が俺を起こしたかったようだ。


「ごめん。本当にわからないんだけどどなた?」


そう聞いてみたのだが、二人は顔を見合わせて「フフッ」とか「また冗談言って」などといって教えてくれない。


「それよりユウ様、急いで着替えてついてきてください。大変なんです!早く着替えてください!」


なんだかわからないが急いで着替えなければならないらしい。


あれ、着替えどこにおいたんだっけ?


「俺の着替えどこにあるかわからないからティカを呼んできてくれる?」


「ティカ様なら今日はお出かけするって言っていたじゃないですか。昨日お話されていましたよ」


あれ?そうだっけか?酔っ払っていたのかな。何にも覚えてないや。


「着替えならこちらに準備いたしました」


銀色の毛の子が着替えを出してくれた。まぁいいやとりあえず急いでるみたいだから着替えてついていこう。


2人に急かされながら着替えを済まし、部屋から出るとクロがお茶を入れていた。


「ユウ様、朝から騒がしくてすみません。この者達がどうしてもユウ様を連れて行かなくてはならないというものですから」


クロが警戒していないってことは村の住人なのかな?でも・・・覚えていないんだよな。


「ユウ様、急いでください!一大事なんですから!クロ様、ユウ様はお茶を飲んでいる時間なんて無いのです!行きますよ!」


そんなことを言いながら俺の手をぐいぐい引っ張って家の外に連れ出される。


街を拡張したため人の行き来が多くなった広場に一度出て、そこから採掘場のほうに歩みを進める。


加工場と採掘場に行く道には門を設置し、門番も配置しているが、栗毛の子と銀髪の子が通行証を見せてすんなり通過する。


俺はいつも顔パスのため何も聞かれなかったが、この子達がすんなり通れるってことは少なくとも以前に何度かここを通り門番と顔見知りってことだ。


そんな疑問を抱き考えていながらもぐいぐいと栗毛の子に腕を引っ張られる。銀髪の子は背中を押して少しでも俺が早く歩くように急かす。


「ちなみに何があったっていうんだ?こっちは採掘場だけど、なんか変なものでも出てきたのか?」


「変なものが出てきたって言うとそうだけど、そうじゃないの!あの2人が大変なの!」


あの2人?だれだ?あの二人って言うと・・・すぐに思いつくのはケンガイコンビかジュウシマツコンビしかいない。


ちょっといやな予感がしないでもないが、命にかかわることだと大変なのでとりあえず現場を確認してから判断しよう。


加工場を抜けて採掘場に行くとそこには人だかりが出来ていた。


何だろう。みんな何かに注目しているようなので、人だかりの中心に誰かがいるのだろう。


「ちょっと!ユウ様連れてきたから道空けて!!」


銀髪の子が言うとみんなが道を空ける。


「ユウ様!やっと来たか。ケンとガイが大変なんだ!」


人だかりの中からズズが出てきた。青白い顔をしているのでとにかく大変だということは伝わってくるがどう大変なのかは伝わってこない。


「わかった。わかったから、とりあえず二人に会わせてくれ」


俺は採掘中の事故に巻き込まれ怪我をしているのではないかといやなことが頭によぎる。


人だかりの中を抜けてやっと行き着いた。


「なん・・・だと・・・」


俺が見たものはケンとガイ・・・なのだが、何かがおかしい。


その何かとは何か?ケンとガイという2人のケンタウロスがいるのだがケンタウロスの強靭な体を支える足の部分が、なぜかモーンの体になっていた。


キリン柄の牛であるモーンの体からいつものケンとガイのへそから上の上半身部分が生えているのだ。


どうしてこうなった。


「なんでこんなことになってるんだよ!お前ら下半身がモーンになっちゃってるぞ!カラフルだから前よりはかわいげが出たが・・・」


2人はげんなりしている。やはりショックなのだろう。元の競走馬のような引き締まった馬の下半身が牛の下半身になってしまったのだから気持ちもわかる。


「ごじゅ・・・じんさま・・・なんで・・・何でこんな体に・・・」


「ユウ様・・・私と師匠は・・・ここで採掘の手伝いをしていたのですが地中からガスのようなものが出てきて・・・」


ガス?何か地中から噴射したのはわかるがだからといって何故体がモーンになるんだ?


「とりあえず回復させるからちょっと待ってろ」


俺はマテルを使い2人を回復させる。


「ごしゅじんさまありがとう。本当にこわかった・・・このまま消えてしまうんじゃないかって怖かった・・・」


どさくさにまぎれて俺に抱きついてこようとしてきたので少し横にずれてかわす。


「もぉーん、いけず。ちょっとぐらい慰めてくれてもぉーんいいじゃない」


ん?なんか語尾がおかしい気が・・・


「師匠、我々の体が大変なことになっているようなのですが・・・どうしたもぉーのでしょう」


やっぱりおかしいな。体がモーンになっちゃったから「も」が「もぉー」になっちゃうのか?


「とりあえずお前ら2人だけがおかしいだけで他に被害者は居ないのか?」


「・・・?!そういえばジュウシマツの2人もぉーいなかったかかしら」


「2人の姿が見えませんが・・・あの2人に何かあったのでしょうか?」


どういうことだ?ジュウシマツの2人も一緒にいたって言うがどこにも見当たらない。


いつも空を飛んでいるから飛んで逃げたのかと思って上を見上げてみたがそれでも見当たらない。


「あら、あらあら?まだ気づいていないのかしら?」

「そうね、気づいていないようですわね」

「私達ならここにいますわよ」

「ずっと一緒にいたじゃありませんか」

「そこまで見た目が変わったとはおもいませんが」

「そうですわね、ちょっと醜くなったかもしれませんがそこまびっくりするほど変わってはいませんわよ」


・・・声が聞こえる。


俺の後ろから聞こえる


ケンとガイが俺を通り越して後ろの存在に気づき凍り付いている。自分達の体のことでショックを受けたとき以上にショックを受けているようだ。


振り向きたくない。現実を見たくない。しかし確認しなくてはならない。絶対に確認しなくてはならないことがそこにはある。


意を決して振り返ると、そこにはさっきの栗毛の子と銀髪の子がいた。


うそだ・・・うそだといってくれ・・・誰かこれは夢なんだといってくれ!!!


「あ・・・あんたたち、何でそんな姿に・・・」


ケンが放心状態からやっとのことで言葉を搾り出す。


「なんか変なガスが出てきて体に思いっきり浴びてしまったようですわ」

「ケンさんとガイさんは下半身のほうにガスを受けていましたが、私達は全身にガスを浴びてしまったのです」

「気づいたときには羽が無く飛ぶことも出来なくなってい、醜い姿になってしまいました」

「でもユウ様は結構気に入ってくださっていたようでしたわね」


・・・あのジュウシマツコンビがこんなかわいい子になってしまったのか?


お世辞ではなく、今の2人なら周辺の町をひっくるめてもトップ10に入るぐらいの美少女といわれるだろう。まぁティカには劣るが。


出るとこが出ていて、引っ込むところは引っ込んでいる。スタイルがよく顔もいい。貴族の令嬢だといわれても信じてしまうほどだ。


「なんで・・・私も全身に浴びていればごしゅじんさまの好みの女性になれたかもしれなかったのかしら・・・」


そう言いながらケンが地面を掘り始める。


「師匠、私も元に戻るためにはに手伝います」


ガイも地面を掘り始めた。


「おいやめろ!またガスが出てきたとして元に戻れる保障も、かわいくなれる保障も無いんだぞ!」


俺が止めようとしても振りほどき作業を続けるケンとガイ。


ジュウシマツコンビはガスを浴びたくないらしく離れたところにまで後退していった。


「お前ら落ち着けって!みんなドン引きしてるぞ。俺もガスを浴びるのはいやだからやめてくれよ!・・・んっ?!」


やっぱり嫌な事は続くらしい。


ケンとガイが地面を掘ると紫色の水しぶきが上がり、ケン・ガイ・オレの3人が全身に浴びてしまい意識を失った。


-----


「・・・さま、ユ・・・様、おき・・・ください。あ・も・・手伝って」


ん?なんか体を揺らされている?


「ユ・・様、・・・きてください、ユウ様!」


なんかデジャヴが起きている。前にもこんなことが・・・


目を開けるとそこにはいつものジュウシマツコンビが居た。


笑っていない目、イラっとする口元、もふもふの頭と腕の羽。やっと元に戻ったのか。


少し安心しながらゆっくりと起き上がると、そこにはカオスが広がっていた。


ジュウシマツが4匹・・・どうなんってんだ?


「ごしゅじんさま!!よかった。やっと起きた。気を失ってからずっと起きなかったから心配したわよ」


ごしゅじんさま?ってことはこのジュウシマツ野郎はケンか!!


「ユウ様、師匠と私もジュウシマツに・・・」


このしゃべり方はガイだな。


「なんか仲間が増えたわね」

「そうねいっぱい居ていいかもしれないわね」

「でも前のお馬さんの方が乗れてよかったのにね」

「そこは残念だけど同じほうが楽しいわよ」


この2人は元祖ジュウシマツコンビだな。


ってことはおれも?!


急いで光のマテルで鏡を作り自分の姿を映してみる。


・・・やっぱりそうか。オレもジュウシマツの格好になっていた。


何なんだこのガスは。元祖ジュウシマツが元に戻ったのだからそのうち戻るかな?


そう思いながら立ち上がろうとして愕然とした。


「なんじゃこりゃ?!」


オレの下半身がモーンの下半身になっていた。


さっきのケンガイコンビの下半身にジュウシマツの上半身・・・どんなキメラだよ!


「なんかユウ様が一番ファンキーね」

「そうね、なんか新しいわ」

「空も飛べるのかしら?」

「飛べるなら私達と散歩に行けるわね」


ジュウシマツコンビが何かを話しているが、ショックすぎて耳に入ってこない。


「ごしゅじんさま気を落とさないでそんな姿になっても私の心はかわらないわ」


「時間が経て治るるかもしれません。お気を確かに」


ガイの言葉に少し正気を取り戻したオレは仕方ないので立ち上がり自分の体を確認する。


モーンの下半身は思ったよりもしっかりしていて走るには問題ない。


上半身のジュウシマツは腕を広げて羽ばたくと空を飛べるが、下半身が重いのか5mぐらいまでしか上昇できなかった。


「仕方ない。時間が経って元に戻るまではこのまますごすしかないな」


悲観しても仕方ないので諦めて直るまでこのまますごすことにした。とりあえずみんなに話するために家に戻るため広場に出るとクロとミミ、ティカとナミがいた。


「みゃーーー!!!!!鳥さんがいっぱいにゃ!!!」


ミミが4人の鳥族と新種の1人をみてがたがたと震えてクロの後ろに隠れてしまった。


「ちょっとまって、オレだよオレ!ユウだよ。なんか変なガスを浴びたらこんな姿になっちまった」


オレが説明してもあまり信用していないようだったので、一緒についてきたズズに説明させる。


そしてダメ押しとばかりに瞬間移動のマテルを使い広場の端に移動してみせる。


「本当に・・・ユウ様・・・なのですね」


ティカがものすごく悲しそうな顔をしている。


「ぎゃはははは、あんた何その気持ち悪い格好は。カラフルだけどミスマッチ過ぎて気持ち悪いわよ。もう人じゃないわね」


ナミにボロクソに言われる。


「ユウ様・・・お気を確かに」


クロがそっと気を使ってくれる。


「もういいんだ。そのうち戻るだろうしとりあえず変な格好だけれどこのまま過ごすからよろしく」


先日の大規模工事も殆ど済んで、今は整備部隊に任せても問題ないからゆっくり過ごせる。


一日寝たら元に戻るだろうからゆっくりと過ごさせてもらおう。


-----


考えが甘かった。


まずは風呂。体の隅々まで手が届かない。それに羽が邪魔してうまく洗えない。


次に食べ物。草食系になっていた。肉を食ったら吐き気を催したのだ。


そして最後に寝るときだ。今までのように仰向けで寝られない。下半身が邪魔して上を向けないのだ。


これはきつかった。寝返りもいちいち立ち上がらないと出来ないのだ。


でも寝てしまえば次の日には戻ると思っていたのだが朝起きてもまったく同じ格好だった。


正直しんどい。


モーンの小屋に行ったらモーンたちが異常に暴れてやばかったのですぐに外に出てきてしまった。見たことも無い生き物に驚いてしまったようだ。


それから3日過ごしたがそれでも元の姿には戻れなかった。


オレはこのままこの格好で一生過ごさなくてはならないのだろうか?


いやだ。そんなのいやだ。


苦しい・・・胸が苦しい・・・すごく・・・?!


なんか息苦しい。息が出来ない!!!


!!!!!


苦しくてもうだめだと思った瞬間、現実の世界で目が覚めた。


・・・夢だったようだ。


悪夢を見た原因は新しく新調した布団だろうか・・・。


コッコの羽を集めて作った羽毛布団がオレの顔にかかり口と鼻を塞いでいたようだ。


寝る前に新しい羽毛布団だと考えていたところ、羽毛がジュウシマツの羽だったら・・・とか考えていたからいやな夢を見たのだろう。


本当にいやな夢だった。


起き上がり水を飲むためにリビングに出て行くとそこにはいつもと変わらなティカの姿かあった。


「すごい汗をかいていますよ。お風呂に入ってきてはどうですか?」


ここはお言葉に甘えてそうさせてもらおう。


頭が痛いので軽く手を上げてティカに答え風呂に向かう。


風呂につかりながらしみじみと思った。


「いつもの変わりない日常が一番幸せだな」


その日はジュウシマツコンビとケンガイコンビにはあまり会いたいと思わなかったので部屋でゆっくりと過ごすことにした。

やっとのことで第3章が完了です。といってもいつまで続くのかまだわからないのですが・・・

今回は2回目の夢落ち回でした。ジュウシマツコンビの人間の姿はかなり惹かれますが、やはり夢。美化されてしまうのでしょう。


更新が遅くなってしまうときもありますが、気長に読んでいただければと思います

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[良い点] 評価点いちマイナス [一言] 終わり方。ないわー。また夢落ちとかないわー。連れ帰った新しい住人が馴染んだとかそんなのがきて欲しかった
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